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~ゴブリンロードとの戦い~

~ゴブリンロードとの戦い~


 後衛タイプも面倒だが、ゴブリンロードの肩にいるインプも面倒だ。そして、一番面倒なのは3メートルもの巨体なのに素早い動きをするゴブリンロードだ。


 ゴブリンロードの身体が赤く、次に光り輝いた。これは身体強化魔法系だ。スピードと筋力増加だ。ゴブリンロードの身体が揺らいだかと思ったら一気に距離を詰められる。


 攻撃を剣で受ける。重い剣戟だ。闘気を纏っていたから、いや、じいちゃんからもらったプリズムソードだから受け切れている。そこからの安い剣だとこの一撃で剣が壊れてしまう。今の剣戟は武技の「武器破壊」だ。


 更に3連撃を繰り出してくる。


「フライ」


 空にとりあえず逃げる。だが、ゴブリンロードも空を飛んできた。そして、上段に構えて剣を振り下ろしてくる。


 これは俺が使うオーラブレイドに似ている。受けるのは危険。そう本能が教えてくれた。このオーラブレイドをよけても大丈夫なのか。俺はその先を見る。やはり、そこにはティセやミーニャたちがいる。


 ただ単に攻撃を仕掛けてくるだけじゃないのか。なら、この上段からの攻撃を発動させなければいい。


「フレアバースト」


 俺はゴブリンロードに向かって加速する。そして体中に闘気を纏う。まずは「フラッシュ」で目くらましだ。


 そして、俺はそのままの勢いで「オーラタックル」でゴブリンロードにぶつかりにいった。


 これだけで倒せるとは思っていない。威力が足りないからだ。だが、ゴブリンロードが放とうとしていたオーラブレイドは回避できたし、この自爆技に近い攻撃を食らってゴブリンロードが一旦動きが止まる。


 それをみて、俺は地面に向かって加速する。もちろん、「フレアバースト」で加速をつけてだ。


 そして、地上に向かって「ソードスラッシュ」を放つ。一体ゴブリンを駆逐できた。そのまま「瞬炎」を放つ。


 後9体が地上にいる。いや、反対側を見るとまだ何体かゴブリンがいる。ペリドットさんもいるから大丈夫だろう。


 そう思っていたら上空から剣戟がとんできた。ソードスラッシュのような剣戟だ。闘気を乗せる攻撃はもう少ししたら主流になるが今の時代はそうでないはず。


 一体何が起きているのだ。周りを見る。だが、ゴブリンロードはやたら滅多にソードスラッシュを撃ってくる。


 このままだとどれかがティセやミーニャに当たる可能性がある。上空に逃げると次はティセたちを攻撃するかもしれない。


 仕方が無い。俺は剣戟に向かう形でゴブリンロードとの距離を狭める。だが、その瞬間嫌な予感がして距離を取る。


「シャドウスネーク」


 地上にいたゴブリンが俺めがけてはなっている。これは影をつかまれたらスタンになる。仕方が無い。


「スピードスター」


 敏捷性を上げる。この魔法はHPが削られるからあまり使いたくない。けれど、これで地面に近づきソードスラッシュを放つ。


 シャドウスネークは倒せた。だが、一発ゴブリンロードの攻撃と地面からファイアーボールを食らってしまった。


 だが、その瞬間ユグドラシルシードの回復が入る。少しだけ時間が欲しい。


「永久牢獄」


 ゴブリンロードに向かって放つ。これは1分間だけ相手を拘束する魔法だ。だが、これは1体だけ。だが、拘束できたのはインプのほうだった。


 失敗した。だが、俺はゴブリンロードに向かって突進をする。今度は「スピードスター」付きの「オーラタックル」だ。これは攻撃がメインじゃない。


 インプから遠ざけるためだ。インプの回復が一番きつい。


 体当たりをした後、更に「オーラタックル」を続ける。HPが削られるがすぐにユグドラシルシードの回復が入る。


 そして、俺は「フレアバースト」で移動をする。エキストラスキル「次元断」を発動させてインプを倒す。そして「瞬炎」を発動させてインプの復活を阻止する。


 これで後は下にいるゴブリン9体のゴブリンロードだけだ。


「大ヒール」


 ゴブリンロードを全回復させたゴブリンが下にいる。どこにいる。できればこの魔法を使いたくなかったが仕方が無い。


「ナパームボム」


 草木に隠れながら攻撃をしてくる。ならば、周囲一帯を焼切ればいい。ナパームボムで周囲の草木を焼切った。


 ナパームボムは殺傷能力はあまりないかわりにこういう草木を焼き尽くす能力がある。樹木系のモンスターにも効果的でもある。


 焼き尽くした後ゴブリンを発見しやすくなった。ソードスラッシュで刈り取っていく。


「うごごごご」


 すごい勢いでゴブリンロードがこっちにやってきた。後8体のゴブリンを狩りつくすだけ。そうだ。こういう時こそエキストラスキル「コピー」を使う。その間に時間を稼ぐため「永久牢獄」をゴブリンロードに使う。


 コピーを使い、コピーに下のゴブリン8体を倒させる。そう思っていたら更にゴブリン軍勢がやってきた。数千はいる。仕方が無い。詠唱を唱えて「メテオ」をゴブイン軍勢にぶつける。激しい音と共に永久牢獄が破壊されたのがわかる。時間少し前だ。


「この魔法を破るとは一体どれくらいのレベルなんだ」


 つい、声が出てしまった。「魔力探知」を使って強さを確認する。レベルは400だ。そこまで強くない。だが、何者かが力を注いでいるのがわかる。このゴブリンロードは作為的に生まれ、そして、今誰かが力を注いでいる。ということはその相手を探らないと意味がない。


