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「おや、話がそれてしまったね。」
脱線していた会話は綾人の言葉により本題に戻された。
「それでは、私は一度席を外させていただきます。
理事長失礼します。
星宮さん、また後で会いましょう。」
「あっ、はい。」
匠は璃に軽く手を振りながら理事長室から出て行った。
「君は随分彼に気に入られたようだね。」
「そうでしょうか?匠先生なら誰にでも優しそうですけれど?」
「確かに彼はそうなのだけど、出会って数分にしては随分打ち解けている感じだったよ。」
綾人はそう言いながら楽しそうに笑っている。
「まぁ、座りなさい。」
綾人に示されたソファに璃は座る。
「さて、まずこれを渡しておくよ。」
そう言いながら綾人は、金色の指環をテーブルの上に置いて璃の方に差し出した。
「・・・・・この指環は魔法具ですよね。」
「流石、彼が勧めてきた人物だ。わかるのかい?」
この人が言っている彼とは恐らく学園長のことはだろう。
それにこの指環は魔法具の一種で、金属に魔術を施し様々な物をしまう事が出来るようにしたものである。基本的には指環やブレスレットなどアクセサリー型の作りになっている。
「あのこれって・・・・まさか金では・・・?」
「金だよ。一部の生徒はミスリルの指環を持っている子もいる。」
最高クラスの金属を指環にする必要性が全く分からない、ミスリルなどどれほどの物を仕舞いこむ''収納''ことが出来るのだろうか。
「まぁ、基本的には物を仕舞ったりする''収納''だけれど、
それ以外にも色々な機能をつけているんだ。
まず学生証として、その中には生徒の個人情報を色々登録してある。それ以外機能は 、寮の鍵や、食堂や購買などの買い物をする時の支払いはその指環でできる。
設定されている口座から引き落とされるシステムになっているんだ。
あとは図書館での貸し出しと返却、一部の施設の利用時なんかも必要になるから気をつけてね。」
「・・・・(やっぱりこの学院の無駄に豪華なのにはついていけないわ。まぁ、目的の関係で図書館を使用する頻度は多くなるから最も活用する機能でもあるけれど。)」
「このようなに使ってるけれど、残りの分は収納として使ってくらて構わない。」
「・・・はい、わかりました。」
「出来れば、各施設の説明も出来れば良かったんだけど・・・。
正直そこまで説明していたらとんでもない時間が掛かってしまうから、あとは同室者とかに聞いてくれ。」
「(設定しない理由も中々だけど)同室者...。」
「あぁ、一部の特別な生徒以外は二人部屋って決まりがあるからね。君にも同室者がいるんだよ。」
しかし相手は天界の人間。一般的な反応なら地上の人間と同室などと言われれば文句を言ってくるだろう。
「(あの子とわかっているけれど)
それは、大丈夫なんでしょうか?」
「本人には了解をちゃんととってあるし、一応相手は十分に信頼できる人物にしてあるから大丈夫だ。」




