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~袋小路~

~袋小路~


 戻ってきた世界。ダルメシアンジャスパーを見る。記憶を戻してはいけない。それは絶対だ。


「とりあえず、移動する。『次元断』」


 そう言ってすぐに離脱をした。だが、降り立った場所はさっきの、オール・ジャスパーと出会った場所と違う。なぜ違うことがわかるかと言うと、今いる場所の目の前に鉄の扉があるからだ。


「場所が違いますわね」


 ペリドットさんがそう言う。次元断はランダムだ。どこに行くのか決めることはできない。発動時間が少しでも変われば降り立つ場所は変わる。


「まあ、次元断のスキルだからね。ダルメシアンジャスパーちょっといいかな」


 俺はダルメシアンジャスパーの頭に手を当てる。


「悪いが少しだけ魔素を流し込む。安定させるためだから気にしないでくれ」


 そう、記憶を封印している魔法を解くことはできない。だが、その周りにもう一つ魔法をかけることはできる。即席だが、ある意味簡単に解くことができない術式をかける。そう、これは知っていれば解けるが知らなければ解けないというものだ。


(便利でしょう)


 頭の中でイリーナの声が響く。そう、知識はイリーナ、魔力は自分。そのため結構なレベルの封印をかけることができた。


「まず、これで大丈夫なはずだ」


「まあ、それが妥当でしょうね。それで、ここが安全だと思われますか?」


 ペリドットさんが扉を指差している。安全だとはとても思えない。大きな扉。まるでボス部屋のような雰囲気がある。可能性としては現在のジャスパーのマスターもしくは自我を持った『何か』だ。まあ、俺としては同一人物であると思いたい。


 だが、あのオール・ジャスパーもわからない。あの拘束魔法に鎖は簡単に解除できるものではなかった。そして、ダルメシアンジャスパーについても謎が深まる。記憶が戻ると世界を滅ぼすという。


「とりあえず、ここから移動しよう。ここは確実にまずい」


 そう思っていたら扉がギイギイと音を立てて開いた。


「まさかここにいきなりやってくるとは思ってなかったっす。でも、ここに居られるのはかなりまずいっす。だから倒させてもらうっすね」


 褐色の少女。ヘタマイトが居た。ヘタマイトがダルメシアンジャスパーを見てこう言ってきた。


「ふ~ん、そういうことですか。まあ、それは私としてもいい結果なのかもしれないっすね」


 今まで戦って来なかったヘタマイトがなぜかやる気になっている。そして、周りに小さな黒光りする人形が居る。いや、あの扉から出て来るのだ。


「まあ、ここは私の庭っすからね。とりあえず、さくっと倒させてもらうっすね」


 そう言うと小さい人形が突進してきた。数が多いのでとりあえずコンボで倒させてもらおう。


「スコール」


 スコールは攻撃魔法ではない。雨が少ない地域で農作物を育てるために雨を降らせる魔法だ。そして、この雨は純粋な水ではない。色んな農作物に良いものが含まれている。栄養素があるのだ。そして、吸収力を良くするために電解質なのだ。


