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永久剣舞

「オラオラお前ら、ぼさっとすんな。さっさと教会に火を放て。ロードランのクソ野郎をあぶりだしな! なに? 教会にもともといた神父はどうするだぁ? 安心しろ。俺プロテクタントだからカルトックの神父ぶち殺しても罰は当たらない」

 そんな無茶苦茶なことを言いながら、ためらうことなく教会に火炎瓶を放り込んでいく俺。

 だってこんな広い宿の中勇者探すとかダルイだろ?

 一応消防団経験があるうちの連中に、逃げ遅れていそうなシスターを捜索させているから安心だしなっ! 安心だよね?

「おいエルンストっ! 本当に大丈夫なのかっ!? 大丈夫なのかコレっ!」

「安心しろ。うちに喧嘩売った勇者を泊めていたんだ。こうなることも神父さんは覚悟していたさっ! 汝に愛があらんことを(アルフィ)!」

「しているわけないでしょうっ! いますぐ火炎瓶放り込むのを止めなさいエルンストっ!」

 後ろで俺のコートをつかんで引っ張ってくるプリスをいなしていると、聞きなれた怒号が俺の耳に入った。

 振り返るとそこには泥だらけになって綺麗な面を汚している、リベレットの姿があって……。

「おうリベレット。お前がいるなら無事だって信じていたぜ? いやおかげでちょっと部下に走らせて買いにいかせた墓に備える花が必要なくなったよ」

「全く信用していませんよねっ!? そのうえで弾丸ぶち込んだって、明らかにこちらごと殺す気でしたよねっ!」

「なんだよいつものことだろうが。というか、ジジイをあんなにされて俺たちが黙って見ているとか本気でそんな楽観的なこと考えていたわけじゃあるまい?」

「そ、それはそうですけどぉっ!」

 なんだか不満が収まらないのか、地団太を踏みながらこちらに文句を言ってくるリベレットの姿に、こいつ戦闘になるといっつもこんな感じだよな……と、呆れつつ、俺は事の進捗状況の確認のため瞬く間に炎が広がり始めた教会へと視線を移した。

 どういうわけか事前に割れていた窓から、次々と蒼い顔をしたシスターたちが放り出されてくる。うちのファミリーがうまくやっているらしい。

 同時にシスターたちが出てくる窓以外からは、ぞろぞろと黒装束の連中が……。

「……なにあれ?」

「カルトック教会の処刑騎士団です。《異端狩り》を主な仕事にしているといわれていますが、実際の業務内容はカルトック教会にあだなす《異端》を闇に葬る暗殺です」

「あぁ、あいつらがじいさんの言っていた、たいしたことのない三流暗殺者共か」

 俺の声がバッチリ聞こえたのか、黒装束共の体からはひどくわかりにくい、極薄の殺気が漏れ始める。

 あれだけ殺気を薄めることができるところは、さすがは世界に名だたる暗殺集団といったところか。とはいえ、

「俺に感知できる程度じゃまだまだだな……」

 うちに所属する暗殺を趣味にしているやつならば、一切殺気を見せることなく敵の懐に入り込み、その脳天に穴をあけてくる。

 そうたとえば、

「あんな風に」

「ばーん!」

『っ!?』

 突如背後から響き渡った間の抜けた、銃声をまねた声。

 同時に処刑騎士団の指揮官と思われる、銀仮面をつけた暗殺者の頭から大量の血が漏れだし、銀仮面の暗殺者は声もなく倒れ伏す。

 そんな彼の背後にいたのは、気絶した教会シスターを担いだハウェルグだった。

 ハウェルグの手には、掌で隠せるほどの極小の先込め式銃が握られており、その銃口から吐き出される硝煙が、銀仮面を撃ったのがハウェルグだと如実に示している。

「若ぁ! とりあえず教会にいた女性の救出はこれで最後っすよ!」

「ご苦労さん」

「ところでこの黒いの何です? 若に殺気はなっていたんでとりあえず殺しましたけど」

「そんないい加減な理由で殺したのかっ!?」

 0か1か。生かすか殺すか。選択肢がそれしかないといわんばかりの思い切りの良すぎるハウェルグの言葉に、プリスは思わず目を剥いていた。

「まぁ、仕方ないだろう。戦場ではほんの少しの躊躇が大きな隙につながる。とりあえず敵っぽかったら殺しておけ。というのが鉄則だしな」

「そこまで思い切りよくいけるのはあなたたちくらいよ……」

「でも、間違っちゃいないだろう?」

――現にこうして無駄な雑談をしている間に、処刑騎士たちは動いているわけだし。

 そう告げた俺の眼前では、指揮官を殺されたにもかかわらず一切淀みのない動きで連携を取り、ハウェルグとエルンストたち……双方に向かって襲い掛かる処刑騎士団の姿があった。

