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強くなり過ぎたらトヘロスが最強呪文になった。

「──というわけなんですが、どうしたらいいでしょうか」


 オレたちは教官に相談した。

 以前もお世話になったダークナイトの教官だ。


「そうだな……」


 教官はあごに手を当てて考え込んでいたがほどなく立ち上がって、他の教官たちと相談を始めた。


 しばらく待った。

 ようやく帰ってきた教官は再び椅子に腰かけながら言った。


「待たせたな。さて知っての通り、この森のモンスターは奥に行けば行くほど強力になる。学生の活動範囲外まで出ればモンスターと戦闘することもできるだろう。あの地竜が逃げずに立ち向かってきたようにな」

「でも入っちゃいけないんですよね?」

「普通はな。森の中に冒険者の探索拠点がある。『アルタミラ・キャンプ』と呼ばれるところだ。そこまでの物資輸送クエストを出してやろう。毎年、実績を積んだ学生にはその許可を与えているんだ」

「でもオレたち結成したばかりで実績なんて何もないんですが」

「そうだな。今のままでは許可を与えることはできん。ティナ以外は弱いしな。──そこで教官室としてお前たちに課題を出すことにした。アメリ、お前は学生の活動範囲を全部マッピングしろ。マップが完成したら実績を認めて次の段階に進む許可を出そう」

「は、はい!」


「レイン、お前はシーフの[忍び足]スキルを身につけろ」

「なんすか、それ」

「[隠密]しながら動けるスキルだ。それがあればキャンプまでの道中も斥候を務められるだろう」

「はいッス!」


「シャル、お前はモンスターに対する攻撃手段を身につけろ。バードにも曲で攻撃するスキルがあるそうだぞ」

「わかりました」


「アイラ、お前はシールドスキルを身につけろ。プリーストには[アンチマテリアルシールド]という物理防御スキル、[ライフスフィア]という状態異常防御スキルがある。どっちも自分だけじゃなくパーティーメンバーにも使えるんだ。強敵と戦ったときの生存率を上げるためにこのふたつを覚えろ」

「はい」


「それからウィル。お前は開拓しろ」


 オレの番は最後だったが意外すぎる言葉を掛けられた。


「開拓? 何でですか。冒険と何か関係があるんですか?」

「何を言ってるんだ。冒険者と開拓者は表裏一体だぞ? ウェスタ市だって元々は森の中にあった湖を冒険者が見つけて開拓したのが始まりだ」

「え、そうだったんですか?」

「そうだとも。お前にはグリフォンがいるから弱いとは言わんが実績が足りん。お前が住んでいる寮、あそこには数年前まで開拓村があったんだ。モンスターが増えて放棄されたがな」

「そうだったんですか。でもモンスターなんて見たことありませんけど」

「グリフォンがいるから近寄ってこないんだろう。つまりお前が住んでいる限りあの村の再開発は簡単だ。木を伐るだけだからな。普通はモンスターを防ぎながらだから大変だぞ」


 簡単に言ってくれるなあ。

 オレは森に飲まれて消えた生まれ故郷のことを思い出した。木を切るのだって大変なんだが。


「元の村の範囲を形だけでも再現できたら実績として認めてやろう。おう、切った木は売っていいぞ。学生にはまだその資格がないから、形の上では学校を通して売ることになるが。許可はこっちで取っておいてやる」

「あのー、私はどうしたらいいですか?」


 最後じゃなかった、ティナがいた。

 ティナが手を挙げて尋ねると教官は再びあごに手を当てて考え込んだ。


「お前はもう強いからなー。……そうだ、『マナバースト』という技を教えてやろう。スキルじゃない、技だ。ほかにもいくつか」


 そして教官はパンパンと手を打って話を締めた。


「よし、今日はここまでだ。今のところアルタミラに送り出せそうなのはルークのところだけだからな、お前ら二番手目指して頑張れ。期待してるぞ」

 しばらくの間は強化イベントの予定です。

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