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あらすじよりも短い話
あらすじよりも短い話を書いてみようと思い、原稿用紙に向かって、筆を走らせた。
まず、あらすじを書いて、その横に本編を書く。三十分くらい書いて、やっと完成した。
話には、男と女が出てくる。そして、その二人が恋をしてやがて結婚するという話だった。たったこれだけ。あらすじよりも本編の方が短く仕上がった。僕は、出来上がった原稿を見て、上出来だ、と思った。
だがすぐに、そんな感動も消えてしまった。あらすじよりも短いことに、本編の方が怒って、自分があらすじになってしまったのだ。
そして、あらすじの方はというと、彼は彼で、本編になれて嬉しいようだった。