 だが、そいつは正直悪手だ。

「銃って武器は一度に撃ち出せる弾丸は一発だけだから、一斉に襲い掛かれば対処は無理だとでも思ったか? わるいけど、俺達もそのくらいの弱点はわきまえているさ。というわけで、ノルド~」

「はい、若」

 俺が名前を呼ぶと同時に、ひきつれていたファミリーの面々が左右に割れノルドが押してきたものを前に出す。

 それは巨大な手押し車に乗った、無数の銃身を束ねた連射砲。

 ガトリング砲とゴヴニアが名づけた最新式対軍銃砲は、ノルドが付属のレバーを回すと同時にけたたましい音を立てて、おびただしい数の弾丸を襲いかかってきた処刑騎士たちに浴びせた。

 至近で弾丸を食らい穴だらけになる、俺達に向かってきていた処刑騎士たち。

 その背後では巻き添えを恐れたハウェルグがいち早く逃走を開始しており、

「うわぁああああああああああ!? 死ぬ死ぬ死ぬ死ぬっ!? 若ぁ! 俺います!! まだこっちにいますからぁっ!!」

「安心しろ。骨は拾ってやる」

「見捨てないでぇえええええええええええ!!」

 そんな軽口をたたきながらなんとかスライディングでガトリング銃の殺傷圏内から逃れたハウェルグの背後では、ハウェルグに襲い掛かるため完全に無防備な背中を晒していた処刑騎士もハチの巣にされていた。俺達に襲い掛かった処刑騎士たちを貫通した弾丸が、そのまま奴らの背中に襲い掛かったからだ。

 弾を浴びせられた衝撃で奇妙なダンスを暫く踊った後、糸の切れた人形のようにその場で崩れ落ちる処刑騎士たち。

 これによって約八割の処刑騎士が沈黙。その状況にさすがにまずいと思ったのか、生き残った処刑騎士たちは短剣を逆手に構えながら、何とか逆転の糸口はないかと血走った眼で周囲を確認していた。だが、

――無駄なあがきを。と、そんな処刑騎士たちの姿を見て俺は嗤う。

「お前らさ、もしかしたら生き残れるかもしれないとか考えているわけ? ギャングの報復だぞ? うちのドンをあんな姿にされたことに対する報復だぞ? 半殺しなんてなまっチョロイことするわけねぇだろうが。テメェら全員、勇者に与するっていうのなら女子供を除いて皆殺しだ。テメェらだってジジイ以外のファミリーの幹部をそうしたんだろう? だったら、テメェらの命が取られることだって……覚悟の上だよなぁ!」

 そして俺は、再びノルドにガトリング銃の掃射を命じようとした。一匹残らず生かして帰すな。ギャングの恐ろしさをその身に刻みつけてやれと。

 だが、その時だった

「休憩に入ってすぐに騒がしくなったから様子を見に来てみれば……」

 ようやく御大将が顔を出す。

「その言動を見るにどうもおとなしく奥義アクトを渡しに来たわけじゃなさそうだ……」

「よぉ、ロードラン。元気そうだな?」

 勇者ロードランが、獄炎の炎を銀の大鎌で切り裂きながら、教会の中から姿を現した。

「というわけで死ね」

 そして俺はその顔面めがけて、容赦なくリボルバーを発砲。その額めがけて弾丸を放つ!

■■■

「野蛮人め」

 顔面狙いの殺傷目的の弾丸。俺のその攻撃をしっかりと視認していたらしい、ロードランは即座に銀の十字星に触れ武器を展開。巨大な銀の盾に変貌させ、その弾丸を弾き返した。

「一応大口径マグナム弾だから、盾ごときで防げるような威力はしていないはずなんだがな……」

 相変わらず理不尽極まるそのロードランの武器に、俺は思わず舌打ちした。

 宝石獣亭に戻った際に調べたが、あの首飾りこそがおそらくロードランを《変幻自在》と呼ばせる所以の武装だろう。

「便利なもんだな……《神器》ってやつは」

「おや、さすがにそのくらいは調べてきますか。そう、我が銀十字星は主イリスの祝福を受けた水銀を使って作り上げられた聖水銀武装メタモルメリクラウス。私の願いに応じてありとあらゆる武器に変貌する優秀な子です」

 もっとも、変化できる武器一度に一つ。分裂して二つのちがう武器になったりはできませんが……。と、先ほどの交戦で俺が見破った弱点をあっさり暴露しながら、それでもロードランは笑っていた。

 そのくらいならバレても問題ないということだろう。

 俺がついさっき見破った弱点程度なら、幾らでも補える……と、俺に教える意味もあったのかもしれない。

――でもなぁ、そんなことは百も承知なんだよこちとらなぁ!

