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あの空の向こうへ

学校の文芸部として2011年の文化祭に出展させていただいた作品です。

過去の文芸作品と繋がる部分もありますが、知らなくても全然大丈夫なんでご安心を。

ではでは、お楽しみください。(ペコリ

********

0)

「ねぇ、アニキ。 何をしてるの?」

「ん? あぁ、ちょっとな」


小さな照明に薄暗く照らされたガレージ。

油と金属の臭いで満ちた空間で、兄妹は言葉を交わす。

兄は妹に背を向け、手には六角レンチ。

グリグリとネジを回すそんな彼の目の前には、一台のプロペラ飛行機。

何年か使われていないのか、所々の錆が目につく。

「これでよし…!」

兄はしっかりとネジを固定すると、ふーっと息をついて額の汗を拭った。

その表情は満足そうな笑顔で。

それに妹は半ば呆れた様子で。

「毎晩毎晩、よく飽きないよね…」

「まぁな。 僕はこいつに夢を乗せているからな」

「夢?」

妹が問うと兄は振り向いて、へへっとがき大将のように鼻を擦って答える。

「僕はこいつで、あの空の向こうに行ってみたい。 あのどこまでも続く、青い青いあの向こうに、な」



とある世界。 とある場所。

とある時代。 とある時間。

様々な空間と時間の狭間で生まれる、様々な物語。

ある人物は自分の勇気に気づき、

ある人物は自分の過去を乗り越え、

ある人物は自分の可能性を知る。

そして今もどこかで生まれている、数々の物語。

これはその一つ。

さぁ、始めよう。

これは一人の少年から始まる、夢と絆の物語―――。


********

1)