「魔力探知」を広範囲に使用する。だが、探ろうとするとゴブリンロードの攻撃が激しくなってきた。


 というかソードスラッシュの連打とかもはや意味がわからない。しかも延長線上にティセやミーニャたちが居る場所を狙っている。


「風神盾」


 金剛盾の風バージョンだ。この魔法はペリドットさんが使っていたので連動して使えるようになったのだ。暴風の塊で相手の攻撃を押し返す魔法だ。空中戦用の防御魔法だ。


 ゴブリンロードはものすごい量の魔力を注ぎ込まれている。すでにゴブリンロードの周りは魔力で黒い炎が燃え上がるようになっている。


 そして、その魔力を使いこなせていないのがわかる。だが、一撃一撃がえげつないくらい重くなっている。


 風神盾で攻撃を受け流しながら探知を続ける。ダメだ。後少しなのにわからない。魔力が流れている脈が多すぎる。


 どこが出発地点かわからないのだ。だが、わかったことがある。一か所集中している場所がある。そこには何かがあるはずだ。


 ここから少し離れた場所。だが、大丈夫。集中すればわかる。そこは魔力が集められてゴブリンロードに届けられている中継場所だ。


 その場所だけを攻撃するわけにいかない。ゴブリンロードにも攻撃をあてる。


「ライトニングスピア」


 まっすぐに飛ぶ電気を帯びたスピアだ。だが、狙いはゴブリンロードじゃない。よけることを想定して放っている。


 予想通りゴブリンロードがよけた。そして、その先にその中継場所がある。ライトニングスピアが中継場所にあたった瞬間に光の柱ができた。


 ものすごい魔力が放出されている。そして、もう一つ。ゴブリンロードへの魔力供給が止まった。


 これなら問題なく倒せる。俺はプリズムソードに闘気と魔力を込める。このプリズムソードだからできる技がある。


 魔法剣は一つの属性を剣戟に乗せる。けれど、このプリズムソードは全属性を込めることができる。火、水、風、土、光、闇、そして闘気だ。プリズムソードが震えだす。全属性を込めると七色に光る。この力ならこれで十分だ。


「プリズムスラッシュ」


 七色の剣戟。それは今までのソードスラッシュとは比べ物にならない威力だ。相反する属性がぶつかり合い攻撃力を高める。


 相殺しないためにその間に闘気を纏っている。その一振りでゴブリンロードの上下真っ二つに切断した。


 復活しないよう瞬炎をかける。下にいるゴブリンは統率を失い逃げ出すもの、ティセやミーニャに倒されるものにわかれていった。ペリドットさんの姿を追いかける。


 上空で戦っていた。その相手はシルクハットを被り、右側の目だけを隠している銀の仮面をつけてタキシードに、ステッキを持った男が居た。死をつかさどるタナトスだ。死の息吹はタナトス自身を視認することが一つの発動条件だ。


 つまり、ティセとミーニャがタナトスに気が付かなければ大丈夫だ。俺は「フレアバースト」を使ってペリドットさんに近づいた。


「アデル、どうしてこちらに来たのですかしら?」


 その口調は丁寧だが怒りが感じられる。タナトスが俺を見てこう言ってきた。


「おや、ようやく勝利されましたか。いえいえ、あなたの戦いは大変興味深く拝見させていただいていました。知らない魔法もたくさんありましたので、見ながら学習をさせていただいておりました。まあ、少々私の思惑とは違った展開となりましたが、それもまた運命なのでしょうね。申し遅れました私はタナトスと申します。お見知りおきを。といってもすぐにあなた達とはお別れなのですがね」


 そう言って死の息吹を俺にぶつける。だが、俺のレベルだとそれは効果がない。


「おお、あなたも私と戦うにふさわしいのですが。これはすばらしい。ですが、私の役目はここではないようですね。勉強にもなりましたしお暇させていただきましょう」


 タナトスはお辞儀をしてマントを翻したらそのまま消えた。このまま去ってくれてよかった。


「私は追いかけます。アデルはあちらを」


 そう言って指差した方向ではティセとミーニャが苦戦をしていた。統率がとれなくなっていたはずのゴブリンが統率を取っているのだ。しかもそこには倒したはずのゴブリンロードがいる。


「なぜだ?」


「もちろん、生み出されたんですわよ。新たなゴブリンロードがね」


 そう言ってペリドットさんが飛び立とうとする。


「どちらにいくんですか?」


 俺は気になってペリドットさんに聞いた。やな予感だけはする。


「この近くにある集落。場所は地下のようですね」


 タナトスは死をつかさどる魔人。一気に大勢を倒すのが好きな魔人だ。この近くの集落で地下。


 猫浄土の場所だ。ミーニャの父であるダルーニャさん、ボルドーニャさんにミルニャーニャさん。それに大勢の仲間。


 前の世界でパーティー登録したから、死を経験したから彼ら、彼女らの意識も記憶も俺の中にある。あの人たちが死ぬのか。


「だから私が行きますのよ。アデルはあちらを。でも、ただ単に倒しただけでは意味がありませんわ。ちゃんと大元を絶ってくださいね」


 そう言ってペリドットさんはフライで飛んで行った。しかも普通に早い。俺にはできないのに。


 だが、俺もこうしていられない。新たに生み出されたゴブリンロードの相手をしないといけないのだ。


 しかも、こいつに魔力を注ぎ込んでいるやつをあぶりだす必要がある。とりあえず、早くたどり着かないといけない。


「フレアバースト」


 いい加減普通の使い方をしなくなったこの魔法で俺は逃げるティセとミーニャの元に向かった。


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