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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
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百合百合

作者: 西園良
掲載日:2016/08/15

御幸(みゆき)、抱いて」

 彩花(さやか)が甘えた声で要求してくる。私たちは確かにつき合っている。だから、彩花の行為は別におかしくない。普通ならば。

「あんた、せめて鍵かけてからにしなさいよ」

「いいじゃん別に。あたしらの部屋に勝手に入るやつなんかいないって」

「いままでの話でしょ。これからもバレない保証なんかないわ」

 うるさいなぁと彩花はぼやきつつ、甘えるのをやめない。私たちは女同士。いわゆる、同性愛である。私たちの学校は共学で、寮もある高校だ。私と彩花は同室なので、いちゃつく場所には困っていない。他のところでは控えているしね。けど、彩花はそんな状況に少し不満を抱いているようで、それを解消するようにここでは、小学生のような甘え方をする。

 何だかんだ私は彩花に甘くなってしまう。どうにかしないとね。そう思いつつ、彩花を抱き締めて、慈しむように髪を優しく撫でる。彩花はくすぐったそうに身じろぎをして、ふにゃふにゃとした顔で幸せそうだった。さながら、猫のようだ。彩花かと目が合う。私たちは見つめ合う。私たちの周りの空気が甘くなった。私と彩花はどちらともなく目を閉じる。そして、唇がふれあう。快楽が生じる。あい変わらずこの行為はすごい。何度やっても飽きない。しかし、唐突に終わることになった。

「あなたたち! なにやってんの!」

 乱暴に開けられた扉から現れた女生徒が大声で言う。私たちは慌てて離れたが、すでに時遅しだ。

「ノックもしないで、失礼ね!」

「黙りなさい!」

 彩花は目をつり上げて抗議したけれど、女生徒は聞く耳を持たない。恐れたことが現実となってしまった。しかも、こんな早くに。どうごまかそうか考えるけれども、そうさせないように女生徒は怒り続ける。

「不純異性交友は認められていない!」

「そんな校則ないよ。後、同性だし不純でもない」

 彩花の正論に耳を貸そうともせずに、女生徒は顔を真っ赤にして、先生に告げる旨を一方的に言って、荒々しい足音で去って行った。

 さて、退学の心配はないんだけど、周りの人たちに私たちの関係がバレてしまう。どうしよう。ちらりと彩花を見ると、不安そうに顔をうつむかせていた。私がしっかりしないと。

 私は自分の不安を表に出さずに、彼女の不安を取り除くのに、1日を費やしたのだった。



 翌日、学校へ行ってみたが、先生や生徒の様子に変わりはなかった。あの女生徒は何も言わなかったのか? 彩花は口だけだと言っていたけれど、そうだといいな。



 それから、さらに月日がたったが、特に変化はなかった。彩花の言う通りなのか、件の女生徒が見逃してくれたのかはわからない。でも、私たちの関係にひびが入ることがなくなったので、私は気にしないようにした。

 私たちの交際は終わらない。

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