目まぐるしく発展していく世界から隔離し、そう生きていくことを決めた種族が住む、とある海の上の空に浮かぶ空中都市、エアルヴァン。

古代から伝わる不思議な力で浮かぶこの都市だが、都市といってもビルが建ち並ぶわけでもなく、緑に溢れ、どこかのどかで、田舎のような雰囲気が漂っていた。


住宅や商業施設が集中している中央から外れ、さらに田舎臭が漂う北の方。

そこの海沿い(空中に浮いているので正しくが崖っぷちだが)にエアルヴァンには珍しい、なかなかの高さのビルらしき建物の廃墟がある。

崩れたコンクリートの壁。

剥き出しになった赤い錆色の鉄骨。

見上げれば青空が広がる天井。

一目見ただけでずいぶん前に建てられ、今は使われていないことがよくわかる。

そんな廃墟の最上階。 そこが兄妹のお気に入りの場所だった。


「今日もいい眺めだよな」

完全に崩壊した壁から見える絶景とも言える青い空と海に、兄のナミカゼが呟く。

それに頷く妹のシナモン。

ナミカゼは空から射す光に輝く銀髪を、

シナモンは桜のような鮮やかな桃色の髪を、二人揃って三つ網みにし、それを海から吹き抜ける風がなびかせる。

優しい緑色の眼、少し大きめの黄色い帽子、青を基調とした半袖のジャケット。

お揃いの衣装が彼らを兄妹だということをより強調しているようだった。


「ねぇ、アニキ。 アニキはどうして向こうに行きたいの?」

シナモンがふと、昨夜の会話を思い出し兄に問いた。

それにナミカゼは目の前の青色をまっすぐ見つめながら答える。

「僕は見てみたいんだよ、外の世界を。 そこにはこんな狭い街にはない、すっごい物が沢山あるはずなんだ」

そう言うと、ナミカゼは笑みを浮かべながら両手をいっぱいに広げ、自分の期待の大きさを表現してみる。

それにシナモンは尋ねた割には、ふーんと軽い一言。


昔からそれほど変わらないエアルヴァン。

周りとの関わりを絶ち、外からは何も入ってこないが、伝統で伝わる技術もそれなりに高度でこれといって不自由な点もない。

それをつまらないと言うか、満足と言うかは人それぞれで――。


「勉強もろくにしないヤツが、ちっさい夢ですねぇ」

と、こんなことを言う者もいる。

後ろからする声に兄妹が振り向くと、眼鏡と茶髪おさげが印象的な少女がゆっくりと錆れた螺旋階段を上ってくるのが見えた。

「なんだよ、アニィ。 人の夢にケチ付けんなよ…」

「じゃあ、もっと勉強するか、ぶっ飛んだ野望たてやがれです」

口調が丁寧なのか悪いのかよくわからない彼女は、アニィ。

兄妹の幼なじみで、街では図書館の管理をしている。

アニィはいつも右脇に本を携えていて『本の虫』と呼ばれ、少し有名だったりする。

彼女は来て早々にナミカゼに毒を吐くと二人に近づき、ビシッ! と勢いよく空へと指を差した。

「理由もなくただ見たいと思うなら、でっかい物を見なさいです。 宇宙とか!」

「うちゅう……? 何それ、食べられるのか?」

アニィの口から告げられた聞き覚えのない言葉に、ナミカゼは首を傾げる。

シナモンも知らないようで、きょとんとした様子で。

「アニィ、何なのそれ?」

シナモンがそう尋ねるとアニィは、はぁー…、と長いため息をついて顔に手をあてる。

「所詮、飛行機馬鹿とその妹ですか…」

「馬鹿じゃなくてロマンの探求者と言ってほしいね!」

「…絶対違う。 あたし、こんな人と絶対同じじゃない」

アニィが毒づき、ナミカゼが無駄にカッコつけ(正直ダサい)、シナモンが腹黒くツッコミを入れる。

これが彼らのいつもの様子。

言い合いになることもあるが、自然と笑顔になる三人。

青空にふわりと浮かぶ雲のようにゆっくりと時間が流れてゆく。

「しょうがないですねぇ。 ウチの図書館でみっちり講義してやるのです」

「あ、ちょうどいい! エンジン関係の本が読みたかったんだよね!」

「人の話聞けですーっ!!」

アニィが膨れっ面で腕をバタバタしながら叫ぶと、ナミカゼはそれをからかうように螺旋階段のほうへ軽快に走り出す。

それを追うアニィに続いてシナモンも、呆れつつも小さく微笑んで、ゆっくりと歩き出した。

どこにでもある会話。 当たり前で、あの空のようにずっと続くだろう日常。

それでも空は、突然暗い陰を落とすときもあるということを、この時彼らはまだ知らなかった―――。



「ん…? なんだろう?」

螺旋階段を下りようとしたシナモンだが、その近くの壁の一部が不自然に窪んでいることに気づいた。

顔を近づけて確認しようとしたが、下からアニィの声がする。

「おーい、シナモン! 早くしないとあの馬鹿が行っちゃうです!」

「あ、うん。 今、行く!」

まぁ、いっか。 きっと壁が崩れたのだろう。

シナモンはそう思い、駆け足で階段を下っていった。


********

2)

アニィの図書館は街角にある赤いレンガで造られた建物だ。

エアルヴァンで唯一の図書館で、外の世界の本もあり、意外と充実した設備になっている。

背の高い本棚が並ぶ館内は、天窓から射す光で明るく照らされていた。

「よっしゃ、ひっこうき♪」

「コラッ、図書館では静かにするです」

入口をくぐると、ナミカゼはアニィの注意もお構いなしに突風のような勢いで技術関係の欄へ飛んでいってしまった。

仕方なくアニィはシナモン一人を中央の長机に座らせ、天体の欄の棚から一冊の分厚い本を取り出す。


ぼふっ!!


アニィがそれを机に置くと、埃とカビ臭い息を吹き出した。

大体百年くらい前からある物のですから、とアニィは軽い口調で結構な桁を言うと、パラパラとページをめくる。

「これが宇宙、その一部です」

「凄い、キレイ……」

本の半ば辺り。 そこに描かれていたのは、真っ黒な背景に無数の白い粒。 そして大きな赤や青の球体。

アニィが丁寧に説明するその幻想的な世界に、シナモンは胸の奥で何かが高鳴るのを感じた。

「太陽や月に、無数の星。 この空のずっと上には、こんなにも美しい世界が広がっているんですよ」

「へぇ…! じゃあ、アニィ。 これはなんていう星?」

シナモンが少し興奮気味に指差したのは、青い空色の星だった。

その様子を見て微笑むアニィは優しい口調で答える。

「地球、です。 わたしたちが今ここで生きている星です」

「地球……。 あたしが今、この地球に…?」

シナモンはその答えにとても不思議な気持ちになった。

自分の世界の空のずっと上に広がる世界。 その中の一つの星に自分が生きていて―――



「おっ、あったあった♪」

ナミカゼは足元に置かれた梯子に上り、棚の上の方にある表紙に小難しいタイトルだけが書かれ、いかにもマニアックそうな本を取り出す。

そのとき――


「おっと…」

その本と本の隙間から何かが床にこぼれ落ちる。

「…ノート?」

ナミカゼは梯子から飛び降り、しゃがみ込んで拾いあげると、それは暗い森のような緑色の薄いノート。

ナミカゼはなぜかわからないが、直感的に少し不気味だとも思った。

眉間にしわを寄せ、恐る恐るノートの中に目を通す。

「これは……?!」

ナミカゼの表情は一転した。

驚きに満ち、そしてどこか深刻な鋭い目つきに。



空の光を灰色の厚い雲が遮っていき、天窓の明かりが小さくなった館内は薄暗い闇に包まれようとしていた―――。


********

3)

