表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/49

~召喚~

~召喚~


 一度村に戻り、また旅に出ることを両親に告げると「収穫祭までに戻ってくるように」とだけ言われた。


 収穫祭。今年は心の底から祝いたい。今までイーフリートを倒す日という認識だったからだ。だが、今回は違う。この街は失敗したとしても襲われない。


 だが、この近くの街と言えば「ラーナ」か、地図上だとヴァイン帝国最東部の街「サグ」だろう。


「サグ」は絶壁の前にある変わった村だ。魔王がヴァイン帝国に攻め入った時にグリフォンに乗ってあの絶壁を越えたのだ。


 そういえば、あのグリフォンもいつか仲間にしたいな。いつも騎乗をしていたのだ。名前も付けていた。「ぐりぞう」俺にすごく懐いていたんだ。


 エルフ王国の更に北にあるラドラ高原で手に入れたんだ。だが、今はエルフ王国とも接点がない。普通に通してはもらえないだろう。


 とりあえず、しばらくこの街は安泰だ。だが、他の街が襲われることを「良し」とできるかだ。


「アデルは強欲ですからね」


 マリーによく言われたセリフだ。救えるものはすべて救う。それが勇者だ。俺の中の勇者道だ。


 だから、1か月の間に調査を終えてイーフリートと再度話し合おう。「ぐりぞう」も居ないので移動を最短にするにはどうしたらいいか。そこで試したかったアイテムもあるので、街から離れた場所に移動したのだ。


「ねえ、どうしてこんな人気のない所に行きたがるの。そういうのってまだ早いと思うんだよね」


 ティセの指輪で召喚してもいいがやはり自分が先に試すのがいいだろうと思った。どれくらいMPを消耗するかわからないからだ。あぶなくなったらポーションで回復可能だし、最悪俺はやり直しがきく。


「試したいことがあるんだ」


 ティセに向かってそう言った。手に入れたアイテムは性能を知る必要がある。俺の真剣な表情を見てティセがもじもじしている。どうしたのだろう。トイレにでも行きたいのだろうか。


「だって、気になるじゃない。こんな人気のないところに連れてきて」


「いや、人気がないところじゃないと困るんだ」


 試そうとしているのはイーフリートからもらったピンキーリングだ。イーフリートが言うには火竜が召喚できるらしい。どれくらいの時間召喚できるのかわからないけれど、この火竜がある程度の時間召喚できるのであれば移動時間が短縮できる。


