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仔犬拾いました。 伍
短いです。
……段々、まえがきとあとがきに書くことが無くなってきました……
「だから、ぼくを……弟子にして下さい!」
彼の真剣な頼みにも、雪巴のリアクションは薄い。
「いや、しねぇって」
「うぅ……」
だが。
前回と違い、何かを企んでいるようで。
雪巴は、思わずうなだれた彼の頭を
わしゃわしゃと撫で回した。
「わぁっ⁉」
「……それより、もっといい方法があるだろ」
「え……?」
戸惑っている彼に背を向け
雪巴は、堂々と言った。
「その仇討ち……己れが手伝ってやる。
だからお前は、囮になれ」
「え、えぇぇぇぇぇ⁉」
そこにあったのは
妖の、総大将としての姿で。
彼が求めていた『強さ』の、完成形。
『囮』
何とも嫌な響きだがーーーー
「っ、わかった!」
気付けば彼は、了承していた。