真っ黒の空、腹に響く雷の低音、滝のように降り注ぐ夕立。

兄妹の帰り道は散々なものだった。

慌てて走ったものの、図書館のある中央区から南の外れにある二人の家までは結構な距離がある。

頭から足の先までずぶ濡れで、身体に張り付く衣服が妙に気持ちが悪い。

「うわぁ…、中までびしょ濡れ…」

「アニキ、絶対にコッチ見ないでね」

玄関の軒下で、あのうっとうしい雨雲を見上げる二人。

憂鬱な表情でそのまま突っ立っていると、後ろのドアがゆっくりと開いた。

そこから顔を出したのは、無愛想な年配の男性。 二人の伯父だった。

「お前ら、いい加減に中に入れ」

伯父はそう言うと、二人の濡れた顔に勢いよく白いタオルを投げ付ける。

「何すんだよっ!」

その雑な態度にナミカゼが眉間にしわを寄せて怒鳴るが、伯父はふんっ…、と不機嫌そうに鼻を鳴らしてさっさと中に入ってしまった。


兄妹は伯父と三人暮らしだ。

といっても伯父は街に仕事に行って、ほとんど家にいない。

二人との仲もそれほど良くはなく、兄と衝突するのはよくある光景である。


二人は身体についた水を拭き取ると、ナミカゼは部屋で着替え、シナモンは先に風呂に入ることにした。

ナミカゼは階段を上がり、兄妹二人で使っている小部屋に入る。

着替えをさっさと済ませると、そのままの勢いで二段ベッドの下段にぼふっ、と倒れ込んだ。

(今日は疲れた……)

眼をつぶると、頭に過ぎるのは昼間に読んだあのノート。

中に書かれていた文字が渦を巻くような感覚がする。

(あれは、本当に……)

その渦に飲まれるように、うとうとと眠りに落ちそうな――、そんな時だった。


「きゃぁぁぁあ!!」


「!?」

下の風呂場からシナモンの悲鳴が家中を駆け回ったのだ。

ナミカゼは慌てて飛び起きると、滑るように階段を駆け降り、バンッ! と勢いよく風呂場の扉を開けた。

「どうした、シナモン!!?」

ナミカゼが荒い呼吸で叫ぶ。

シナモンはぺたん、とタイルの床に座り込み、顔を赤らめおどおどとした表情で奥の小さな窓の外を指差していた。

「だ、誰かが、誰かが、の、覗いてた…!」

それを聴いて、ナミカゼは急いで窓から外を確認するが人の気配はない。 逃げられたようだ。

(くそっ…、まさかな…)

ちっ、と舌を鳴らし、口に手を当てるナミカゼ。

そんな兄にシナモンが、ねぇ、アニキ…? と、小さく声をかける。

なんだ、シナモン? と、ナミカゼが振り向くと――


「あ……」


むすっとした表情、眼は涙で潤み、手に洗面器を構えるシナモン。

湯煙に包まれたその姿は--


「アニキの馬鹿ぁぁぁああ!!」

「うわぁ、ちょっ、待っ――」


雨が止み、静寂さと暗闇が徐々に訪れる空に、スコーン! という軽快な音と悲鳴が響きわたった。


********

4)

次の日だった。 強い風が吹き始めたのは。

嵐が迫っているらしい。

雨はまだ降っていないが、雲の流れの速さでわかった。

海上に浮かぶこの都市だから、これだけは避けることはできない。


そんな日にも関わらず、幼なじみ三人はいつもの廃墟にいた。

ナミカゼが呼び出したからだ。

「で、何なんですか? 話って」

アニィが床に足を広げて座り、空を見上げて面倒臭そうに言った。

それにナミカゼは、あぁ…と低い声で答える。

「僕、明日にここを出る。 飛行機の修復が完了したから…」

それは突然の告白だった。

アニィ、そして妹であるシナモンも驚きを隠しきれない。

それはつまり、突然の別れを意味していたのだから。

「え、えと冗談ですよね…? そんなに急に言われても困るんですけど…?」

動揺して声が震えるアニィが問うが、ナミカゼは首を横に振った。

シナモンは俯く。

「アニキ…、あたしはどうなるの…?」

ナミカゼは優しく微笑んで、そっと妹の肩に手を置いた。

「大丈夫だよ、すぐに帰ってくるからさ」

そしてあの空の向こうを見つめる。 その眼差しはずっと遠く、真っすぐ――。


そう言う兄だったが、シナモンには彼の背中が遠く感じた。

兄が夜空に一つだけ小さく輝く星のように見えた。


向こうから吹く冷たい風が、身体を後ろに押し、彼女の小さな胸を通り抜けていった―――。


********

5)

