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~セーブポイント~

~セーブポイント~


 今回の転生は記憶の引き継いだものがもう一人いる。俺が先に死んだことで強制的に転生されたティセだ。


 だた、ティセ自身も何が起きたのかわかっていないのだろう。不思議な子として町の中で認識をされていた。物心ついた時には周りからティセにかかわらないようにというルールができていた。


 そして、ティセはめったに家から出ない子となっていたのだ。家は隣。だが、引きこもっているからあの笑顔を見ることができない。


 いつも俺の手を引っ張ってくれていたティセがいないのだ。だから、俺からティセの家の扉をいつもノックした。


「あらあら、アデル坊ちゃん。どうしたのかな?」


 ティセのおばあさんが顔をいつも出してくれる。


「ティセに会いたいの。お話ししたいの。無理かな?」


 ティセの様子がわからない。話しをしたい。その辛さはわかる。


 だが、断られた。仕方が無い。俺は先にじいちゃんを捕まえてペリドットさんに話しを聞くことに決めた。そう、転生した時にどういう記憶を引き継いでいるのかを。


「なあ、じいちゃん。倉庫行きたい。あそこいっぱいキラキラがある」


 5歳まで待った。これより早いと試練を乗り越えられないからだ。じいちゃんはその辺融通が利かない。


「そうか、興味があるか。なんだったらじいちゃんの武勇伝を聞かせてやろうかのう」


「わーい。楽しみだ」


「おかえりなさいませ。マイマスター」


 倉庫に着くと、藍色のおかっぱ、白い端正な顔立ち、黒を基調した白いフリルが付いたメイド服を着た女性が出てきた。


「シズ。久しぶりだね」


「マスターアデル。確認しました」


 そう言ってびっくりした。シズが俺を覚えていると思っていなかったからだ。前のクロノス戦でシズとアメジストさんを即席パーティー登録したけれど、機械のシズも転生をすると思っていなかったのだ。


「ほお、すでにCZ-LT98type2657から認識済みか。そうかそうか。ならお前は倉庫の前で警護だ。そして、その周囲に結界を張れ」


 じいちゃんはそれだけいうと楽しそうに地下に降りて行った。


 そこには人の顔をしたペリドットさんとアメジストさんがいた。今日はのっぺらぼうではないのだと思った。じいちゃんが言う。


「ここは多重結界内だ。だから誰にも監視されず思ったことを話すがいい。ではアデル。お前に問う。多分、これから何回かこの質問をするはずだ。お前にとってこの世界は何回目だ?」


 そう言ったじいちゃんの目は孫に向けるものではなかった。ものすごい眼力だ。


「5回目です」


「そうか、まだ5回目か。そして、儂とこの話しをするのは」


「3回目です」


 そう言うとじいちゃんはこう聞いてきた。


「誰にやられたのだ?」


 じいちゃんへの説明をしようとしたらペリドットさんが手を上げて説明をしてくれた。だが、俺の死の後も少しあったのでびっくりした。


 俺がグランドクロスで倒された後、地下に爆裂魔法が叩き込まれたらしい。ここでアメジストさんが倒されたという。


 次にティセが特攻をしたが四肢を切断された後、どこかに捨てられたらしい。切断は熱での切断だったので血は出ていないのでそのまましばらく生きていた可能性があるそうだと言われた。


 ペリドットさんはその後能力解放をして風魔法以外も使用して挑んだがクロノスの時空魔法により何度も相手は復活、ペリドットさんは魔素切れを起こして終了したそうだ。その後の事はわからないらしいが、ティセは相手にされずそのまま生かされていたのだとしたら四肢を亡くした後どういう末路になったのか想像したくない。


 野獣か魔獣に喰われたのか、夜盗にさらわれたのか。そういう末路のはずだ。こっそり窓から覗き込んだティセの表情は死人のようだった。それだけ辛いことがあったのだとわかった。


「俺はまず、ティセの心をケアしたい。俺は何度もつらい思いをしているが、ティセは今回はじめての経験だ。だが、俺はどうすればいいのだ」


 戦いならば戦術でどうにかできる。だが、ティセのことを考えるとどうするのが一番なのかわからない。じいちゃんが言う。


「ティセを仲間にしないで転生するというのも一つの選択肢じゃ。そうなれば次の世界出会うティセはつらい記憶を引き継いでおらぬだろうな。まあ、色々試すならこれをつかうがいい」


 そう言って緑とも青とも言えない球体が倉庫に出現した。


「じいちゃん?これは初めて見るんだけれど?」


 俺はその球体に手を伸ばした。ばちんという音がした。静電気の様な感じがした。じいちゃんが言う。


「まあ、お前のようなNPCがこれを使えるか正直わからん。だが、お前はあまりにも特殊すぎるから使えるのではと思ってだな?」


 言われた単語がわからない。えぬぴーしーって何だ。だが、じいちゃんは続ける。


「これはセーブポイントと言って、セーブした所からやり直しが出来るのだよ。だが、いつでも使えると思うな。これがどこにあるのかは隠された場所にしかないからな。それともう一つ。セーブポイントは更新したら前には戻れない。戻る時は最初からやり直しをするかセーブポイントした所からかのどちらかじゃ。だから慎重に使うのだぞ」


 よくわからないが、赤ん坊からやり直さなくて済むのならそれは助かると思った。


 とりあえず、俺は何回か実験ということで手加減をしていないアメジストさんに本当に殺された。そして、わかったことがある。


 俺ではティセの闇はぬぐえない。だから、記憶を引き継がないでもらうことに決めた。


 そのかわりにこのセーブポイントを使うことで俺は探ろうと決めたのだ。


 どうして、イリーナが意識を乗っ取られ、暴れ狂ったのか。そして何かが起きたはず。その何かを回避しない限り絶対にクロノスに勝てない。


 それが俺とじいちゃん、アメジストさんとペリドットさんで出した結論だ。


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