 まあ、火竜なのでいきなり人里に着陸できないのが難点だが歩くよりは早く移動できるはずだ。


 ティセを見ると顔を赤くしている。


「体調わるいの?どこかで休む?」


 ティセが俯いている。顔も赤い。手をつかむとほのかにいつもより体温が高いように感じる。


「ヒール」


「何回復させているのよ。違うから」


 そう言って殴られた。


「じゃあ、はじめようか」


 そう言って俺は指輪を触り魔力を込める。


「出でよ、火竜」


 そう言って指輪から出てきたのは一戸建ての家より大きな火竜が出てきた。しかも結構MPが持って行かれている。半分近く持って行かれている。


「我を召喚したのはお前か?」


 地響きのような声がする。火竜というよりレジェンドドラゴンだ。しかも魔界で戦ったことがある宝箱を守護していたレジェンドドラゴンレベルだ。


「ああ、そうだ。この指輪で召喚をした」


 そう言って指輪をドラゴンに見せる。だが、その瞬間ティセにアイスロッドで殴られた。


「何、ドラゴン召喚しているのよ。召喚するならちゃんと初めからそう言ってよ」


 そう言いながらダイアモンドダストの詠唱にはいる。それ、今かなりまずい。そう思っていたらドラゴンがこう言ってきた。


「古き盟約の召喚か。仕方が無い。だが、我が主と認めるには条件がある」


「ダイアモンドダスト」


 話しの途中でティセが俺にダイアモンドダストを放ってきた。仕方が無い。ミラーで反射をさせよう。ティセにぶつけると余計にややこしそうなのでこのドラゴンにぶつけるか。


「ミラー」


 その瞬間ドラゴンが一瞬凍りついた。


「なんでよけるのよ」


 ティセが怒る。ってか、よけないと凍りついて最悪転生してしまう。レジェンドドラゴンだったら大丈夫だろう。すでに表面だけ凍っていたので氷が剥がれ落ちている。


「いきなり何をする。話しを聞くこともできぬというのか?」


「アイスバレット」


「ミラー」


 こぶし大の氷の塊がティセから俺を経由してドラゴンにぶつかり続ける。


「だからなんでよけるのよ」


「ちょっとティセ落ち着こうね」


「お前ら、召喚しておいて話しを聞くこともできぬというのか」


 ドラゴンが炎を吐きだした。火のクリスタルがあるからその攻撃は魔力として吸収されるだけだ。


「なんと?炎属性が効かぬというのか」


「ダイアモンドダスト」


「ミラー」


 また、ドラゴンの表面だけが凍りつく。


「とりあえず、このドラゴンどっかやって。話しができない」


「お前ら、我の話しをなぜ聞かぬ。本気で倒すぞ」


 なんかとりあえず、ドラゴンを先に黙らせようと決めた。俺はティセの方に向かって歩いて手を取る。


「悪かった。とりあえず、許して欲しい」


 そのままアイスロッドをつかむ。


「わかってくれたらいいの」


 そう言ってティセが目を閉じて上を向いてくる。今だ。


「氷結牢獄」


 とりあえず、ドラゴンはしばらく牢獄の中でおとなしくしてもらおう。だが、その瞬間「遅い!」と言われアイスロッドで殴られた。理不尽だ。そう思っていたら氷結牢獄からドラゴンが抜け出してきた。


「お主かなり強いな。本気で我に挑んでないのがわかるのにこの強さとは。お主を我が主として認めよう。我が名は赤龍という。覚えるがよい」


 ドラゴンが頭を下げている。


「じゃあ、アカね。よろしく。アカ」


 ティセが勝手に名前を変える。


「まあ、名前はアカでいいか。それでアカは召喚後どういう動きをするんだ?」


 まあ、名前は短い方がいい。


「なるほど、我が名はこれからアカになるというのか。どういう動きもない。必要とあらば現れるし、影にかくれることもできよう。人の形に擬態することもできるが主の望みは何だ」


 何?人の形になれるのか。まあ、それが一番いいのかもしれない。召喚後はMPが定期的に減る様子もない。


 というか、魔界から召喚したからそのままこの世界にいるのだろう。だがなんで具現できている。受肉したのだ?


「人型になってもらいたいが、お前は受肉をしているのか?何を媒体にしたのだ?」


「うむ、人型だな。わかった」


 そう言いながらドラゴンの周りに竜巻が起きる。竜巻の中心から声が聞こえてきた。


「受肉はイーフリート城に保存されている擬態を使用している。そのため、一度イーフリート城経由で召喚をされるのでタイムラグがある。そしてこれが人の姿だ。よく見るがいい」


 そこには赤い髪をした幼女がいた。ただ、服装は黒がメインでピンクが入り、白のふりふりがついている。大きな目、八重歯が出ていて、長い髪はツインテールにしている。そして、身長は低いのに胸が大きい。バランスがわるそうだ。ちなみにレベルは60だ。そこそこ強いみたいだ。


「お前女だったのか?」


「気が付かなかったのか?主は我を屈服させた。だから、どんな命令でも受けるぞ。なんでも言うがいい」


 でかい胸を強調するように胸を張ってそう言われた。


「アイスバレット」


 ティセがいきなり放つ。だが、アカは口から少し火を吐きだしてすべてのアイスバレットを燃やし尽くした。


「なんだこいつは。ずっと失礼なやつだ。しかも弱い。こんな胸もない、弱いヤツをなんで連れて歩いている。さては保存食か?ならば我は腹が減っておるから食してやろうではないか」


「アデル。この無駄乳女今すぐどっかにやって。腹立たしいわ」


 とりあえず、アカが仲間になった。そして、アカを竜化させることで移動が楽になった。アカの背中にのってニャーニャーの近くまで行ったのだった。かなり早い。


 途中何回もティセが振り落とされそうになったが。


「俺にしっかり捕まっておけよ」


「まあ、お礼を言ってあげるわ。ありがとう」


 そう言ってティセは足場にしているアカの首筋を蹴り込んでいた。仲良くなったのだろうか。そう信じようと思った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