次の朝。

夜間に嵐は遠ざかったようだが、辺りは一面深い霧に覆われていた。

呼吸をするたび、胸に冷たい空気が流れ込む。


兄妹は家のすぐ横にあるガレージにいた。

ナミカゼのプロペラ飛行機が収められており、シャッターを開ければ、そのまま海へと飛び出すことができる滑走路にもなっている。

「ねぇ、アニキ。 本当に行くの?」

シナモンが胸に手を当て、小さな声で言う。

兄は頷いた。

「シナモン、これをやるよ」

ナミカゼはそう言うと、ズボンのポケットからくすんだ空色のゴーグルを取り出した。

「昔、父さんに貰ったゴーグル。 シナモンにやるよ」

ゴーグルを受け渡す兄妹。 その時、ギュッ、と強く手を握りしめ合って。

そのとき、開けたシャッターの向こうからもう一つ人影があった。 伯父だった。

「おい、こんな霧で行こうってのか?」

伯父は相変わらず不機嫌そうな声で言う。

ナミカゼもいつものように答える。

「何だよ、あんたには関係ないだろ…」

「自然をナメるな」

「今しかないんだよ! あんたに何がわかるんだよ!」

ナミカゼが怒鳴ると、伯父は、好きにしろ…と呟いて家に戻っていった。

ナミカゼはちっ、と舌打ちすると、シナモンとの挨拶もそうそうに飛行機へと乗り込む。

「じゃあ、またな」

「うん…、早く帰ってきてね」


ブロンッ!

ガレージに飛行機のエンジンがかかる低い音が響く――。


「シナモン、お前はお前の空を飛べよ」

兄はそう言って、霧の中へと飛び立っていった。


そして兄は、帰って来なかった。


********

6)

――― 一ヶ月後。

あれから兄からの連絡はない。

街では行方不明ということで、この件は落ち着き始めていた。

それでも妹のシナモンは、まだ諦めきれていない。

胸の奥で、まだあのときの冷たい空気が残っているような――。


シナモンはあの廃墟の最上階にいた。

相変わらず、崩れたコンクリートの壁。

剥き出しになった赤い錆色の鉄骨。

見上げれば青空が広がる天井。

一目見ただけでずいぶん前に建てられ、今は使われていないことがよくわかる。

それでも、前とは違う。

そこには、もう笑い声は聞こえない。

そこには、少年の姿はない。


シナモンは床に座り込み、上を見上げる。

何もない空がただ広がっていた。

何かあるとすれば、兄が残した言葉が空耳として響いているだけだろうか。

首にかけた空と同じ色のゴーグルに触れる。

――ねぇ、アニキ。 今何処にいるの?

――ねぇ、アニキ。 あの日、何が伝えたかったの?

――ねぇ、アニキ……。

シナモンはそのまま仰向けに寝転び、眼をつぶろうとしたとき現実から声がした。

「やっぱりここにいたですか」

シナモンは起き上がると、アニィが螺旋階段をゆっくり上がってくるのが見えた。

彼女は少しお話しませんですか、と言うとシナモンの左側にそっと座り、水平線を見つめた。

「まだ落ち込んでいるんですか…?」

アニィが少し言いづらそうに問うとシナモンは俯いて答える。

「アニキはまだ向こうにいるだけなんだよ…、きっと」

「そうですか…、そうですよね」

アニィはシナモンもその答えを聞くと、ふっ…と微笑み、話題を変えた。

「ねぇ、シナモン。 学校って知っていますか?」

「がっこう……? 食べられない鳥?」

「それは『カッコウ』です…。 というか、あなたたち兄妹の価値基準は食物かどうかなんですか…」

シナモンの兄譲りの天然ボケを、アニィはさらりとツッコむと、すらすらと説明を続ける。

「学校とは外の世界にある、たくさんの人と一緒に勉強するところなんです。 それ以外にも様々な行事があって、とても楽しい場所だそうです」

アニィは図書館で読んだ本から、シナモンに学校について様々な話をした。

給食で余ったアイスクリームを奪い合いの中で、自らの勇気に気づく少年の物語や、

めちゃくちゃな部活生活を通して、自身の可能性に気づく少年の物語、などできるだけ、たくさん。

「へぇ、そなんだ。 面白いんだね、学校生活って」

そんな中で、シナモンが少し笑った。

まだぎこちないが、一ヶ月ぶりの笑顔だった。

それを見てアニィが言う。

「そんな楽しい世界です。 あの馬鹿がしばらく帰ってこないのも無理ないですよ。 だから気にしなくていいんじゃないですか?」


シナモンはその小さな胸に、少しだけ温かい空気が流れた気がした。

それでもまだ、冷たさは渦を巻いている。

――ねぇ、アニキ。 アニキはそんな世界を見たかったの…?

――ねぇ、アニキ……。


********

行間 1)

アニィの提案で久々に図書館に来ることにした。

あの日の前々日ぶりだ。

図書館も前に来た時と何も変わった様子はない。

ここにも兄の面影がないだけだった。

シナモンはあの日と同じ席に座り、

アニィが同じ本を引っ張り出してきて、

同じように本がカビ臭い息を吹き出して、

同じようにページをめくりだし、

同じあの図に目を落とした。

シナモンは今ならわかる。

これは太陽系の図だってこと。

あの空の上に広がる世界で、

真ん中の赤いのが太陽で、

大きな輪があるのが土星で、

この青い星が自分たちの住む地球だって。

そしてシナモンは、あの日と同じように胸の奥で何かが高鳴るのを感じた。 その冷たい胸を温めるかのように。

(宇宙か…、見てみたいな…)


――ねぇ、アニキ。 アニキもこんな気持ちで外の世界に憧れていたの?


