どうだった?
アルタミラキャンプの責任者を務めるバルトは自分の部屋を持っている。
その夜バルトは自分の部屋にクレアを招いて労をねぎらった。
「引率ご苦労だった。で、本当のところはどうだった?」
ここでは貴重品のビールを勧めながらバルトが尋ねた。
「超獣がいるなら弱いはずはないだろうが、他の奴らは?」
「ま、ま。まずは駆け付け一杯ね。ング、ング……」
クレアはとりあえずビールを飲み下してから答えた。
「プハーッ! あーごちそうさま。うん、驚いた。テイマーはちょっと体力なかったけど」
「グリフォンがいるんじゃないのか?」
「マッパーが乗ってた。空からやる方が効率がいいんだって。来るときもずっと空をジグザグに走ってたし、相当広範囲をマッピングできてるんじゃないかな」
「なるほど。そのマッパーは使えそうだな。戦闘の方は?」
「それが全然エンカウントしなくて。変だと思って二番で聞いてみたら、超獣がいるとモンスターが怖がって寄ってこないんだって」
「やはりキャリーされてるだけか」
「それが三番で休んでたら走竜が襲ってきてさ」
「三番? あんなところまで走竜が来てるのか!?」
「来たの。一匹持ってきたから明日実物見せたげる。で、まずバードが何かのスキルを使ったら一発で走竜が破裂した」
「バードだと?」
「後で聞いたら[ミラクルボイス]ってスキルなんだって」
「──ミラクルボイス!」
「知ってるの?」
「滅多に使う者はいないがな……。昔ライナという冒険者がいたんだ。俺たちの一世代上の冒険者でな。その人はニンジャマスターであり、同時にバードも兼ねていた」
「そんなことあるの?」
「セカンドジョブと言って、稀に二つ目のジョブを持つ者がいるんだ。その人は歌声でロック鳥を落としてたよ。あれが使えるのか……。そりゃただ者じゃないな」
「次に超獣が飛び出して一瞬で三匹仕留めてた。超獣はさすがだね、速さも力も何もかも違うわ。三人拳まで使ってたし」
「学生で三人拳ができるのか」
「あれはジョブの強さだけにかまけないで真面目に修業してるね。もう人間じゃ勝てないんじゃないかな? で、グリフォンが残りの一匹を始末しておしまい。──ありゃ強いわ。私途中で参加するのやめて見てたもん。プリーストはやることがなかったけど、あのパーティーにいるなら相当できるんじゃない?」
「なるほど、それは期待できそうだな」
「今までに見た学生パーティーじゃピカイチだね。ただ、人間関係がちょっと……」
「内部で反目でもあるのか?」
「逆。超獣の子とバードの子はテイマーの子が好きみたい」
「ああ、そっちか」
「マッパーの子に聞いたら二股掛けてるみたいで、いつか破綻するんじゃないかって怖がってた。ああいうところから崩壊が始まるんだよね……」
「そういうことなら今後はそのテイマー次第だな」