 内心で余裕たっぷりなロードランをあざ笑いながら、俺はロードランの顔を見て飛び出しそうになり、必死に深呼吸をするプリスに指示を出す。

「出番だプリス。頭は冷静にな? 冷静さ欠いていると思ったら、お前ごとロードランをぶち抜くしかなくなる」

「わかっている。私だってお前に味方を殺させたなんて不名誉なことはさせたくない」

「上等」

 それがわかっているなら十分だ。と、俺はそっとプリスの背中を押してやった。

「背中は守ってやる。安心してテメェの復讐をしてきなっ!」

「おうっ!」

 それと同時にプリスは腰にさしていた対のショートソードを抜刀し、ほとんど地面につきそうなくらい身を低くしながら、弾丸のような速度で疾走を開始する!

「おや? エルンスト君も随分と無謀なことをさせる。夕方のやりとりで君は私に勝てないのだということを、悟っていない人ではないでしょうに」

「せいぜい過小評価していろロードラン。その油断が私の刃をお前に届かせるっ!」

 到達。同時に発動するのはプリスのアクト。

 突進から二本の剣で敵に挟撃を加える、《サベッジ》というコッレンテ流基礎アクト。

 だが、よほどプリスを舐めているらしいロードランはわざわざ自分の身を守るための盾からある武器へとメリクラウスを変貌させる。

「コッレンテ流防御アクト。《ツインズガーディアン》」

「っ!」

 発動のための詠唱と同時に、左右からギロチンのようにロードランの首を刎ね飛ばそうとしたプリスの攻撃は、宙に銀色の残光を残しながら翻った、銀の糸に繋がれた二本のショートソードによって防がれる!

「貴様っ! うちの流派の技をっ!」

「皆伝までしか覚えていませんがね。だからこそ、そちらの奥義アクトが必要なのですが」

「誰が貴様なんぞに渡すかぁああああああああ!」

――というか、渡せないというのが正解だろうに。と、憤激しやや冷静さを欠きながらも、それでもこちらの射線はきっちり確認しそこにかぶらないよう立ち回るプリスに、俺はひとまず安堵の息を漏らした。

