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プロローグ

 ふと気付くと真っ白な何もない空間が広がっていた。

 空もない、地面もない、しかしとても広いと言うことはわかるどこか不思議な空間。

 ここはどこだろう、大学に受かったことを担任に報告へ行こうと高校へ向かっていた道中だと思うんだけど、と見渡そうとしたところで自分の体がないことに気が付いた。体はないが見ることはできる、そんな不思議な感覚。


「なんだ、ここ?」


「君たちの言うところの天国と地獄の間の場所って感じかな?」


「うわっ!?」


 呟いてすぐに自分の隣から声をかけられた。隣を見ると男とも女ともいえない中性的な顔立ちの青年が浮かんでいた。驚いて固まっているとその人物から


「どーも、僕は神みたいなものだよー。っていっても信じられないかな?いやーごめんね、手違いで君のこと事故に遭わせちゃって死んじゃったんだよ。あれ、覚えてない?」


 と言われた。まあこんな状態だから神と言われても信じるしかないけども、


「……いやまったく記憶にないですね。交差点で信号待ってたところまでは覚えてますけど」


「んー、そっかー。まあ事故の記憶なんてあっても良いことないし別にいっかー」


「はぁ……?」


 なんか俺が死んだことをすごい軽く言われたけど記憶がないから実感が全くない。体がないから今の俺は魂とかそんな状態なのだろう、ということはわかったが。


「覚えてないことは置いといて、なんでこんな場所に俺はいるんですかね?」


「あ、そうだそうだ、説明の途中だったね。いやー、実は手違いで死なせちゃった場合はその魂が望む特典で転生させるっていうルールがあってだねー。あ、望む特典ってのにも限度があるからね。転生してすぐに俺TUEEEEEEな感じにはできませーん。まあちゃんと努力しろってことだね」


 お、おおう、俺がよく読んでたWeb小説によくあるやつだった。ああいうことってほんとにあったんだなー、と思っていると


「というわけで君には転生してもらいます。さあ、とりあえず君が欲する特典を言ってみたまえー」


「アッ、ハイ」


 フハハハハーとテンション低く笑いながらそんなことを言われた。

 んー、とりあえずこうなりたいってのをいってみればいいのかな?ゆったり楽しく暮らすのもいいけどやっぱ男として憧れるものがあるからそこそこ加減はしつつって感じで


「………じゃあ、とりあえずまず勇者召喚とかで呼んだ勇者からの知識でそこそこ発展してる剣と魔法の世界で、記憶はそのまま引き継ぎ、体のスペックは高くて魔力とかの不思議パワーも満載、家はそこそこ裕福なかんじで生まれるところは不便のないとこ、んでもって可愛い幼馴染みがいたら最高ですね。ついでにゆったり暮らせたりしたら嬉しいです」


「またずいぶんと欲張ったねー。そのままだと絶対その条件は無理でーす」


 加減とか無理だったわwwあー、やっぱそうだよね、そりゃ欲望満載のこんなのは叶えてもらえるわけがない。……て、ん?このままだと?


「あの、このままだとっていうのは?」


「フフー、それはねー、何かしらのデメリットを条件に入れればOKになるのだよ」


「なるほど」


 でもそんなこと言われたところでそうポンポン思いつかないしなー


「………どういうのがあるか教えてくれません?」


「いいよー。んー、そうだなー。君の言った感じの世界はあるからほんとだったら魔王を倒すために勇者にー、とかが一番いいんだけどそこの勇者ってのは召喚された人のことを言うからなー。転生したら腐った国を改革するーとか、相対したら自分の命が危険なすごい強い魔物を狩りまくるーとか……あ、召喚された勇者を一定の水準まで育てるってのもいいかもねー。召喚された子達って、こう…………大変だから…………」


 ほほう、そういうのか。ま、国を改革とかそうそう出来るもんじゃないし、自分の命が危険なやつを狩りまくるってのも大変だもんね。最後のは……うん、小説に出てくる我が儘なかんじの勇者がきっといるんだろうね。でも一番危険がないのがいいからなー。そう考えると


「えーと、勇者を一定の水準まで育てるってのでお願いします」


「おー?それ選ぶんだ。なんでそれなの?」


「一番命に危険がないからですね。あ、一定の水準までってのはどこまでを指すのか教えてもらえますか?」


「なーるほどねー。あーそれは魔王の幹部たちと渡り合えるぐらいまでかな?そこまでいけばほっといても勝手に強くなってくだろうし、そこまで育てるとなると我が儘なのとか傲慢なのとかも直せるでしょ?よーし、これで決定でいいかな?決めちゃったらもう変えられないよ?」


「あ、大丈夫です」


 …………ん?よく考えたら育てるっていってもそうできるように俺も強くならなくちゃいけないんだよな?転生してから強くなるってことなのかな?ちょっと嫌な予感するから聞いてみるか。


「あのー、俺のことは誰が『ビカー‼』…?!」


 自称神様に聞こうとしている途中で突然ものすごい光が迸った。


「はーい、条件は確定されましたー。なに?その顔」


 ………うん、きっとアホな顔してんだろうね。聞こうと思ったら打ち切られちゃったからね。そりゃそんな顔になりますわ。


「……いや、聞きたいことあったんですけどその途中で確定とか言われたもんで」


「おおー、それはごめんねー。それで、何が聞きたいの?」


「あ、はい、その、誰が俺のことを勇者を育てることができるようになるまで強くしてくれるのかなって」


「あ、そっかー、言ってなかったねー。どうせなら強い方がいいよね?」


「そりゃまあ」


「だから僕の知り合いに言って強くなってもらう予定だよー。こんな空間にいれるのはなにかしら滅茶苦茶なことができるやつだけだから強くなれるよー。まあ人の中では勇者以外では一番強いけど魔王は倒せないってレベルまでだけどねー」


「なるほど、ありがとうございます。」


「じゃあ、お願いしてくるねー」


「あ、はい」


 ぱっと自称神様は消えて、暫くしてからにいなくなったときと同じようにパッと現れた。


「はい、頼んできたよー。いいよーだってー。そういうの久々だからめっちゃはりきってたから頑張ってねー」


「はい、頑張ります。じゃあ転生お願いします」


「え?」


「……え?」


「?」


「………いや、え、あの、転生してからってことですよね?」


 戦うことが無茶苦茶強い人…じゃなくて神様が人間の俺に教えてくれるってことだよね?神様と人間じゃ色々と規格が合わないからあっちが人間になってから人対人で教えてくれるんだよね?違うなら地獄しか待ってないような気が……


「違うよ?ここでってことだよ?ここなら僕もいるからどれだけ壊れても治してあげられるからどんな無茶しても大丈夫だしねー」


 ………あ、これもしかしてものすっごい大変なかんじになっちゃった?

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