********

7)

夕方。

今日はあの日と違い、赤い綺麗な夕日が差し込んでいる。

シナモンは自宅に戻ると、庭で一人伯父が突っ立って空を見上げていた。

ただいま、とシナモンが声をかけるが、伯父は一瞬だけちらっとこちらを見ただけで再び視線を元に戻す。

伯父は兄がいなくなってから――、いや前からこんなものだろうか。 顔を合わせる度にとにかく無愛想だ。

シナモンは二人暮しになって、余計に気まずかった。

兄のことは、

清々した、夢を追ってもろくなことはない、と独り言を呟いたきり、全然話そうともしなかった。

(夢を追ってもろくなことはない…、か)

シナモンは中に入り、階段を上がって小部屋に入る。

兄と使っていた部屋だ。

その部屋の隅に置かれた二段ベッド。 その下段。

兄が寝ていた布団は洗濯されて真っ白だった。

シナモンは何となく、その白に俯せに勢いよく倒れ込んだ。

もし兄がいたら、ブラコン変態、と言われそうだと思った。

「アニキに言われたくないよ…」

布団に顔を押し当て、風呂場の事件を思い出してシナモンは呟く。

(そういえば、あの人影は誰だったんだろう…)

そう思った時、シーツの裏側に何か固くて物があることに気がついた。

まさか兄の――、と一瞬思ったが止めた。

シナモンは赤らめた顔を横に振り、とりあえず落ち着いてシーツをめくることにする。

そこから出てきたのは、――じゃなくて、一冊の深緑のノート。

それからは、ほのかにアニィの図書館の臭いがした。

ノートを開く――


「これは…、日記?」


黄ばんだ紙に並ぶ荒い文字たち。

ページごとに日付が振られていて、誰かの日記のようだった。

兄のものにしては古すぎる。 では誰の物か。

そのときシナモンは、首にかけたゴーグルが気になった。

「そっか…、この日記、お父さんのなんだ」

ページをめくっていくと、途中で書かれなくなっていることに気づく。

その最後の日に目を通したとき、シナモンは驚きで思わず、えっ…、と声を上げた。

胸の奥で灼熱の嵐が吹き荒れ、頬に汗が伝う。


○月○日

今日、私はとんでもないものを完成させてしまった。

それはプロペラ飛行機のエンジンでありながら、宇宙までも飛び立てる力を秘めているのだ。

しかし、これは隠さなければならない。

この技術を応用すれば、恐ろしい軍事兵器を造れるに違いないからだ。

恐らく奴らはもう気づいているだろう。

私は例のガレージの奥に細工を施し、私の飛行機に積み込み、そこへ隠した。

私自身もどこかへ隠れるべきであろう。

幼い息子よ、許してくれ。

いつか会える、その日まで。


――ねぇ、アニキ。 アニキはあの日、自分の空を飛べなかったの…?


********

8)

シナモンはわかった。

兄が急に飛び立とうと決めた理由を。

父の日記、

前日の人影、

旅立った霧の日、

そして最後の言葉。

全て繋がっているとしたら――。


シナモンは息を切らしながら、兄と過ごしたあのガレージへ走る。

冷たいシャッターを勢いよく上に持ち上げると、一目散にその奥へ。

そこには兄が飛行機を触るために使っていた工具が置かれた、シナモンの背を優に越す灰色の棚。

その左にはスペースがあり、そこの床は妙に黒い。

このガレージの配置は父が使っていた頃から変わらない、と前に兄が言っていたのをシナモンは覚えていた。

(あたしの予想が正しいなら…)

シナモンは工具棚をゆっくりと左へ――。


ズズズッ!!


工具棚は見た目によらず、女の子のシナモンの力でもあっさりと動いてしまった。 何か施されていたのだろう。

その奥には、一つの小さな扉。

「あった……!」

シナモンは熱くなった胸が震えているのを感じた。

それを抑えるように、ふーっと息を整える。

よし…、の小さな掛け声と共に、手をドアノブへと伸ばす。

カチャ…、という音が静かなガレージに響き、少女は中へ――。


――飛行機だ。


奥は小部屋のようで、その中央には一台の小型のプロペラ飛行機。 日記に書かれていたものだろう。

近い壁と壁がその飛行機を閉じ込めているような印象だった。


シナモンは推測する。

兄は図書館で父の日記の日記を読み、この飛行機とそれを狙う者の存在を知った。

その後、シナモンが覗きにあう。

シナモンが見たその人影を、兄は直感的に『狙う者』と感じたのだろう。

棚の横のスペースが黒ずんでいたのは、棚を動かした後だ。

今のシナモン同様、兄もここに来たに違いない。

霧の日に旅立ったのは、狙う者を欺くため。

見るからに奥に隠された飛行機は動かせない。

兄は自分の飛行機を囮にしたのではないだろうか。

そして兄の最後の言葉―――。


シナモンはもう一度、ふーっと息を整える。

(でも、少し考え過ぎかな。 想像の部分も多いし…)

そう思った時だった。


ドゴォォォォン!!