 敵も油断しているし、プリスもやや怒りっぽくはなっているが、致命的なまでに冷静さを失っているわけではない。これならしばらくはもつだろう。

 そう判断した俺は、ロードランの隙をうかがうためにジッとプリスとロードランの戦いを見つめ、拳銃に手をかける。

 その時だった。

「お命頂戴する」

「ん?」

 突如地面の中から現れた黒装束が、俺に向かって短剣を振り下した。

 だが、同時にそれをバッチリ見ていたうちのファミリーの面々が、即座に迎撃。

 四方八方から放たれた弾丸が、地面から生えた暗殺者の体の風通しを良くし、その場に血だまりを作りながら倒れ伏させる。

「おいおいなんだよ、ハウェルグ。取りこぼしか? というか、そっちはまだ掃討終ってないのか。生き残りなんざ二割程度だろ?」

「いえ、それが若……」

――いつまでザコの討伐に時間かけてやがる。と、呆れる俺に対し申し訳なさそうな顔をしたハウェルグが、周囲を見るようにと促した。

 周り? いったい何を……。そう思い俺が周りを見回すと、

「あぁ……しまったな。確かにこれは予想してしかるべきだった」

「なっ。あれは!」

 教会を取り囲む建物の屋根にいたのは、まるで影がそのまま人の形をして立ち上がったかのような黒装束に身を包む暗殺者共。

 その数は見る見るうちに増えてきており。あっという間に俺がカチコミに連れてきたファミリーの数を超えた。

「そりゃそうだわな。こんな大事件の隠蔽工作をしていたんだ。教会にだけ人員を送っているわけないか……」

「どうも町の各所に潜んで活動していた処刑騎士が、騒ぎを聞きつけて集まりつつあるようです。その数凡そ五百」

「カルトックめ。人員使いすぎだろ? 金の無駄遣いだけはホントに得意な連中だ」

――仕方ない。俺はため息を一つ付き、ファミリーのメンツに指示を出す。

 本当は複数人で勇者を囲って穴だらけにしてやる予定だったが、相手の勢力が数で上回ってしまった以上、そんな余裕のある戦いはできない。

「とりあえずお前ら、死に物狂いで生き残れ。警備隊の連中も手を貸しな。うちのファミリーと比べればザコだが、いないよかましだろ」

「なんだとこらぁああ!?」

「エルンストっ! お前ホントに明日には豚箱に放り込んでやるからなっ!!」

 ギャーギャー喚きながら、本当に現状が不味いと悟っているらしい警備隊の面々は、素早くウチのメンバーと協力し、教会内に滑るように入り込んでくる黒い影たちと激突する。

 そんな彼らによってひとまずの時間を確保した俺は、

「リベレット、あっちの指揮を任せる」

「わかりました。エルンストは?」

「こうなりゃ短期決戦をするしかなくなったからな。一足早いが、俺もプリスの所に参戦だ」

――なに。勝算はある。ちょっと不完全ではあるがな。

 俺は自分にそう言い聞かせながら、魔力の光を纏い無数の武術を再生、乱舞させる二人の双剣使いの戦いへと足を踏み入れた。

■■■

 コッレンテ流の最大の武器は息もつかせぬ連撃アクト……ではない。

 私――プリッシラは眼前で同じように双剣をふるうロードランを見てそう思う。

 父さんからコッレンテ流のアクト伝授書を奪ったこいつは、そのことをまだ知らないのだと。

 その証拠に、こいつはいまだに連撃のアクトをこちらに合わせるように一つ一つ区切って使っているだけで、本来の使い方をしようとはしていない。

――そこにわたしの勝機がある。

 エルンストに教えられたロードランが持つ多くの弱点のうち、私が唯一つくことができるもの。私はそれをつくために、戦闘のギアを一つ上げた。

「そろそろ本気で行くぞ、勇者」

「おや、強がりはやめてはどうですか? 息が上がっていますよ?」

――いっていろ。

 得意げに的の外れた指摘をするロードランに、内心でそう吐き捨てながら、私は今まで使っていなかった二桁代の連撃アクトを起動する。

 皆伝アクト《パッション・コッレンテ》。戦闘ギアを上げるためにコッレンテ流が使用するアクトであり、徐々に剣戟の速度が上がっていくことが特徴な七連撃アクト。

 右の剣による刺突から、左手の中で回転させ逆手に持ち替えた剣による薙ぎ払い。そこから回転した体を翻し、敵が武器を持つ手を蹴り飛ばすことによって隙を作り、さらに回転したことによって前に戻ってきた右手の剣を用いてがら空きになった胴体をまず一閃。苦痛に固まる敵の腕を左の剣で切断。それによって武器をなくした敵の体を、左右の剣で十字に切り裂き止めを刺す――コッレンテ流の殺し技。

 だがしかし、ロードランは皆伝アクトまでの伝授書を強奪している。当然こちらの初動から、なんのアクトを使うかは見切られており、

「何度繰り返そうと同じことです」

 的確なカウンターを返された。

 コッレンテ流皆伝防御アクト《ローレライ・アイギス》。

 連撃を主とするうちの流派では珍しい一撃強打の剣を用いるこれは、敵の初動に合わせて強かに敵の武器を殴りつけ、相手の体勢を崩す技だ。

 アクトというのは使用者が使うための導入動作をすることによって発動するわけだが、この技はその導入動作を最初から崩すことによってアクトを不発に終わらせ、敵に大きな隙を作ることができる。

 ただし、これを成功させるためには敵の武器がどのような軌道を描くか正確に見抜く先読みの技術と、失敗すれば不利になると分かっていながら敵にアクトの発動を許す胆力が必要だ。

 それゆえに皆伝技術であり、うちの道場の師範代でもこれを使いこなせる人間は片手で足りる程度しかいなかった。

 だが目の前の勇者はそれを平然と使って見せた。

 だてに勇者を名乗っているわけではないのだろう。

 甲高い金属同士がぶつかる音共に、私の初撃であった刺突が弾き飛ばされ、右手が大きく宙を泳ぐ。

「終わりです」

 それを好きと見たのだろう。ニヤけきった腹の立つ笑みを浮かべながら、ロードランはそのまま私に向かって攻撃用にアクトを叩き込もうとした。が、

「お前がな」

 そんなことは想定の範囲内だ。

 私は弾き飛ばされ泳いだ右手をそのまま振り回し、アクトを使わず(・・・)逆手に持ち替えた左の剣で相手の眼前を薙ぎ払いながら、己が体を回転させた。

「なっ!?」

 眼前を白刃が通り過ぎたことで流石の勇者も少し怯む。

 同時にわたしは回転した体で新たなアクトの発動動作を叩き込んだ。

「《ホーリングタイド・ヴランケア》」

「っ!」

 足さばきによって何度も体を回転させながら、下段中段上段、ありとあらゆる人体急所めがけ連続して双剣の乱舞を叩き込む皆伝アクト。

 海の口と呼ばれる、あらゆる船を飲み込んできたヴランケア海峡の渦潮の名が与えられたこのアクトは発動している間、アクトが発動するときに撒き散らされる蒼い魔力光も伴って、まさしく大地に渦潮が顕現したように見えるらしい。

