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あと少し
『また会えたね』
「っ………!!」
彼女が再び姿を現した。
暗闇で此方に向かう様子が見えなかった所為で私は驚いた。
「こんな時間にうろうろしてたら危ないだろう。まま達が心配する。」
『ままは絵だから心配しない。』
「…………?」
『ままもぱぱも絵になったの。』
彼女の雰囲気が夕方とは明らかに違った
可憐さや無邪気さは消え幼いながらどこか悟りを開いた様な…そんな感じがした
「絵に、なった?」
『おじさん、ひとは死んだら絵になるんだよ。』
「君のご両親は無くなったの?」
『うん、だから絵になったの。』
ああ、絵って遺影のことか
私も産まれた時から片親だったし母も早くに亡くしてしまった
でもこの子はその時の私よりまだ随分と若い…
さぞかし………辛かっただろう…
今は親戚の家にでも住んでいるのかな
近く迄送って行く事にしようか
『でも寂しくないよ一緒にいるとたのしい。』
沈黙を破る様に彼女は言った。
「…君のお家まで案内してくれるかい?ままの所まで送って言ってあげるよ。」
『………………うん。こっち。』
私は立ち上がり彼女の後を追った。