悪を行う者と糺すもの
また発表します。
「人間ってどうして、悪を犯す者とそれを糺す者に分かれるのかしらね。私達も前者かもしれないけど」
そう言うと、雪が谷唯は紅茶を片手にテレビを睨んだ。
テレビでは一昨日の夜の殺人事件のニュースが流れている。
それを見ながら、彼女の傍らの男は言う。
「唯。ニュースを消せ」
「はいはい」
「またも異能の者か。また当分はこの街の住人は枕を高くして寝れないだろうな。しかし、悪はいつかは敗れる・・・・・かつての俺がそうだったようにな」
「・・・・・・・そう願うけどね」
「そうなるさ。人を一人、殺して、警察が黙っているはずがない。たとえ異能の者だとしてもな。警察か他の誰かが必ず、こいつを死刑台に送るだろう。陰は陽を生み出す。何、放っておいても事件は解決するさ。そんなに気にすることはないよ、唯」
「だから、あんたも殺人鬼を辞めたの?櫂」
そう彼女は傍らの男に話しかける。
「さあな。そんなことはもう忘れたよ。」ところで、死んだ男のことだ・・・・・中国拳法の使い手だったな」
「ええ」
「そうよ」
「冷えるな」
「冷えるわね・・・・・」
「ああ」
「日向真琴さんに連絡した?」
「いや、近々(ちかぢか)会う予定だ」
「そう」
「唯、あのことすまない。」
「・・・・・・・」
「今でも悔いている・・・・」
「あんたのせいじゃないわ」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「雪ヶ谷」
「何よ、名字で」
「お前はいずれ幸せになる。そんな予感がするよ」
「うるさい!ばか」
日向櫂と言われた男はそれを聞き微笑んだ。
日向櫂と雪ヶ谷唯
この二人はこの八街市で数々(かずかず)の事件に関わり合ってきた。
彼らが探偵としてこの街に関わって三年ほどの歳月が経つ。
雪ヶ谷唯は雪ヶ谷探偵事務所の所長である。
そうしてその部下でありパートナーである、日向櫂は数々の強者と渡り合ってきた。
かつての彼は殺人鬼だった。人を殺すことを覚えて、その為に、人々の恨みを買った。
まだ彼が十八だった頃・・・・・
日向櫂は初めて、殺人を犯した。
◇◇◇◇◇◇
私の名前は雪ヶ谷唯。職業は、探偵。
。何故私の名前が唯なのかは、父に聞いても、周りに聞いても答えてくれなかった。
なぜ私が櫂の奴と、探偵をしているのかと言えば、櫂のせいが八割方ある。
最初の頃は大変だった。まだ探偵に慣れていない私と、殺人鬼上がりの櫂の奴とで、この街を守る。
それは、私と櫂の最初の頃・・・・・
まだ序章に過ぎない、この物語のファーストコンタクトだった・・・・
櫂の奴は私を困らせるし、幼い私は殺人鬼が怖くもあり、毎日が、ハプニングの今思い出せば懐かしい日々だった。
ルビ振るの大変でした。




