表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妖絵巻   作者: 雨夜 紅葉
4/8

仔犬拾いました。 詠(よん)

いよいよ、彼の過去が明らかになります。

「……叢雲(むらくも)?」

「うん。ぼくの一族に伝わる秘宝なんだ。

叢雲は、気配を消す力があるから

一族で一番弱い人が、継承するんだって。

それで今度は、ぼくが受け継ぐことになって……」

「……つまり、」

「……ぼくが、一番弱いってことだよ。

色々とこう……辛いものがあるけどね……」

あはは、と乾いた笑いを浮かべた彼を

「……まぁ、あれだ。お前まだ成長期だから。あんまり、その……気にするな」

そう慰めた雪巴の表情(かお)は、憐れみに満ちていた。



彼は、ひとつひとつ言葉を選んで話した。

3日前、継承が行われる予定だったこと。

それが、他の妖怪にバレてしまったこと。

そして

その妖怪に、彼の一族が襲われたことを。

「……ぼくは、兄様が逃がしてくれたから助かったけど……皆は、」

「……殺された、のか……」

「……うん」

「誰にだ?」

「わかんない……イタチだったと思うけど……」

「イタチ……『コエゾイタチ』だな」

「‼……知ってるの?」

がばっと顔をあげた、彼の目が雪巴を捉える。

雪巴は、なんの躊躇いもなくはっきりと言い放った。

「あいつら、最近派手に暴れまわってるからな。……コエゾイタチは貪欲だ。そんな秘宝があるなら……力ずくで、奪おうとする。

その結果が、これなんだろうが」

「…………」

黙り込んだ彼に、雪巴は問う。

仇討(かたきう)ちと、叢雲の奪取……

お前の目的は、どっちだ」

「ぼ、くは……」

彼は少しだけ戸惑ったが

すぐに覚悟を決めて

雪巴の、目を見て答えた。


「どっちも!

ぼくは、どっちもやってみせる!」


意思のこもった彼の言葉に

雪巴は、口角をあげて笑ってみせる。



ここから彼等の、逆襲劇がはじまった。




長くなりそうだったので、一旦切りました。

会話文が多くなってしまった……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