激しい音と衝撃と共に、さっき入ってきた扉が宙を舞ったのだ。

シナモンは思わず尻餅をついてしまった。

「やれやれ、やっと見つけましたよ…」

「!?」

コツコツ…、というブーツの音をたてながら一つの人影が中へ。

それを見てシナモンは、予想が確信に変わった。

「この辺りにあるという噂は聴いていましたが、こんな所にあるとは。 感謝しますよ、お嬢さん」

黒のタキシードに黒のハット帽。

全身黒尽くしのすらりと背の高い男性だった。

全ての指と指の間にビー玉を挟んでいる。

男は一度、シナモンにお辞儀をすると例の飛行機のほうを向く。

「これが、スターエンジンを積んだ飛行機ですね。 早速頂きましょうか」

男は『スターエンジン』という聞き慣れない言葉を発したが、シナモンはすぐに日記に書かれていたエンジンだとわかった。

慌てて立ち上がり、男の前に立ち塞がる。

「ダメっ!」

シナモンの強く、大きくて真っすぐな声が部屋中に反響した。

男は一瞬眼を丸くしたが、不気味な笑みを浮かべて言う。

「ギャングを舐めないことです」


シュッ!!

ギャングと名乗る男が右手のビー玉を横の壁へ放り投げる。

するとビー玉は空中で炸裂し、一筋の朱い炎と化して壁を貫く。

ドコンッ! という轟音、壁は粉々に砕け散り、小部屋に夕日が差し込んだ。

その光がシナモンの肌を冷たく刺す。

見たことのない現象を目の前に、彼女は凍り付く。

身体が、動かない。

「銀髪のちっこいギャングといい、ウィッチの小娘といい、どうして私はよくガキに邪魔されるんでしょうねっ!」

さっきの笑みと反し、苛立った表情の男。

今度は左のビー玉を放り投げる。 少女がいる前と。

少女は眼をつぶる―――


ドオォォォン!!


炸裂するビー玉の炎の音が鳴る。

シナモンはゆっくりと眼を開けた――。


「おじ、さん……?」

「よぉぅ、大丈夫か…?」


伯父がシナモンを覆うようにして、そこにいた。

その背中は黒く――。

「ど、どうしてあたしを…?」

シナモンが眼を丸くし、震えた声で問う。

それにいつも無愛想な伯父が、笑みを見せた。

「最後に残った家族、失うわけにはいかないからな……」

返ってきたのは、予想もしない答え。

シナモンは思わず、えっ…と声をあげる。

「俺があのとき止めなかったから、お前の兄はいなくなっちまったんだ。 もう何もしないで家族を失いたくねぇんだよ……」

そのとき、シナモンの頬に何かが流れるのを感じた。

それは冷たいけれど、どこか温かくて。

凍り付いた身体を溶かすようだ。

伯父をよく見ると、その瞳に涙を浮かべていた。

「なぁ、シナモン…」

伯父が言う。

「お前の兄はアイツの空を飛べなかったのだろう?」

シナモンは頷く。

「だったら、お前はお前の空を飛ぶんだ。 俺のように後悔しないようにな…」

伯父はズボンのポケットから何かを取り出し、シナモンの右手にしっかりと握らした。

「北の廃墟に行け。 そこに俺の兄の…、お前の親父の本当の飛行機がある」

「でも、おじさんは…!?」

シナモンが伯父の身を心配して問う。

伯父は、ニカッ! と子供のような笑顔を見せる。

「大丈夫、心配するな! ここは俺に任せろ!」

そう言って、むくっと立ち上がり、獣のような雄叫びを上げながらギャングの男に立ち向かって行った。

「行けぇ、シナモン!!!」

伯父の叫び声と共に、少女は勢いよく立ち上がり、崩れた壁から外へと走り出す。

このとき、彼女の胸の中にはもう、完全に冷たいものはなくなっていた。


――ねぇ、アニキ。 あたし、あたしの空を見つけたよ。


********

9)

