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~レべリング~

~レべリング~


 アデルがダイジェストで送ります。


 10メートル以上ある大クモに突進をしたアカ。粘液が付いた糸を炎のブレスで焼切り盾を大クモの顔にぶつける。


 その隙にティセが大量の粘液を大クモにかけて動きを遅くする。それまでは軽快に動いていた大クモも動きが遅くなる。


 様子を見ていたミーニャがミスリスソードで攻撃するも大クモの毛に阻まれて攻撃が通らない。


 アカが「フレイムウイップ」を唱える。ミーニャの剣と自分の剣に炎属性を追加する。いや、ミーニャの剣はすでに闇属性があるんだけれどね。だが、攻撃がなかなか通らない。そう思っていたら大クモの上に大きな氷のツララをティセが作っていた。そして、そのツララが突き刺さって大クモを倒す。


 MVPはティセだ。


 というか、ティセ以外攻撃を与えられていなかった。そのため、レベルはティセだけが上がる。


「やったね」


 そう、このパーティーはバランスが悪いのだ。


 まず、突進しかしないアカ。攻撃をしているが威力なくHPを削れないアタッカーのミーニャ。前衛が時間を稼いでいるからティセのレベルが上がりやすい状況だ。


 そして、この後大クモを2体倒してティセのレベルが60になった。だが、アカとミーニャのレベルが上がらない。


「集合」


 そう言って3人を集める。ペリドットさんは腕を組んでいるが何も言うつもりはないらしい。多分、これは俺の出方を見ているのだろう。


「まず、この大クモと戦ってどう思った?」


 俺は3人に聞いてみた。まず、胸を張っているのがティセだ。


「アデル、私の活躍見てくれた。もう最高。普段ならあんな大技使えないけれど、前衛が時間を稼いでくれているからできたわ。まあ、私の実力ならこれくらいできるのよ。アデルも私のこと見直したでしょ」


 魔法職が後衛なのは普通だ。前に出たがるイリーナやマリーが特別なのだ。マリーは回復役だが、自分はオートで回復をかけている。だから前線に行きたがるのだ。


「だって、前線にはアデルがいるでしょう」


 いつも盾役のリチャードが嘆いていた。


「ヘイト管理する身になってくれよ。おかげで大変なんだからな」


 リチャードはいつも敵の正面に立つ。複数敵がいる時は特に一気にヘイトを集めてくれるから助かる。


「ほら、雑魚相手に魔法を使っていたらMPがもったいないでしょう」


 そう、前のパーティーは基本無駄な戦いはしないが、それでもゼロにはできない。そのため雑魚を掃討するときは皆が前衛だった。それがいいかは別だが。


 今回はだがひどい。


「アカはどうだ?」

「まあ、我の役目は盾役なのだろう。ならば敵を惹きつけているのだから問題なかろうて」


 だが、その表情は冴えない。多分面白くないのだろう。仕方が無い。俺は盾役、タンクは経験していないが、いつも横にリチャードが居たからわかる。


「まず、盾役は突進をしない。次に敵を引きつけることと正面から攻撃を受け止めるのは同じじゃない」


 そう言ってリチャードが良くやっていた半身で攻撃を滑らすことを真似る。


「こうやってあの大クモの攻撃、特に足での攻撃を盾で受けて、受け流す。そして、相手の体制を崩す。これが盾役に必要なことだ」


 リチャードは本当にそれがうまいのだ。だから俺が入れ替わりで攻撃できるし、その後ろからイリーナが攻撃魔法をぶちかませる。そして、気が付いたらサポート魔法から聖属性の攻撃まで多彩な行動をマリーが行う。力任せにぶつかっているアカは確かに格下相手なら問題ないが、相手がある程度強くなると厳しくなる。


「我はそう重いからそうスムーズに動けないのじゃ」

「いや、できる。アカのスピード(俊敏)の能力は低くない」


 実際アカの能力は全体的に高くスピードは低くないのだ。


「まあ、そこまで言うのならやってやらぬでもない」


 なんか対応がティセに似ている感じだ。そして、一番の問題点はミーニャだ。


「ミーニャはどうだ?」

「全然なのにゃ。攻撃しても効果がないのにゃ」


 何回か攻撃をしていたが効果がないから注意を引きつけるために周囲を走っているだけだった。ミーニャはレベルが低いこととステータスがスピード(俊敏)に偏っている。だから攻撃力は低い。


