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~それぞれの戦い~

~それぞれの戦い~


 暗い中、戻る選択だけが出来た。セーブポイントからか初めからか。

 もちろん、セーブポイントからを選択した。変な讃美歌が流れる。


「これは?」


 きょとんとした顔のダルメシアンジャスパーがいた。そう、俺がパーティー登録の仮申請をしたところだ。

 だが、皆深い深呼吸をしている。していないのはダルメシアンジャスパーだけだ。


「作戦会議だ。時間がない」

 

 レッドの剣撃、特に最後の


「奥義その壱『烈撃一殺』」


 はかわし方がわらかない。剣撃自体は避けた。だが、魂だけが切り刻まれた。


「あの攻撃は私にも理解できませんでしたわ。どうされます?」


 転生には若干のずれがある。ペリドットさんは俺を見ながら戦っていた。


「逃げますか?」


「その時間はない。だとしたら相手を変える。ペリドットさんがレッドの相手をしてくれ。あの奥義その壱『烈撃一殺』を受けたとしてもペリドットさんは大丈夫でしょう」


「ええ、私の魔核はアデルの心臓ですから、受けたとしてもすぐに体は修復しますわよ。痛いですけれどね」


 ペリドットさんがすねている。本当にすねているわけじゃないのはわかるが、レッドのあの「奥義その壱『烈撃一殺』」が何かがわからない以上倒しても死なないペリドットさんが一番だ。だが、それ以前に行うことがある。先手必勝だ。


「相手がいる場所はわかっているんだ。ティセ。手を出してくれ」


 俺はティセの手を繋ぎ、周囲に氷結牢獄を発動させた。氷結牢獄の中に閉じ込められたものはすべて、強烈な冷気に分子活動を停止させられ、迫りくる氷の壁にすべてが押しつぶされるのだ。えげつない魔法である。


 周囲が白い世界に変わる。閉じ込めたのは俺たち以外の周囲だ。氷の壁がは永久氷壁。何をしても溶けることがない壁だ。この魔法も初見殺しの魔法である。


 だが、氷の壁が収縮していく途中に俺は後ろから刺された。


「ぐふぉ」


 後ろを見ると虚ろな目をしたダルメシアンジャスパーが俺の心臓を後ろから刺していた。

だが、少しだけそれている。即死じゃないなら回復できる。


「クリエイト:魔素吸収」

「大ヒール」


 だが、魔法が発動しない。というか、周囲の魔素が一気に吸収された。目の前の氷結牢獄も消えたのだ。


 魔法が使えないからハイポーションを使う。それともう一つ。俺が死ななかったのはこの呪いの指輪のおかげだ。HPが1になったとしても他のパーティーメンバーと調整が可能だ。まあ、仲間のHPが下がってしまったのは問題だが、生きていれば復活できる。


 だが、すぐに「ファイアーロックキャノン」が放たれた。だが、こちらは魔法が使えない。仕方が無い。


「ソードスラッシュストリーム」


 剣撃でロックキャノンを撃退する。ちなみに、「チェインドラゴンライトニング」は使っていない剣を上空にあげて避雷針代わりにして回避し、「メイル・シュトローム」はジャンプして壁に張り付いた。アカが羽を出してティセとミーニャを抱えている。


 ペリドットさんは俺と同じく壁に剣を刺してぶら下がっている。ただ、ダルメシアンジャスパーの周りは魔素が吸収されるのかすべての魔法が掻き消えていた。


「ダルメシアン、記憶はもどったかい?」


 レッドがダルメシアンジャスパーに向かって声をかける。だが、ダルメシアンジャスパーの目の焦点はあっていない。どこか虚空を見ている。そしてそのまま倒れた。おかげで魔素吸収が消えた。


「まだみたい、多分。でも、後少しで復活できる、多分」


「お前らがダルメシアンの記憶を封じたのだろう?本当だけど。封印を解除するなら助けてやってもいいぞ、嘘だけど」


 レッドがそう言う。どういうことだ。ダルメシアンジャスパーの記憶は誰が封印したというのだ。確かにヘタマイトも言っていた。


「俺たちはダルメシアンジャスパーの記憶を封印していない。だから解除もできない」


 いや、解除について試したことはない。だが、どうなのだ。こいつらの仲間である可能性もある。だが、何かが引っかかる。


「バカなの?お前らを信じるとでも思っているのか」


 レッドがそう言ってきた。信じるだけの根拠も証拠もないからこの反応は仕方ないか。


「倒してしまった方が早いです、多分。とりあえず、ダルメシアンは回収する、多分」


 そう言ってカンババが突進してきた。そう言えば、こいつは距離を取っていたがあまり戦いに参加していなかった。アカが前に出た瞬間に倒された。しかも正面からではなく、背中が斬られている。


 レベル差もあるがアカは防御特化だが、どこから攻撃されたのかわからずにパニックになっている。目に見えない攻撃。いや、違う。何かカラクリがあるはずだ。それに、妙な音がする。