太陽が水平線に沈もうとしている。

辺りは薄暗くなり、小さな星たちが夜空を飾ろうとしていた。

そんな中、少女は息を切らしながらも、風のように走る。


本当のところ、彼女の頭の中はぐちゃぐちゃになっていた。

兄の真実、

スターエンジン、

ギャング、

伯父の本当の気持ち――。

ほんの少しの時間で、とてつもなく壮大な出来事が起こっている。

夢かと思うほどに、だ。

それでも彼女は無我夢中で走る。

一つだけ。

一つだけ、今まで厚い雲で覆われていたものが、今ならすっきりと晴れているから。


中央区に差し掛かった辺り。

向こうでアニィが手を振っているのに気づく。

汗だくで、険しい山道を登った後のような表情だ。

「ど、どうしたんです、シナモン? さっき、シナモンの家から爆発のような音が…」

アニィは走ってきたようで、息を切らしながら言う。

シナモンはそのままの勢いで。

「アニィ、ついてきて! 話は行きながら話すから!」

パッ! とシナモンがアニィの手を取り、再び風となった。

「ええ、ちょ、待ってくださいですぅぅぅ!!」



廃墟の最上階に着いた。

辺りはもう暗闇に包まれ、月の光が少女たちを青く照らす。

「も、もう…、強引ですよ…。 ところでその飛行機の隠し場所に心当たりはあるんです?」

アニィが月の光で余計に青く見える顔で言った。

シナモンはしっかりと頷くと、螺旋階段の近くの壁に左手を触れた。

彼女は思い出す。

兄のいなくなった前々日。

三人で図書館に向かう前。

その一部が不自然に窪んでいることを。

「あった……」

手探りでそれを見つけると、伯父が握らした右手をゆっくりと開く――― 一つの鍵があった。

それを、窪みに押し込む。


カチッ。


軽い音が鳴る。

そして壁は自ら上へ――。

「この廃墟がまさかガレージであり、滑走路ですとは……」

アニィが驚きの声をあげた越えた先。

一台のプロペラ飛行機がどこか堂々した風格で立っていた。

飛行機に近づく。

月で輝くその白いボディーは、古さというのを感じさせない。

「これがお父さんの……」

シナモンがそう呟いた時だった。

コツコツ…という音が螺旋階段の下から廃墟に響いて聞こえてくる。

自宅のガレージで聞いた、あのブーツの音。

一瞬、伯父の身が気になったが、シナモンは飛行機に飛び乗った。

それを見てアニィが慌てて言う。

「ほ、本当に行くんですか!? もしかしたら、アイツみたいに……」

アニィの表情は雲で陰ったような。 あの日の前日と同じ表情。

「大丈夫だよ」

シナモンは微笑む。

「あたしは、あたしの空を飛ぶ。 安心して、すぐに戻るから」

アニィは戸惑う。

もしあの日のようになれば…、そう思うと怖くて堪らなかった。

しかし、シナモンの瞳は一等星のように強く輝いている。

いつもの大人しい彼女の優しさに加え、懐かしい風のような強い意思を感じた。

見ていると自然に笑みがこぼれるような。

「そうですか…、そうですね」

アニィはそう言うと、プロペラ機の近くに机があることに気づき、その上に置いてあった物をシナモンに投げ渡す。

それは片耳に付けるマイクとスピーカー一体型の通信機だった。

「シナモンが飛んでいる間、わたしは地上からサポートするです!」

シナモンは笑う。 太陽のような笑顔で。

「アニィ…! うん、ありがとう!」


螺旋階段からの足音はどんどん近くなる。

それでもシナモンは慌てず、右耳に通信機を付け、首にかけたゴーグルを眼に当てた。

操縦は兄の話を聞いていたので、大体はわかる。

――アニキ……。

胸の奥に高鳴る熱いものを感じた。

――アニィ、おじさん……。

腕を伸ばし、エンジンを回す。

ブロンッ! という音と共に深く呼吸をし、操縦桿を握る――。


――行くよ!!


それに気づいた足音が速くなる。

プロペラが回り、飛行機は加速する。

(お願い、間に合うです…!)

アニィが祈る。


そして――


ブォォォオン!!

飛行機は離陸し、夜の空へと飛び出した。

「やった…! やったです!」

「し、しまった……!!」

シナモンは通信機でアニィとギャングの叫びを確認する。


――ねぇ、アニキ。 アニキがあの日飛んだとき、こんな景色は見れなかったんじゃないかな。


向こうはまだ少しだけ明るい水平線。

顔を通り抜ける爽やかな風。

下は空からの光で波がきらきらと優しく輝く海。

そして上は――。


――ねぇ、アニキ。 今ならわかるよ。 あの日、何が言いたかったを、さ。

空って、夢のことでしょ?