 つまり、この「スコール」に濡れた相手は電気の通りがいい。


「サンダーボルト」


 ヘタマイトには通じないが、黒い人形はそこまで強くない。数が多いのでまず一掃する。一掃できたはずだった。だが、倒し切れていない。


「そうそう、ドラゴンブラッドジャスパーが面白い魔法を習得したっす。『ユグドラシルシード』っす」


 ヘタマイトの後ろに大きな木が出現する。そして、木からしずくが落ちたと思ったら周囲の黒光りする人形が回復したのがわかる。


「これで形勢逆転っす。ではこっちは全回復しているので大技っす。『召喚』っす」


 そう言って目の前に3体の宝石魔人が現れた。現れたのはレッドジャスパー、カンババジャスパー、オーシャンジャスパーの3体だ。


名前:レッドジャスパー

レベル:600

性別:女性

年齢:****

種族:宝石魔人

属性:火(宝石)、闇、****

スキル:ギャンブル、堅牢、****

ステータス:敵対

特記:馬鹿じゃないのと言ってくる。男装女子。重い剣を使う。どちらかというと魔法より剣技重視。突撃型。前衛。


名前:カンババジャスパー

レベル:600

性別:男性

年齢:****

種族:宝石魔人

属性:風(宝石)、闇、****

スキル:テイマー、雷光、****

特記:語尾が多分。女装男子。伸びる剣を使う。魔法剣士。様子見。中衛。


名前:オーシャンジャスパー

レベル:600

性別:女性

年齢:****

種族:宝石魔人

属性:水(宝石)、闇、****

スキル:回復、補助、****

ステータス:敵対

特記:嘘ばかりつく。回復だけじゃなく魔法も使ってくる。


 俺以外にもステータスの共有と思い「魔力探知」を実施した。後はフォースヒュドラが出てきて、カンババの肩には小さいリスのような生き物がいる。口から稲妻を帯びた光線を打ち出してくる。


 まず、俺は後方にある「ユグドラシルシード」をどうにかしないといけない。方法はあるがそのまま魔法を唱えただけでは対策を練られる。そう考えていたらカンババが「ドラゴンライトニング」を唱えた。


 避けるのもかわすのもできるが一つ思いついた。俺は「帯電」「パワーストレングス」を唱え、「フライ」で上空に飛んだ。


 そして、プリズムソードを上空にかざす。


 「ドラゴンライトニング」の威力をすべて剣に集めて「ライトニング・スラッシュ・ストリーム」として剣撃を放った。


 ストリーム系の斬撃はある程度方向を決めることが出来るが乱れ打ちだ。しかも斬撃の中に殺気も込めている。つまり目に見えるだけが斬撃じゃない。


 強さも向きも放った俺すらわからない。だからこそ、相手も予測できないから避ける行動をとっている。おかげで連撃が来ない。


「ティセ、ぶっぱなせ」


「いいの?じゃあ、全出力で行くと。『ダイアモンドダスト』」


 ダイアモンドダストで周囲が凍りつく。レッドが「ファイアストーム」で相殺させる。火と水の魔法が重なると水蒸気が産まれる。視界が悪くなるのだ。


「ナパームボム」


 ユグドラシルシードが燃えている。


「ふ~ん、それが狙いだったんすね。でも、残念でしたっす。私がまた魔法を唱えればいいだけじゃないっすか。『ユグドラシルシード』っす」


 だが、世界樹は現れなかった。


「なぜっすか。魔方陣も詠唱も完璧っす。何かしたっすね」


 ヘタマイトがこっちを見てくる。何かをしたわけじゃない。この魔法自体がそういうものなのだ。

 実際に俺たちが知ったのも魔王と戦った時だ。それまでユグドラシルシードが燃やされる、消されることなんてなかった。消されてわかったことがある。


 この魔法は『召喚魔法』の一種なのだということを。世界樹の一部を召喚している。だが、その一部を喪失した場合、次に召喚するまで1時間は最低でもかかるのだ。


 俺たちが魔王と戦った時に負けた理由がこれだ。このことを知らなかったからだ。まあ、ヘタマイトに理由を教えてあげる必要なんてない。にやりと笑っているだけで相手が誤解してくれる。