「アカ、下がれ。一旦回復だ」


 このメンバーで回復は俺、ミーニャ、ティセが出来る。ティセは「なんで私が回復させなきゃいけないのよ」と言いながら回復をしてくれる。よくわからない。


 俺は「オール・プロテクト」を発動させてアカと入れ替わる。


「さっきのより強い、多分。でも、問題ない、多分」


 カンババが剣を構えたと思ったら斬撃が後ろからやってきた。「オール・プロテクト」のおかげで防げている。そこまでの威力ではない。


「その固さはやっかい。でも、こうすれば問題ない、多分」


 カンババは回転しだした。ひゅんひゅんと音がする。その剣を見てわかった。剣が伸びているのだ。魔力を込めると伸びる剣なのだろう。カラクリがわかればよけやすい。


「アカ、わかったか」


「うむ、これなら我でも対処できそうだ」


 アカの防御力は不意打ちで喰らったがそこまでダメージを受けていない。アカはレベルに合っていないHPの高さと防御力の高さがある。そのかわり、低いステータスもある。


 アカはバランスが悪いのだ。だが、その偏ったバランスは戦術次第でかなり活きてくる。そして、それはミーニャも同じだ。ミーニャはスピード特化だ。攪乱に向いている。この二人のコンビならカンババを倒せるかもしれない。


 すでにレッドのペリドットさんは戦いをはじめている。レッドの攻撃をペリドットさんは受け切れていないが、すぐに回復をして攻撃を続けている。勝てはしないが負けない戦い方だ。


 ティセは遠くからアイスバレットをぶつけては逃げる戦いをずっとしていた。俺はオーシャンとフォースヒュドラに向かった。


「ピンチだ。もう一人こっちに来ちゃったじゃないか、どうしよう。嘘だけど」


 そう言ってオーシャンは「パワーストレングス」を全体にかける。俺は魔力を練っていると後ろから魔剣が飛んできた。



Side:ペリドット


 アデルが勝てない相手ではないと思いますけれど、私が相手をするようにと言われました。まあ、正直どういう攻撃か見極めるのが私の役目なのでしょう。


 目の前の相手を見ます。レッドと呼ばれているみたいですが、宝石魔人です。宝石魔人には元となる魔人と宝石の組み合わせで強さが変わります。


 魔剣使いの魔人がいることは魔界で聞いたことがあります。なんでもその魔剣をそのまま使うのではなくて、魔剣の根源を知り、その能力を十全に使うと言う変わった魔人がいると聞いたことがあります。


 おそらく今手に持っている湾曲した剣もその一つなのでしょう。剣の声を聞くなんて私はやったことがないですが、このレッドという宝石魔人を見ていると意味があるのかもしれません。


 と言っても、私が持っているこのレイピアはガストン・ライニコフ様、私のマスターが作られた剣です。


 その根源はマスターにつながることしかわかりません。マスターからはアデルを任されましたし、私も挑んで負けました。いくら条件がある中とはいえ、あの時のアデルが私に勝つなどありえないと思っていましたから。


 そう、あり得ない。


 このレッドがアデルより強いなどあり得てはいけないのです。私の今のマスターが弱いなどあり得ません。とりあえず、あの「奥義その壱『烈撃一殺』」を放たせるまで手加減をして差し上げましょう。


「おい、お前ふざけているのか?」


 なんだかレッドが叫んでいるようですわね。


「何をですか?」


 重そうな剣をレイピアで受け止めて万が一折れてしまっては、このレイピアを制作してくださったマスター:ガストン様に申し訳が立ちません。


 まあ、折れることなどあり得ないですけれどね。そのため、攻撃は全て闘気でつくった刃で受け止めさせていただいていますわ。


「その剣はかざりか?」

「いえいえ、あなたの剣よりかは位のたかい剣ですわよ」


 そう言ってレッドの剣撃をさばきます。このレッドの剣撃はかなり不思議なものです。殺気だけで刃にできるのですから。まあ、アデルも同じことが出来ていましたから私もまねしたら出来ましたけれどね。そう言って殺気をぶつけてから、次に闘気の刃をぶつける。


 結構いい勝負だと思いますわよ。手加減をしていますが。


「だったら、その剣でなぜ攻撃も防御もしない。というか、お前純粋な剣士だないだろう。どうして魔法を使って来ない」


 どうやらレッドは魔法を使って欲しいみたいですわね。仕方がありません。


「ウインドカッターですわ」


 通常のウインドカッターはまっすぐにしか飛びません。けれど、発動する際に相手の魔力にを目標に放つと勝手に追尾してくれます。しかも、まっすぐ放つとよけやすいので色んな角度で放ってあげるとびっくりしてくれます。アデルなんて最初見た時の顔が面白くて忘れられませんでしたわ。


