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あだ名

 昼前にティナたちが帰ってきた。空を走るティナと一緒にグリも泉の前に降りた。

 先日の戦いを経てグリも直接柵の中に降りることを許可されていた。


「お帰り!」

「ただいま」


 グリを降りながらアメリが答えた。

 続いてマックも降りてきた。


 アメリの後ろにはマックが乗っていた。冒険者たちが「大工がいる」と話していたから来てもらったんだ。

 人的被害もさるものながら、建物の被害も酷いもんだからな。


 当のマックは疑問顔だったけど。


「俺、ここに来て良かったのか?」

「良かったも何も、アルタミラからの要請なんだよ。とにかく人手も技術者も足りなくて……」


 ここまでこられる実力のある冒険者は限られている。

 でもその全員がDIYが得意かって言ったら、全然そんなことはないし。

 今はオレより彼らよりマックの方が絶対役に立つ。


 バルトも「頼むぞ」と激励したらマックは慌てて最敬礼した。

 駆け足で工事現場に向かったマックは冒険者たちに混ざって建物の修繕に取り掛かった。


 夕方には冒険者集団の応援が到着した。

 昨日ティナたちがエンターに手紙を届けたからだろう。


 防衛とか、食料特に穀物の運搬とか、怪我人の治療とか、やることはいくらでもある。

 やってきた冒険者たちはさっそくそれぞれの仕事に取り掛かった。




 ところで、オレとティナは単独行動だったんだが他の三人が戦っているところは大勢が目撃してた。

 そのおかげか三人にはあだ名がついていた。


 シャルは当然のように『歌姫』。

 ミラクルボイスで竜人を吹っ飛ばしまくってたらしい。


 回復にシールドにと活躍したアイラは『慈光のアイラ』。

 治癒だけでなくて例の何とかいうシールドスキルがグリのシールドをカバーして大活躍だったらしい。


 そして『人間城アメリ』だ。


「……。何ですか、それ……」


 その呼び名を聞かされたアメリは顔を赤くしてプルプル震えていた。あ、怒ってる。


「え? 歩く要塞って意味だよ」

「昔から『人は城、人は石垣、人は堀』ってな」

「アメリちゃんがいれば敵陣の真っただ中でも安心だぜ」


 冒険者たちは笑顔だった。

 この人たちからかってるわけじゃなくて、どうも本気で言ってるな? 冒険者にとっては褒め言葉のつもりのようだ。

 アメリにとっては七孔噴血ものの珍名のようだが。


 それと伝令と捜索のためにあちこちの拠点まで行った話をアメリにしたらすごい形相で詰め寄られた。


「どうして私がいないときに新しいところに行くのよっ!」

「いや、そんなこと言われても……。仕事だったんだから仕方ないだろ?」

「今からでも連れてって!」

「無理だよ、オレじゃ道がわからないし。それに当分の間閉鎖だって」

「ギニャーッ!」


 胸倉をつかんで揺さぶられても知らないよ。

 また他の冒険者に連れてってもらってよ。


 すっかりマッピング中毒だな……。

 怖いよ、アメリさん。


 まあ、元通りの日常とまではいかないが、そんなこんなでアルタミラの体裁は日々整えられて、探索拠点としての機能を取り戻していった。

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