 連続攻撃回数、二十四連撃。

 しかし、こちらは父さんと戦った時に見たことがあるのか、ロードランは素早くそれに対処していた。

 一刀一刀振るわれる旋回する刃に合わせて防御用のアクトを発動。その刃を受け流しながら、アクトの発動が切れるタイミングを待つ。

 アクトは一度発動が終わってしまうと《残心》と呼ばれる、わずかなアクトの使用が一切できない時間を生み出す。肉体のクールタイムのため必要だとか、連続アクトの発動は脳の処理が追いつかないからだとか理由はいろいろと言われているが、とにかく隙ができてしまうのだ。

 ロードランはそれを待っているのだろう。

 浅はかなことだ。

「奥義アクトを探しているということは、父さんは勝てないと悟ってこれを使わなかったのだろう。私がお前と対峙した時、ほんの少しでもお前に勝てる要素があるようにと……! だから私が貴様に教えてやる。父さんが私につないだ、コッレンテ流の奥義を」

「なっ、まさかっ!」

「守勢に入った段階でお前の負けだ。ここから先、お前は指先一つでも攻勢に転じることはできない」

 アクトが終わる。渦が消える。

 慌ててこちらにアクトを叩き込もうとするロードランが見える。

 遅すぎる。

「コッレンテ流の怒涛の永久剣舞。かなり激しく踊るぞ? ついてこれるかっ!!」

 残心を求める体を無視し、再びアクトを使わず剣を一閃。先ほどあいつが使った防御アクト――《ローレライ・アイギス》を、アクトを使わず決めたのち、

「さて、次の曲を始めるぞ!」

「うぉおおおおおおおおおお!」

 発動するのは剣劇の乱舞。

 《スクウェアガーデン・ケラヴノス》

 連続三十一連撃。刺突主体の突破アクト!

■■■

「アクトを会得するのと、使いこなすというのはイコールじゃない」

 青い魔力の光をまき散らしながら、おびただしい量の金属音と火花を量産する連撃の鬼達の周囲を走り回り、ロードランの注意をこちらに散らすという援護をしながら、俺――エルンストはわずかに勇者を押し込み始めたプリスの口笛を吹く。

「特にコッレンテ流はそれが顕著で、近年では珍しい《奥義アクト》を持たずに《奥義》を持つ流派であることがそれを証明している」

 奥義アクトではなくただの奥義。

 要するにコッレンテ流はアクトに頼らない技術こそを奥義として崇めているのだ。そりゃ奥義アクトも見つからないはずだ。

「その奥義の内容は『アクトとアクトの間にアクトを使わずに発動させた技を挟むことによって、残心をなくす技術』」

 アクトの致命的な隙といわれる技後硬直――残心。

 本来ならば無防備になるしかないその残心。それはアクトを使う戦士ならば誰もが持つ隙であり、逃れることのできない宿命であった。肉体面か精神面か、とにかく原因は分からなかったがアクト発動の後は、どんな人物であっても必ず数瞬の休息が必要だったのだ。だが、コッレンテ流はその残心の時間に、自分たちの技をアクトなしで発動させれば、残心を打ち消すことができることを発見――実践して見せた。

 それこそがコッレンテ流双剣術奥義――《永久剣舞エヴァーラスティング・ソードダンス》。

 これはアクト界にその名を残す偉業であり、それゆえにコッレンテ家は王家に認められ貴族の称号を得ることができたのだ。

 つまり何が言いたいのかというと、

「一度アクトが発動しちまえば、コッレンテ流の怒涛攻撃を止めることは難しい」

 何せ本来ならば隙として突ける残心が存在せず、次々にアクトを発動させて相手を畳み掛けることができるのだ。よほど防御がうまい流派か、防御特化の盾術を扱う流派でもない限り、コッレンテの濁流を止めることはできない。

 だからこそ俺も、プリスとの模擬戦の際は先制攻撃や相手のペースを崩すことを主眼に置いており、まともに連撃のペースの乗せないことでしか対応することができなかった。

 ロードランはそれに失敗した。

「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 踊る踊る踊る。火花が、剣戟が、剣閃が、踊る!

 それはまるで宙に描かれる芸術作品のようで、一撃一撃が殺傷の意味を伴っており、攻撃全てが、戦う乙女プリスを美しく彩り飾り立てる。

 水銀の神器でかろうじてそれらの攻撃をいなしていたロードランの防御態勢にも、とうとうほころびが出始めた。

 魔力あお火花あかの光が飛び散る戦場に、とうとう鈍い赤の飛沫が閃いた!

「……くっ、調子に」

「喋るひますら与えん!!」

 頬を浅く切り裂いた刃にロードランの余裕が初めて崩れた。

 苛立たしげに舌打ちを漏らすロードラン。だがしかし、プリスはそこで手を止めたりはしない。

 当たり前だ。相手は勇者。ほんのわずかな気のゆるみが即座に致死へとつながっている。

 だからこそ、プリスは止まらない、止まれない。

 止まればそこに敗北が待っていると知っているから。

 だが、

「ず に の る な よ !!」

「っ!」

 攻撃の間にできるわずかな間隙をぬって放たれたその言葉が、プリスの決死の連撃をとどめた。

 何のことはない。双剣でしのぎきれなくなったから、ロードランはおとなしく水銀の双剣を盾へと変貌させ、プリスの連撃を弾き返した。

 だがそれは同時に、自身のコッレンテ流のアクトではプリスに勝てないと宣言したのと同義。

 ロードランは敗北を恐れて、逃げに走った!

