閑話 クリスタルの日記という綴の3章人物紹介
ベルクハイルのダンジョン氷河洞窟を攻略するまでの、起きた出来事や人物をまとめることにする。
・スワード 種族:人獣種銀狼族 職業:案内人
利発で元気な白髪の少年。
将来は冒険者、それも英雄クラス(六ツ星以上)を目指しているらしく、剣士のバルによく懐いていたため、彼を足掛かりに村の住人と交流を深めることになった。
父親は一流の案内人のオクス、姉はなんと冒険者ギルドの受付嬢のアロウでした。
意外と世間は狭いのかもしれない。
・ハクサンドラ 種族:人間種? 職業:ルシナ教の伝道師
顔はベールで隠されているため種族までは不明。男性であることは間違いなく、上司の女性に手を出したことから見事辺境へと左遷される。
しかし彼が本土では、高位の神官に所属していることが容易に想像できるほど知識に深く、何かとセカイ様は恩を売ろうとしておりました。
その彼からもたらされた情報は貴重であり、高層の山脈にはベルクハイルを封印した神殿があるらしいです。
・種族:半鶏半蛇 階級:雄は中級中位、雌は中級下位 属性:なし
オスが一匹、メスが七匹の計八匹。
たまたま遭遇した魔物災害で捕虜となった不運な魔物。
今回のトレントとの戦争の活躍により、無事に眷属入りを果たす。
しかし家禽として飼われていたものの、当初から眷属入りをさせる予定ではあった。
階級の割に個体としての能力は高くはないが、植物種の相手をすれば上級クラスでも倒せてしまうほどの毒息を吐く。
交尾は蛇の部分で行われ、近々卵が孵化する予定です。
・種族:半肉半骨×3 階級:下級下位 属性:なし
偵察用に召喚したカラス型のアンデッドが三羽。
飛行能力よりも知能を優先してあり、会話や複雑な命令を与えることも可能。
ただ我欲は人並み以上であり、働きに対して相応以上の報酬を要求してくることがたまにある。
また好物が新鮮な目玉と、セカイ様は生理的に嫌悪されていますが能力は大変認められている。
・種族:アイススネーク×4 階級:下級下位 属性:なし
白い皮に赤い目をした魔蛇。
孵化したばかりのため体長が50cmほどの子どもたち。
オスが二匹で、メスが二匹。
子どもの内から魔物を育てるとどうなるかの試験的な名目が強く、戦力として数得るには当分日数が必要になるでしょう。
・ミカ 種族:ホワイトウルフ 階級:中級上位 属性:水
白い毛並みをしたメスの狼。
ホワイトウルフの中でも強い個体でいるらしいが、アカボシがブラックウルフだった頃よりはさすがに劣る。しかし彼女はアカボシよりもずいぶんと若いため、これからの成長にも期待が持たれる。
私は本人の意思を尊重して欲しいのですが、セカイ様はダンジョンの利益と実験のためアカボシとミカをくっつけようと画策なさっています。
・ルビカ 種族:ルサルカ 階級:中級中位 属性:水
金髪で長髪の可愛らしい少女。
性格は自己保身に強く、人見知りをしがちでもあるため、心を開くまでは中々相手をしてくれない。
しかし仲の良くなった相手には、思いの丈を遠慮なく話すなど奔放な一面があり、不運なことにリンネルと同様に世話がかかりそうな面も持つのです。
・ソンチョー、他 種族:トムテ 階級:下級中位から下級下位 属性:なし
赤ん坊ほどの背丈に、お爺さんの姿をしている。物作りが得意なため、ミ=ゴウの補佐となる。
性格は比較的穏健でシルキー、ケット・シーと同様に人の社会でも生存が許されている家霊妖精である。
そして今回なんと総勢四〇名ものトムテを仲間に加えることができたのは、ひとえにセカイ様の人徳あってのことでしょう、間違いありません。
・ルオット 種族:女鹿精霊 階級:中級中位 属性:なし
白と茶色の混ざったストレートの短髪に、茶色の瞳。白い頬には赤い塗料で小さくお化粧をなされ、頭に鹿の角を生やした見た目が十七歳ほどの美女。
