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エレベーターを下り、少し廊下が続いた先に豪華な扉がある。その先が理事長室だ。
扉の前まで進むと、匠が扉をノックした。
「理事長、星宮さんを連れてきました。」
「聖先生、ご苦労様。入って。」
中からの声に匠が扉を開き、璃と匠は室内に足を進めた。
広い室内には様々な調度品が飾られ、応接用であろう向かい合った2つのソファとその間にあるテーブル、そしてその奥には落ち着いたデザインの執務机がある。
各調度品の値段は想像出来ないレベルという事がわかる。
そんな空間にスーツを見に包んだ一人の男性が座っていた。
「星宮璃さん。我が学院へようこそ。」
低く落ち着きのある、そして威厳ある声でそう言いながら理事長は立ち上がり璃たちの方へと歩いてきた。
黒い髪、そして王族こ血縁の証である銀色の瞳の男性。
「(#天界院綾人__てんかいいんあやと__#。現天界院家のご当主様か・・・。)」
地上の人間でも知っているほどの有名人である。
璃はその場にひざまづき
「この度は、私の様な平民をこのような学院に迎え入れて頂き、ありがとうございます。」
綾人は天界の中でも最高レベルの地位についてる人物、
下手な対応をして面倒になるのは得策ではない。
「いえいえ、特待生についてはこちらか頼んだことだからね。そんなに畏まらずに普通に接してくれると助かるんだけどね…。」
「ですが、私は本当に平民ですので・・・」
「でわ、命令って事で普通に接してくれないかな?」
「・・・わかりました。(本当に変わらない人だ。)」
天界の王族だからもっと堅苦しい人間を想像するのが地上の人間であれば大部分であり、前の時の自分も同様に思っていた。
「私は王族っぽくないかな?
まぁ、王族とはいえ私の所は元々騎士の家系だからね。堅苦しいのはあまり得意ではないんだよ。」
「理事長がゆるすぎる気もしないではないですがね。」
笑いながら話す綾人に匠がツッコミを入れる。
「そうだろうか?」
「ええ、そうですよ!響君も、昴君も真面目な子ですからね。」
「響君」
「あぁ、響は私の上の息子だよ。上の子は高等部で、下の子は中等部にいるよ。」
「ちなみに、二人ともそれぞれ生徒会長をしていますよ。」
「そうなんですか・・・・・。」
「あの二人は性格でいうと母親に似ていてね。どちらも、自慢の息子だよ。」
そう話す綾人の表情は穏やかで幸せに満ちている。
どれだけ大切な息子たちなのかがよくわかる。
「(まぁ、それが親ってものなのだろうけど...。)」