「それは違う。何も考えずに攻撃をするからだ。例えば大クモの目や関節部分、後は腹とかやわらかい所はある。スピードを生かし切れていないのだ」


 確かに大クモの防御力は高いが、体全部が固いわけじゃない。だとしたら柔らかい場所を攻撃すればいい。


「それは危険なのにゃ」

「いや、大丈夫だ。アカが大クモの体制を崩すから。できるよな」


 俺はそう言ってアカに向かって言う。


「まあ、主がそう言うならできるのじゃろうな」


 確実に出来る。それにあの大クモはそこまで難敵じゃない。この先に待っている敵に比べればイージーモードだ。


 俺は気が付いていた。この洞窟の一部だけにかなり強い結界をペリドットさんは張っている。そして、この結界の中にいるのはある程度レベルを調整している。


 この状況で結果を出す。とりあえず、この3人のレベルを100にする。俺はそう決めた。


「じゃあ、もう一度戦いだ」


 それから何度かの失敗もあったが最後はちゃんと3人が満足できて、経験値も入る戦い方ができるようになった。


「じゃあ、次にいきましょうか。そろそろ向こうもこの結界を破ろうとしているみたいですからね」


 ペリドットさんがそう言う。確かに幾重もの結界を破ろうとする脅威を感じる。だが、その力は破格に強いわけではない。


 クロノスではない。人か魔人かレアモンスターかわからない。俺としては3人がまだレベル100に到達していないことを考えるとクロノスでなければ大丈夫という思いがある。


 まあ、実際この世界には超越したものが多くいることを転生してから知ったのだが、それでもそこまで多くないだろう。


 俺の考えが伝わったのか3人の表情が固くなった。レベル100にこだわっている理由を3人に話していない。クロノスとの戦いに備えるにはレベル100に到達してからだ。


 まだ、3人のレベルは70台だ。まだ早い。


「大丈夫ですわ。次の敵を連携で倒せたら世界がかわるはずですから」


 ペリドットさんがそう言っていたが、目の前に現れたのは紫のローブを被った得体のしれない人の形をしたものが3体現れた。


 黒く光っている。シルバーブラックとでもいうのか怪しい光を放っている。どうして人の形をした何かと判断したかというと、人よりも小さい体。


 1m程度の大きさなのだ。そして、手足の部分は細長い。だが、3体からはまがまがしい魔力を感じる。そして、動きが早い。かなりのスピードで3人の周りを旋回している。


 地面を蹴って飛びながらだ。


「なんじゃ、こいつらわ」


 アカが盾を持ってぶつかりに行こうとするが、よけられる。そして、後方にいるティセをめがけて攻撃してくる。


 とがって腕の様なものを突き刺すように3体がティセに向かっている。


「気をつけろ。回避は危険だ」

「わかったわ」


 ティセはそう言って「氷壁盾」を唱える。俺が依然唱えた金剛盾の氷版だ。ティセの周囲にに氷の壁が出現する。


 その瞬間3体の目標はティセからミーニャに変わった。


「こっちに来るにゃ。どうすればいいのにゃ」


 ミーニャより黒光りする3体の方が早い。


「させない。スパイダーネット」


 氷の壁の利点は透明度を上げることができることだ。ティセは壁越しに魔法を放つ。その時黒光りする1体が高く跳躍する。


「アカ。2体のほうをフォロー。ティセは上空に攻撃魔法を」


「ってか、この相手一人じゃ無理なんだけれど」


 ティセがそう言う。上空に放ったアイスランスは頭突きで砕かれている。そして、黒光りする塊は高速に回転をし出して落下してきた。


 氷結盾にひびが入り、ゆっくり砕けていく。


「ちょっと、これヤバいって」


 だが、すでにミーニャとアカの方がヤバい。アカは盾で相手の攻撃を受けられていない。

 体中怪我だらけだ。そしてミーニャはアカを盾にして逃げ回っている。


「おい、我を盾がわりにするな」

「アカにゃんに『アースヒール』にゃ」


 だが、攻撃を受け過ぎている。仕方が無い。これはレベル格差がありすぎる。俺が一歩踏み出そうとしたらペリドットさんに肩をつかまれた。


「ダメですよ。アデルはここから指揮をするだけです。この状況でも勝ちにつなげられるでしょう」


 無茶振りです。それ、絶対に無理だからね。だが、ペリドットさんは首を横に振りだけだ。ここから勝てるのだろうか。とりあえず、相手の機動力をどう奪うかだ。相手はほとんど地面に触れている時間が少ない。だから地面を凍らせても意味がない。


 スパイダーネットは相手が早すぎて無駄撃ちになる。いや、無駄撃ちにしなければいいのか。ここは洞窟だからどうにかできるかもしれない。


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