「おぉおおおおおおおおおお!」

 これ以上盾に攻撃を叩き込んでも仕方ないとアクトを中断し、即座に後方に下がるプリス。そんな彼女に追いすがるように盾から巨大なメイスへと武器を変貌させたロードランは、プリスめがけて槍のような長さを誇るメイスを振り下した。

「つぶれろ!《グランド・ディバイド》!!」

 怒号。同時にメイスが地面にたたきつけられ、盛大に大地を砕いた!

 轟音と無数の亀裂。その後勢いよく隆起した地面から無数の礫が飛び散った!

 プリスは何とか剣劇を使いそれらのつぶてを弾き飛ばすが、幾らなんでも数が多すぎる。双剣の防壁を潜り抜けた礫の一つが、プリスの目を切り裂く!

「ぐっ!」

『お嬢!!』

 うちのファミリーから悲鳴のようなプリスを案じる悲鳴が上がるが心配はいらない。

――俺に死ぬほど模擬戦挑んできた不屈馬鹿だぞ。プリスがその程度の傷でどうこうなるわけがないだろう。

 俺が内心で呟いた信頼にこたえるように、片目から血を流しているにもかかわらず、プリスは礫の殺傷圏から見事逃げ切りファミリーたちがいるところまで後退することに成功した。そして、

「はっ」

 連続アクトを使ったため、体中から噴き出る汗をそのままに、ただ不敵に笑う。

「……何がおかしい」

 対するは先ほどまでの余裕を消し去り、険しい顔をするロードランだ。

「逃げたな、ロードラン。私から、コッレンテ流の怒涛の攻撃からっ!」

「……」

「勇者と知っても大したことがないな。私を圧倒すると言っておきながら、最終的には便利な武器便りとは……身の程をわきまえるべきはどちらだったか、これではっきりしたな、三流」

「黙れ。それを決めるのは最後まで立っていた奴だ」

「なら決定権は俺が持っているな」

「っ!」

 そして、そんなプリスを睨み付けるがゆえに隙だらけであったロードランの後頭部に、

「やっぱりな。お前本当は武闘家でもなんでもないだろうロードラン。慣れない近接戦闘を演じているせいで、正直隙だらけであくびが出るぜ?」

 俺は即座に急接近。素早く抜いたリボルバーの銃口を、素早く突きつけた。

■■■

「――っ!」

 悲鳴のような声を上げ、即座に銃口の先から頭部をどけ、こちらに後ろ蹴りを放ってくるロードラン。

 恐らくアクトも発動しているのだろう。足辺りにまとわりついた魔力光を眺めながら、俺は数歩後ろに下がることによって攻撃をあっさり回避。避けられてしまっては仕方ないと言いたげに、勇者の軸足めがけて弾丸を数発ぶちかます。

「貴様っ! 即座に足を狙うとは!!」

 続いて再びアクト発動。青い魔力光を伴いながら、ロードランの体が宙を舞いあがり足に食いつこうとした弾丸を回避。

 宙を踊る勇者をしり目に空になった弾倉に弾丸を装填しながら、俺は話を続けた。

「バカ抜かせ。致命的な個所に隙があるならそこを狙うのは近接戦の定石だろうが。とはいえお前はそれを知らない。そりゃ仕方ないわな。何せお前はもともとあふれる魔力を使った大火力砲撃を得意とする魔術師として勇者入りを果たした魔術師だ。距離を稼いだ状態で、敵に浴びせかけるように大規模魔法を放つ。それが本来のお前の戦い方。ずいぶん前の新聞にお前のことが載っていたことを思い出せてよかったよ。ついでにその新聞にお前が載った理由についても思い出せたしな」