あたしは、あたしの夢を追いかけろ、って言いたかったんだよね。

――ねぇ、アニキ。 あたし、今から飛ぶよ。 あたしの空を。


シナモンはぐっ、と操縦桿を後ろに引いた。


――あの空の向こう、ずっと上にある、あの世界を目指して。


飛行機はどんどん高度をあげる。

ほぼ垂直に、上へと飛ぶ。

「ちょっと、シナモン! 何をする気ですか!?」

右耳からアニィの焦った声が聞こえる。

それにシナモンは、ふっ…と微笑んで、穏やかな声で答えた。

「大丈夫。 ちょっと、宇宙にいってくる――」



つい最近まで、夢なんてなかった。

興味もなかったし、探そうとも思わない。

エアルヴァンにいれば、普通には生活できる。

だから兄の熱く語るのも、いまいちよくわからなかった。

なくても生きていけるからだ。

見つけたとしてもずっと先。 ずっと遠くにあると思っていた。

でも、違った。

本当はずっと近くにあったのだ。

それを少女は気づいた。

友や家族や、兄が、

それを教えてくれたから――。


飛行機は大気圏に突入。

辺りは漆黒に包まれていき、空気は薄まり、少女の意識はもうろうとしていた。

それでも操縦桿は引いたまま、上へ上へ。

そして、白い雲を突き抜ける――



――そこに広がっていたのは、本で読んだあの景色。

無数の光が少女を包む。

――あぁ、ここが、あたしの空……。

少女は振り向く。

青い空色の星。

――あぁ、これが、あたしたちの星。 あたしの世界。 あたしの……。


空を目指した一人の少女は、深い眠りに落ちていった。


********

10)

飛行機はバラバラに砕け散り、あのエンジンはオーバーヒートと海水の侵入で壊れてしまった。

それを追っていた男は、何とか逃げ出した伯父が警察に通報したことにより、その後取り押さえられたようだ。

そして自分の空を目指した少女は――


「まったく、無茶するです。 無傷なのが奇跡ですよ」

「あははは…、ゴメンってば…」

次の日、青い空の下、いつものようにあの廃墟にいた。

前日の行動に腹を立てた幼なじみを、適当に笑ってごまかす。

そのとき、ブォゥ! と突風が海の向こうから吹いた。

あまりの強さに、思わず身体を横に反らす。

「……ん?」

風が止むと、少女は頭上に白い何かが宙を舞っているのに気づいた。

少し跳びはね、右手を伸ばす―――掴んだ。

「なんです、それ?」

「わからない」

それは封筒に包まれた手紙だった。

少女が宛先と送り主を確認する。

「あ……」

温かく優しい風が、彼女の頬を撫でた。

少女は、ふっ…と微笑み、前を向く。

青い青い、あの空の向こう、

白い一筋の飛行機雲が浮かんでいた―――。


********

夢は、未来へ飛ぶ力だ。

今はわからないかもしれない。

見つけてないかもしれない。

絶望で見えなくなるときもある。

だけど、きっとわかるときが、

見えるときが、来るはず。

それはもしかしたら、

だれかとの『絆』が気づかせてくれるかもしれない。



―――あなたの未来が、輝くあの空の向こうのようでありますように。


『あとがき的な何か』

どうも、火月夜つむりです。

いつも読んでくれている方々はおはこんばんちは。

お初の方は、はじめまして……、と言っても文芸部として書くのはこれで最後なんですが(苦笑

ウェブでの読んでくださってる皆様はこれからもよろしくお願いしますねぇ(グヘヘ(え

今回は前回の反省を活かし、無駄な話が一切ありません。

おかげでページ数が前回よりもはるかに少ないという…。(ウェブでは文字数参照。

おかげで楽だっ(ry


今回のテーマは『夢』と『絆』です。 嗚呼、実に中二臭い。(

舞台を皿の上…じゃなくて、空の上の街にし、所々の描写に天候を使ったものを多々使用してみました。

逆にその他の描写が単調だったな…、と。

最後の最後まで、〆切ギリギリで書いていました、スイマセン(オイ

相変わらずわかりにくいし、誤字脱字多いし…。

途中で主人公が交代する…という挑戦もしてみましたが、なんだかうまくいってないような…。


作中には、自分が文芸部として書いた作品の内容が少し出ています。

その辺りは前々から読んでくださっている方々は楽しんで頂けたと思います。

読んでない方、知らない方は、それはそれで全然ぶっ飛ばしてくれてかまいませんので(笑

(ギャングの設定は学校では前半のみ、そもそもウェブでは公開していないという…)

あと少しだけ、某アニメの影響を受けていたりする。 キャラの名前とか。


今回は震災のことを配慮して…、と学校のほうから言われまして。

しかも言われたのが、このシナリオのプロットが出来上がってからだったので、急遽内容を大幅改変等々のトラブルもありましたが、なんとか書ききれました…。

それでも、ギリギリの内容だったかなぁ…。 うーん…。

震災した方々が1日でも早い復興願い、自分も出来ることをしていこうと思います。

とりあえず節電です。 節電。 夜更かし止めなければ…。


今回もこの作品を書くにおいて、協力してくださった方々、

そして手にとって下さった読者様に感謝。

部活としてこうやって作品を残すのは最後ですが、ウェブを含め、他の場でこれからも書いていこうと思っています。

もし見かけたときは、また手にとってくれるととても嬉しいです。


ありがとうございました。

これで自分の出番は閉じさせてもらうとして。 2011年8月18日 火月夜つむり



最後まで、某ラノベの影響バリバリだったなぁ…。


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