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故に存在する世界  作者: 鳴指 十流
9/13

トマト

 誰かが、こんな本を出した。


『トマトは、世界を救う』




 本はテレビでも紹介された。今、話題沸騰の、大ベストセラーとなった人気の本、と紹介したそのテレビ番組は、とある農家で、トマトを育てているという人のところに訪問しインタビューをした。

 こういう本があるんですがどうですか、読んだことありますか、等々。

 インタビューに答えていた農家のおじさんは、この質問に対して、読んだことがある、と答え、こう述べていた。

「やはり、今の時代はトマトでしょう。たまにキュウリとかナスだとかいってる輩がいますけどね、間違いですよ、間違い。今の時代、トマトだけが価値があるといえるんだ。それ以外の野菜なんて、時代遅れなんですよ」


 そして、このインタビューの内容がテレビで放送されると、ナス農家やキュウリ農家はもちろん、トマト以外の野菜を育てている農家の方たちから沢山の苦情電話が届いた。


「トマトがなんだ!偉そうに!」


「こっちの苦労も知らないで!」


 だが、それらに混じってトマト農家の方たちは、この言葉に賛成し、よく言ったと賞賛を浴びせる者もいた。


 こうして、どこかの誰かが出版した


『トマトは、世界を救う』


 という本は、あちこちのメディアで取り上げられ、話題となった。


 それは時に良いニュースとして報じられたが、二つや三つ、トマト農家とトマト以外の野菜を育てる農家の、血みどろの闘い等、悪いニュースも混ざっていた。



 この話題は、約二ヶ月間、人々の注目を浴びることになった。



 …… 誰かが、こんな本を出した。


『実は我々は、猫と言葉を話すことができた』


 時代は、今や猫と話す時代だ。

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