 弾丸の装填が終わり弾倉を元に戻す。それをルーレットのように回転させながら、俺は小さく笑いを浮かべた。

「お前……最近召喚された第一位の《異世界勇者》に敗北したんだって?」

「っ!!」

 異世界勇者とはつい最近カルトック教会で起こった事件によって、別世界から召喚されたとある少年少女を指す言葉だ。

 元々は一般人程度の実力しかもっていなかった彼らは、現在では第一位にふさわしい実力をつけて、魔族との最前線で戦っていると聞く。

 そんな彼らが華々しくその名を世間に知らしめたのが、男の方の勇者と第七位勇者――つまりロードランとの決闘事件である。

 それは奴にとっては触れられたくない忌々しい記憶だったのだろう。音もなく地面に着地し、盾だった水銀を今度は大鎌にかえたロードランの額に、明確に青筋が浮かんだ。

――ビンゴだな。

 その反応に確信した俺は畳み掛けるように今回の事情に関する俺の推理を披露する。

「大方近接戦にもっていかれて敗北でもしたか? だからお前は近接戦闘をこなせるようにするために、大量にして豊富なアクトを求めた。それも奥義級と呼ばれる強力なアクトを。お前が言っていた人類共通云々というのはお前の目的に教会が乗っかって、アクトの強制収集に乗り出したってところが本当の事情か? これだけ世に広まった技術だ。カルトック教会が強力なものを独占できれば、かなりの利益が上がるだろうからな」

――相変わらずあくどい商売を行うことに関しては、右に出る連中がいない宗派だ。と、俺は内心吐き捨てながら、弾倉の回転が止まった銃をロードランに向ける。

「しょーもないこと企みやがって。いいかロードラン。アクトっていうのはお手軽に実戦で強くなるための便利ツールじゃねぇし、ましてや戦闘で実践的に使えるようなものでもねぇ。というか、戦闘で実践的に使えるようやつなら、普通に使わず戦闘した方が強いくらいだ。そんなことはうちの学校の近代史学とっている連中ならだれでも知っている」

「なん……だと?」

 さすがにこれは無視できなかったのか、苛立たしそうにこちらを睨み付けていたロードランの動きが止まる。

 それを見逃す俺ではない。

「実践してみるか?」

「っ!」

  そう言って、俺は一足飛びにロードランの懐に飛び込んだ。

「なっ! バカな。銃使いが近接戦だとっ!?」

「確かにコイツは遠距離攻撃武器だがな、お前程度なら拳銃格闘術ガンカタでも十分制圧は可能だと判断した」

 いわく、銃を用いた近接格闘術。そう言って爺さんが俺に叩き込んだ悪ふざけの産物を、見せつけるように俺は振るってやる。

「なめた口をっ! 《デス・サイス》!!」

 青を纏いながら、大鎌を左右の手で次々と持ち替えながら、様々な角度から攻撃を叩き込んでくるロードラン。

 対する俺は、

「《魔弾デモン・ブレッド》!!」

 アクトの名を告げつつも、青を纏わないまま拳銃をふるう。

 時に、襲いくる大鎌の刀身めがけて拳銃をぶっ放し、

 時に、隙だらけな大鎌の柄を蹴り飛ばし、

 時に、銃身を使って刃を流す。

 拳銃が俺の手の中で、さながら生きているかのようにうごめき、敵の攻撃をいなし続ける。

 それに業を煮やしたのか、ロードランはアクトが終わると同時にその場から飛び退き、残心の隙を俺につかせないようにした後、

「《スクリューサイス》っ!!」

 驚くべきことに、大鎌の刀身を柄から切り離し、ブーメランのようにこちらに投げつけてきた。

――このアクト考えたやつそうとう頭がイカレているな。

 俺は内心でそう評価しつつ、銀の紐に繋がれているにもかかわらず、一向に勢いを衰えさせないまま飛来する刃に向かって、

「はっ!」

 疾走する!

 一歩目で照準。

 二歩目で三発発砲。弾倉が空になる。

 三歩目で軌道がずれた回転する刃の下をくぐり、

 四歩目で完全に回避。

 五歩目で勇者の前に到達し、

「《六歩発砲シックス・ファイア》」

「バカめ、隙だらけだっ!」

 だが、攻撃をよけられることは予定済みのアクトだったのか、一騎に接近してきた俺に向かって、勇者はすでに刃がなくなった大鎌の柄を振り上げていた。

 本来のようにアクトを使っていれば、俺は間違いなくこの柄によって殴り殺されていただろう。たとえ刃がなくなったとはいえ、それは水銀によって作り上げられた超重量の金属棒。殴られればひとたまりもない。

 そう、殴られればの話だが。

「で?」

「なに?」

 本来の六歩発砲にはない、敵の殴打攻撃を弾がなくなった拳銃のグリップで殴りつけ払いのけるという動作をあっさり加えた俺。

 それにより攻撃をそらされ無様に技を外したロードランめがけ、

「アクトなんて使ってねぇんだ。このくらいの自由度はあってしかるべきだろう?」

 ホルスターに収めていたもう一丁の拳銃で、勇者の両膝をぶち抜いた。

■■■

「がぁあああああああああああああああああああああああああ!」

 激痛に悲鳴を上げ、膝から半ば千切れかけた両足を抱えのた打ち回るロードラン。そんな奴を見下ろしながら、俺はコートの裏ポケットに収納されていた煙草を取出し、火をつける。