 もちろん、ウインドカッターを放った後すぐに殺気をぶつけて、その後気に闘気の刃もぶつけてあげますの。


 宝石魔人なのですから、これくらいよけられるでしょう。まあ、ここにいる宝石魔人はどうしてか魔核も自らの体に持っているようですから、そこそこ強いようですけれどね。


「バカなの。そんな攻撃当たるわけないでしょう」


 そう言って私の剣撃を受け飛ばしましたがウインドカッターが一つ後頭部に当たったみたいです。ウインドカッターはそこまで強い魔法ではないですから魔素の流れだけだと見失うこともありますのよ。


「痛てぇな。だが、それだけだ」


 ええ、それだけの魔法ですが、MPもほとんど消費しませんし、使い勝手もいいのですわよ。結構な量を打ち込んだのですけれど気が付いてもらえていないので悲しいですわ。


 そう思っていたら大量にウインドカッターが当たり出した。


「おい、ふざけんなよ。こんな魔法ただの嫌がらせだろう」


 気が付きましたが。後頭部だけじゃなく、手首、膝裏、足首と関節ばかり狙っていますもの。


「サウザンドソード」


 周囲に魔剣が現れましたの。


「この俺を本気にさせたな。この千の魔剣が降りしきる中で戦いだ」


 あらあら、さっきも見ていて思ったのですが、この千の魔剣、実際ほとんどレッドをよけて降りしきるんですよね。この中だと防戦一方に相手がなるみたいですの。それは困ります。


「エアリエル・ストリーム」


 エアリエルは風の精霊王を時間がありましたらから召喚してみました。周囲の魔剣が私とは違う方向に飛んで行ってくれますの。


 あ、どうやら他のメンバーの所に行く可能性があるみたいなので「風の精霊の加護」をメンバーにもかけておきましたわ。アデルは大丈夫でしょうから、アデルだけ外しておきましょう。



Side:アカ

 我は大丈夫だったのじゃが、我が主は心配性でしょうがない。ただ、あのカンババという奴の攻撃を見切ったことは流石に我が主はすごいと思おたわ。


 ただ、我が主が転生というのか時空魔法の使い手であることには正直驚いたわ。あの能力があれば我が主は世界をも容易く手に入れることじゃろう。


 あの能力が我にもあれば、我が主と同衾し、子孫を残すことも可能やも知れぬ。だが、我が主を狙う恋敵が多いのも事実。


 我もどうやって我が主の心を掌握するか常日頃悩んでいる所じゃわ。


 まあ、我が主に気に入ってもらうにはまず我が役に立つことを証明せねばならぬ。そのために目の前にいるカンババを容易く屠って見せねばならぬか。


「アカさん、前に出過ぎなのだにゃ」


 ミーニャが助言をしてくれている。いや、これくらい前に出ねば我が主にアピールが出来ぬのじゃ。


「剣撃が読まれている、多分。だったらこれがいい、多分。『ライトニングストーム』多分」


 カンババがそう言って周囲に雷撃の嵐を呼び出しおった。


「ミーニャ頼むのだ」


「了解なのにゃ。金剛盾(劣化Ver)なのにゃ」


 ミーニャは我が主のように特定の鉱石のみに特化した金剛盾なの出すことが出来ぬ。だが、魔力の少ないミーニャが出す金剛盾は結構貧相な形をしている。その形は立方体ではなく三角錐のようなものじゃ。


 ミーニャは嘆いておったが、その魔力の無さがこういう時に活かされるじゃから大したものだ。いや、それを助言した我が主がすごいのじゃ。


 先の尖った金剛盾が避雷針変わりとなり、ライトニングストームは我とミーニャを避けて落ちていく。


「炎のブレス」


 我のブレスは遠くに行くと広がりを見せてくれるのじゃが、威力が落ちる。


「こんな攻撃きかない、多分。何か裏がある、多分」


 看破されておったか。じゃが、これはどうじゃ。


「ソードスラッシュにゃ」


 ミーニャが周囲を駆けまわりながらソードスラッシュを撃ち続けている。しかも、我が主が得意とする「スピードスター」を使っている。我でも目で追いかけるのが大変なくらいじゃ。


「そんな攻撃痛くない、多分。仕方が無いので先に倒す、多分」


 そう言ってカンババがミーニャの方を向いた。今だ。


「オーラブレイド」


 意識が外れるこの一瞬を待っておったのじゃ。丁度、風の精霊の加護も身に受けたみたいだ。しかも周囲には目くらましになる魔剣が波打ってくれているのじゃ。


 この攻撃が決まれば我の勝ちじゃ。


 だが、その瞬間カンババの肩から何かが顔を出した。リスのような小さい生き物じゃ。そのリスが口を開けたと思ったらいきなり稲妻を帯びた光線が飛び出した。


「ライトニングショット、僕に死角はないよ、多分」


 直撃コースだ。我が主よ、申し訳ない。この一撃は避けられないが、我のオーラブレイドは確実にカンババに当てます。この一撃に我が命を!!


 我は剣にのみ力を注いだ。


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