しかし実年齢は二百を超え、ダンジョンの中では最年長になる。
能力も幅広く、文字や計算を始め、調理、裁縫などの家事、歌や踊りの才能もあり、弓術も嗜むほどの腕前を持つ。
ですが注目すべきは、ルオットチョジクの種族特性の魔力贈与である。
魔力総量が上級クラスに匹敵しているため、ダンジョン戦において欠かせない役割を担った。
また能力、性格ともに大変優れているため、セカイ様もどの役職を与えるべきかと悩まれておりました。
他に雌鹿や小動物に変身する能力もあり、ベルクハイルの元では諜報の任務をしていたとか。
・アッシュ 種族:ホワイトアッシュトレント 階級:上級上位 属性:氷
唯一ベルクハイルの幹部で生存した者。
樹齢が千年を届くトレントであり、その木材は一級品である。
そのため殺すのは惜しいと考えた私とメアは、彼の人格を精神支配で変えることで、ダンジョンの一員になった。
しかし眷属入りはせず、雪原エリアのオブジェクトのようになっている。
・カリアッハ 種族:カリアッハ 階級:上級下位 属性:氷
老婆の魔女。
アカリヤとの接戦の末に戦死。
魔法の扱いは、恐らく今まで出会ったどの上級魔物よりも秀で、対人戦よりも対軍戦で活躍していたであろう能力を持つ。
アカリヤとの一対一の戦闘に持ち込めたのが、幸運であったのは確かです。
・ゲビルゲ 種族:ゲビルゲコング 階級:上級下位 属性:土
デカい猿、女性の敵。
リンネルによって無事に召されました。
・ヴァド 種族:ヴァドウル 階級:上級中位 属性:氷
氷のゴーレムとでも言うかの姿。
ベルクハイルと並ぶほどの硬度を誇る。
ただ脅威なのはその硬度だけであり、魔法の扱いが不得手のため、私は何とかごり押しで行けました。
・ガルー 種族:フリストガルー 階級:上級上位 属性:氷
ルオットチョジクによりますと元はホワイトウルフであったらしく、ベルクハイルへ眷属入りをしたことで人狼へと成長を遂げた魔物であるらしい。
ルオットチョジクの策謀と、アカボシの奮闘によって早々に討伐できたが、フリストガルーの土俵で戦えば、勝敗は違っていたかもしれない。
・スヴリー 種族:スヴァジルファリ 階級:準天災級 属性:氷、雷
セカイ様曰く、馬と呼ぶよりも麒麟であるらしい。
実際、巨馬ではあるが巨人種ではなく幻獣種に分類されているため、魔法適性も極めて高い。
ベルクハイルの一番の腹心であり、過去に大天使ルシナによってベルクハイルと同様に封印された経歴を持つ。
元天災級で破壊力、防御、速度、魔法適性の全てに優れ、弱点のない理想的な能力のため、私とアカボシとバルの三人がかりでやっと倒すことのできた強敵です。
そしてバルによって切られた角は伝説級に匹敵する代物であり、今も丁重に保管しています。
・ベルクハイル 種族:フリームスルス 階級:天災級 属性:氷
大きさが二〇メートルは超える氷の巨人。
彼も元魔王級であったらしく、ルオットチョジクによると本来はその三倍は大きかったと……俄かに信じられません。
天然ダンジョンのマスターであるため、種族はフリームスルスのままである。
しかしベルクハイルだけで250,000以上のDPであり、彼がどれほど強力だったかはその数値からでも容易に読み取れる。
残念ながら魔剣はベルクハイルの死と同時に溶けてなくなり回収は不可となりましたが、彼の体内からはリンネルが絶叫するほどの植物の種が発見された。
【特筆すべき戦利品】
・264,670DP
・トレントの木材×300
・アッシュの樹
・カリアッハの杖(元五ツ星冒険者の杖)
・バル班が採取した魔鉱
・災厄祓い(大量すぎて計測不可)
・酒漬けされた聖蛇フラウの遺体×3
・スヴリーの一角
・ベルクハイルの身体から取り出された謎の植物の種子?
・ダンジョン氷河洞窟
以上が今回のダンジョン氷河洞窟のまとめとなります。