 成人になるまで吸うつもりはなかったが、今宵は爺さんの仇討だ。爺さんが吸っていた煙草を手向けにすうのも悪くはないだろう。

「若、ドン死んでないです」

「やかましい。もしかしたらもうくたばってるかもしれんだろうが」

「縁起でもないこと言わないでください」

 俺の心情を正確に読み取ったらしいノルドに軽口を返しつつ、俺は背後を振り向いた。

 そこで行われていた処刑騎士とウチのファミリーとの戦闘は、ロードランが倒れ伏したことでひと段落ついたらしい。

 処刑騎士たちは倒れ伏したロードランを見て舌打ちを漏らしつつ、次々と闇の中へと消えていく。

――敗北した勇者に用はないか。負けちまった以上、カルトックがよく利用していた勇者の武名による脅迫外交には使いにくいだろうしな。ロードランに利用価値はなくなったという判断をしたんだろう。

 世知辛い話だ。と、俺は内心吐き捨てる。

 一般的に悪党といわれるギャングでさえ、自分の身内は大切にするというのに……。これだからカルトックは。

「ど、どうして……アクトも使わずあんな動きがっ!?」

 だが、痛みの余そんなことには気づいていないロードランは、涙と脂汗を垂れ流しながら、驚きの色が色濃く浮かんだ瞳で俺に問いかけてきた。

 そんな奴を見下ろしながら、俺は空になった弾倉をズラし、また一発一発弾を補充していく。

「答え合わせだ、ロードラン。俺はこういったよな?『アクトっていうのはお手軽に実戦で強くなるための便利ツールじゃねぇし、ましてや戦闘で実践的に使えるようなものでもねぇ』と。じゃあ一体アクトというのはなんなのか? 答えは簡単でな。リヴィラルがアクトを作った本来の目的は、達人の動きを体に覚えさせ、格闘術の習熟度を速めるというもの……つまりは、格闘教導用の教材ツールだったんだよ」

「なん……だと」

「今じゃこっち使ったほうが、綺麗に技が決まるってことで、貴族たちの間じゃアクトを使った決闘が流行っているらしいが、もともとはただの教材ツール。普通に考えれば、動きが固定されちまうせいで技は読まれやすく避けられやすくなっちまうし、失敗すれば技が終わるまで無防備に隙をさらし、あまつさえ残心なんて言うふざけた隙ができちまうアクトが、実戦に耐えうるわけがないだろう」

 弾がすべて装填し終わり、俺はそっとため息をついた。

「こいつを実戦で使いこなせる奴もいると言えばいるが、そういうやつは元来格闘術が得意な奴だし、そういったやつらはアクトを使わず戦った方が、臨機応変な対応ができるからアクトを使わず戦った方が強いというわけだ。まぁ、コッレンテ流のような例外もいるにはいるが……」

 あれはアクト戦闘術の一種の完成形と言ってもいいだろう。敵に反撃の隙を与えず、怒涛の剣裁きで敵を切り刻む。これならば、臨機応変な対応などできなくとも敵を十分圧倒することができる。

「そんなわけだ、ロードラン。お前の目的は最初から的外れなんだよ。お前がいくら死に物狂いでアクトを収集したところで、幾ら多くのアクトを使えるようになったところで……それは所詮本職の近接戦闘者には遠く及ばない贋作だ。そんなものを実戦で得意げに振り回しているようじゃ、お前は永遠に第一位には勝てないよ」

 そして、そう告げながら俺は銃口をロードランに向け、

「その運命はここで確定する。何故かって? 俺が今からお前に爺の落とし前をつけるからだ」

 すなわち、殺す。そう告げた俺の言葉に、足を抑えうずくまっていたロードランは、地面に大鎌の柄を突き立てながら、

「は、はははは……ははははははははははは!!」

 狂ったように笑い出した。

「そうか、そうか……そうだったのか。全部無駄か。お前もそういうか……あの異界の異教徒のように、私のすべてを否定するのかっ!!」

 そしてその笑い声は怒号に変わり、

「エルンストっ!! まずいっ、その場から離れろっ!!」

 ひとまず戦いの場から離れて、激しい無呼吸運動で疲労した体を休めていたプリスから、警告の言葉が飛んだ。

 だけど安心しておけ、プリス。

「お前だけは……お前だけは許さん。殺してやる、殺してやるぞヒデオォオオオオオオオオオオオ!!」

 まるで俺に関係ない名前を叫びながら、地面から夥しい数の水銀の槍を生やし、俺を刺し貫いたロードランの行動は、

「全部予想済みだ……」

 右肩、両足、わき腹を貫かれながら、致命的な場所を抉られないようなんとか避けきった俺は、最後の戦いに挑むためににやりと笑った。


お待ちどうさまです!


もうそろそろこの物語も終わりかな?

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