「まあ、使えそうって思った魔法だったっすけど、案外使えないって事なんっすね。まあ、こんな魔法がなくても別に問題ないっす」


 そう思ってくれるだけで助かる。実際後30分したらもう一度世界樹を召喚することができるからだ。まあ、30分以上戦わなければいいのだ。


「インヴィシブル・ハンド」


 俺は背中から闘気で出来た一本の太い腕を出した。そして、腕輪から白い剣を出現させてその闘気の腕に剣を持たせる。


「オーラスラッシュ」


 振り回しながらオーラスラッシュを放つ。これは陽動だ。


「なんかすごいことしてるっすね。でも、そんな大技当たらないっすよ」


 狙いはヘタマイトじゃない。


「こんな剣撃。俺にとって避けるのもまねをするのも簡単だ。俺の魔剣ハルパーの声を聞くがいい」


 そう言ってレッドの湾曲した剣が光る。


「奥義その壱『烈撃一殺』」


 その攻撃を待っていた。初見だとかわすことができない魂魄を切り裂く技だ。だが、俺はこの攻撃に向かって同じように剣を光らせて、「奥義その壱『烈撃一殺』」をぶつけた。そう、白い剣でだ。


 そして、自分の手にあるプリズムソードでもう一度「奥義その壱『烈撃一殺』」を放つ。一撃目で相殺。そして、もう一撃でレッドの魂魄を切断する。これでレッドジャスパーが倒せた。


「それはまずいっす。終わりっす」


 ヘタマイトがそう言った。その瞬間一気に魔素が流れ出した。おぞましいほどの量が。目の前にただ大きな影だけが現れた。


 その影が徐々に形になっていく。シルクハットを被り、右側の目だけを隠している銀の仮面をつけてタキシードに、ステッキを持った男が居た。タナトスだ。


「おやおや、まだあなたは生きているみたいですね」


 俺は周囲を見た。俺の周りにいた人たちは全て倒れている。


「私の死の波動で生きているとは。ああ、そういうことですか。レッドジャスパーを倒してくれたのですね。感謝申し上げます。おかげであの封印から抜け出せました。あなただけはこの剣でお相手いたします」


 そう言ってステッキを剣のように構える。瞬間にそのステッキは黒く、まがまがしい剣に変わった。タナトスの持っていた剣とエキストラスキルを覚えている。あの剣はかすり傷一つで即死する。剣に即死魔法を付与するエキストラスキルだ。


 距離を取る。いや、復活魔法の準備もしないといけない。そう思っていたらペリドットさんとヘタマイトが起き上がってきた。


「死ぬかと思いましたわ」


「いや~、この展開は望んでいなかったっすね」


 魔核を所持していない宝石魔人だから死ぬことはない。だが、他は死んでいる。即死だ。だが、復活できないわけではない。


「ペリドットさん少し時間を稼いでください」


 そう言って俺はティセ、ミーニャ、アカ、ダルメシアンジャスパーとつかんでは離れた場所に移動させた。そして、一気に「プリザベーション」をかける。


 顔を上げるとヘタマイトとペリドットさんが戦っていた。ヘタマイトは黒光りする剣を振り回していた。


「次元断っす」


 小さな円を描いてタナトスに向かって攻撃をしている。だが、タナトスの剣は触れるものを死に至らす。レベルの低い攻撃も同じだ。


「あなたたちは面白くないですね。でも、魔核がないからと言って死なないというのは違うというのを教えてあげましょう」


 タナトスは黒い剣に闘気を込める。黒い炎が剣からにじみ出ている。あれは危険というレベルじゃない。


「秘奥『絶死烈斬』」


 一瞬あたりが真っ暗になったと思ったら斬撃が飛んできた。


「オールプロテクト」


 俺は何重にも防御魔法をかけたが、重い一撃がやってきた。二本の剣で剣撃を受け止める。吹っ飛ばされたがなんとか受け切れた。だが、目の前にほぼ粉砕されているヘタマイトがいた。


「痛いっす。だが、ここは逃げるが正解っすね」


 そう言って消えて行った。だが、その消えていく影をタナトスが剣で一閃する。


「さて、これですべて終了ですね」


 その言葉を聞いた俺は意味がわからなかった。だが、守っていたと思っていた魂魄と魔核が砕かれているのがわかった。そう、俺はまた死んだのだった。


風邪をひいてしまい、毎日の更新ができなさそうです。

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