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ペガサス

 オレたちは次々とモンスターをテイムして行った。


 木々の隙間を縫って光る何かが飛んでいた。

 すれ違いざまに捕まえようと伸ばしたマルスの右手がシールドで弾かれた。


 反射的にミュールが[シールドキャンセラー]スキルを放った。

 シールドが砕け散り、同時に体ごと回転するように後ろに回したマルスの左手がそいつをがっちりキャッチしていた。


「おおー……」


 思わず全員拍手した。凄い早業だ。

 マルスはそれを山高帽のように操って大げさにお辞儀して答えた。


 マルスの手の中でジタバタしているそいつは白い羽の生えた光の輪だ。

 そうとしか言いようのない姿をしている。


 リングヘイローというモンスターだ。

 [フライ]のスキルで宙を飛び、シールドスキルや回復スキルを操る。

 単体では何の害もないが他のモンスターと一緒に出て来るとちょっと面倒臭い。


「よし、テイム!」


 オレはこいつもテイムさせてもらった。オレや仲間を守るのに役立ってくれることだろう。

 ジョブは【ガーディアン】。名前はハローにした。


 それから次にはマルファスというカラス型のモンスターをテイムした。ジョブは【スカウト】。

 こいつはたくさんに分裂できる。それにテイムしていると視界を共有できた。偵察にピッタリだな。

 名前はマルにした。


「やあ、まさか一日でこんなにテイムできるとは。みんなのおかげで助かったよ!」

「どういたしまして、だ」

「これだけでいいのか? 俺たちはまだいけるぞ?」

「もう充分だ。本当にありがとう」


 これでオレは攻撃も防御も回復もできる。ホクホクだぜ。

 オレたちは帰途についた。長いこと動いてさすがに喉が渇いたのでちょっと潤していこうとキールの泉に立ち寄ったら……。


「おい、ペガサスの群れが来てるぞ」


 先行していたマルスが泉でペガサスの群れを見つけた。


 オレはマルを飛ばした。マルの視点で枝の上から確認すると確かにペガサスたちが水を飲み、あるいは草を食べていた。

 全部オスで構成された群れだ。


 もしペガサスをテイムすることができれば移動がすごく楽になるだろう。


「あれは欲しいな……」

「やるか」


 オレたちは顔を見合わせて頷き合った。


 オレたちは静かに近寄って配置についた。

 ペガサスはどうも順番に見張り役をしているらしく、常に群れの中のどれか一頭が草を食べず頭を上げて周囲を警戒している。


 ヘルハウンドを最初にテイムできたのはラッキーだった。勢子が増えた。


「行けっ!」

「バウッ!」


 一声吠えてベルが猛然と走り出た。

 見張り役のペガサスが高くいななきを上げると草を食べていたペガサスたちは一瞬ぎょっとしたものの一斉にその場を飛び去った。


「とうっ!」


 真っ先に飛び立った見張り役のペガサスにマルスが飛びついた。

 木に登って待ち構えていたんだ。


 首にしがみついたマルスがロープを投げるとルークとレパードが端をつかんで引っ張った。

 さらにミュールの[エンチャントウェイト]がペガサスを重くしウィズの[マナドレイン]が魔力を吸い取って飛翔力を弱める。


 集中砲火だな。

 飛んでいられなくなったペガサスは急降下してなんとか着地した。


 オレは蹴られないように注意しながらペガサスの首に抱き着いた。


「ドウドウ。よし、お前オレと来い! テイム!」


 テイムが入るとペガサスはようやく大人しくなった。


「なあなあ、ちょっと乗ってみてもいいか?」


 実家は田舎だったから馬はいたけど貧乏だったから自分の馬なんて持ったことがない。

 オレはソワソワしながらルークたちに聞いてみた。


「そりゃお前の馬なんだから、好きにしろよ」

「行ってこいよ。ここでしばらく休憩してるからさ」

「サンキュー!」


 オレはペガサスに跨った。

 裸馬に乗るのは久しぶりだけどテイムしてるし行けるだろう。


「ハイヨー!」


 [魔力共有]でウィズが吸った分の魔力を補充するとペガサスの体に力がみなぎった。

 たてがみに指を絡めて横っ腹を足で締めるとペガサスは宙を蹴って走り出した。


 ペガサスは[フライ]と[エアウォーク]のスキルで滑るように空を翔ける。

 オレはあっという間に森の上空に駆け上っていた。


 こいつのジョブは【エアホース】。

 芦毛だから将来は真っ白になるだろう。まだ若くて全体に黒っぽいけど。


 額にアスタリスクみたいな白い模様があるのが特徴的だ。

 星にちなんだ名前を付けたいな……。


「よし、お前の名前はベガだ!」


 オレは高く舞い上がった。体だけでなく気分も。


 右手に学校とウェスタの町が見えた。

 左側を見れば森の果てはどこまでも遠く、緑の地平線が彼方に霞んでいた。

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