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【完結】仲間の美女3人と万能で最強のちからを手に入れました。神様にボクの「異世界アイデア」を採用された対価です。《書籍化》  作者: サアロフィア
第12章 ひとの暮らしを卒業する日

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097 王真加勢陀(オマカセダ)との交渉

???

「そうは行きません。 その魂は私が成約済みですからね。」


イウラ

「この声は、たしか。

 王真加勢陀オマカセダ


 なにしに来たのですか?」


王真加勢陀オマカセダ

「決まっているでしょう。

 わたしに、おまかせだ。

と宣言した(たましい)を回収しに来たのです。


 そこのあなたには覚えが有ります。


 青紫がワタシの名前を呼んだとき、そばにいましたよね。」


女神サトス・ルウナ

「まさか? 黄庵に悪霊がとりついたとき、青兵衛が数珠で呪文を唱えて戦ったと聞いた。

 そのときの呪文が、あなたの名前ですか?」


☆ 本物の青兵衛

☆ 「悪霊退散(あくりょうたいさん)

☆ 

☆  王真加勢陀(オマカセダ)

☆  王真加勢陀(オマカセダ)

☆  王真加勢陀(オマカセダ)

☆ 

☆ 026 青紫の商才(6)金愛同身かねあいどうしん



王真加勢陀(オマカセダ)

「ええ、その通りです。

 だから、その魂は私のものです。」


王真加勢陀(オマカセダ)は、青紫の身体から魂を抜き取った。


女神サトス・ルウナ

「返せ! その魂はボクのものだ。 誰にも渡さない。」


王真加勢陀(オマカセダ)

「正式な所有権はわたしにあります。

 そうでしょう。 シクペリア様。」


イウラ

「そうなのですか? シクペリア様。」


シクペリア

王真加勢陀(オマカセダ)の言う通りだ。

 ニュートラルの魂、つまり、影響度が1/8から4/8までの魂は彼の管轄だ。

 そして、彼の名前を唱えた魂も彼の管轄になる。」


王真加勢陀(オマカセダ)

「ありがとうございます。 シクペリア様。


 ただ、わたしも商売です。 お代、つまり、神力を払ってくれれば、お譲りします。」


女神サトス・ルウナ

「神力って、どうやれば払えるのですか?」


イウラ

「神になったばかりのルウナの神力では全く足りません。」


王真加勢陀(オマカセダ)

「シクペリア様かイウラ様なら、お支払いできますよね。

 おや、手がふさがっているようですね。


 つまり、お支払いは無理ですね。


 どうします。 必要な神力をお貸ししましょうか?

 神になられたお祝いに年利5%で、いかがですか?」


イウラ

「だめよ。 複利計算になるから、返せなくなってしまうわ。」


王真加勢陀(オマカセダ)

「わたしとしては、定期収入になって有り難いのですが。


 そうですか、お買い上げいただけないのであれば仕方ありません。

 下層の魂との入れ替え集団に、青紫さんの魂を入れましょう。

 どこまで下層に行くかは、さいころの出た目次第です。」


女神サトス・ルウナ

「ボクも神様になったのなら、探し出せるはずだ。」


王真加勢陀(オマカセダ)

「無理ですね。 青紫さんの魂が持つあらゆるちからと徳を頂いてから、つまり、身ぐるみはいでからにしますから、見つけることはできませんよ。

 河原の小石の中から、囲碁の白石を探すようなわけには行きませんよ。」


女神サトス・ルウナ

「すべての手掛かりという目印を外された魂を探すことは、何もタグが付いていない動画を探すようなものだ。 何億という魂の中から探し出せるわけがない。」


王真加勢陀(オマカセダ)

「お分かりいただけて、何よりです。

 じゃあ、借用書にサインをお願いします。」


イウラ

「待って、私が借りるわ。 ただし、貴方ではなく、ミサキから借りるわ。

 ミサキなら、わたしが払えるものを対価にしてくれるから、あなたに借りるよりはマシだわ。

 待ってなさい、王真加勢陀(オマカセダ)

 ルウナ、安心していいわ。 すぐに戻ってくるからね。」


イウラが出ていこうとしたら、ふたりの人影、いや、神影を見て、イウラは足を止めた。


第4神 未来知見の女神ミサキ

「イウラ、神力を払ってくれる神を連れてきたわ。 さあ、こちらへ。」


未来絵星号をくれたミサキが連れてきた神は、顔が白く光って見えなかった。

いや、よく見ると真っ白な顔をした【のっぺらぼう】だった。


???

「気に入る顔が無かったので、まだ容姿を決めていないのです。

 だから、【のっぺらぼう】、未設定のままです。


 さて、王真加勢陀(オマカセダ)さん。


 必要な神力はわたしが払いますから、青紫さんの魂をゆずってください。」


【のっぺらぼう】の神は、王真加勢陀(オマカセダ)に神力を支払った。


王真加勢陀(オマカセダ)

「これだけの神力を頂けるなら満足です。

 ただ、もらいすぎになるので、おまけの魂を付けます。


 お歌が大好き、良太郎の魂です。

 1つだけ欠点がありますが、きれいなこころの魂です。」


【のっぺらぼう】の神は、青紫と良太郎の魂を受け取った。


王真加勢陀(オマカセダ)

「シクペリア様、イウラ様、ミサキ様、ハルモニア様、サトス様。

 良い取引をありがとうございました。 では、失礼します。」


王真加勢陀(オマカセダ)は、満足して帰って行った。





女神サトス・ルウナ

「ハルモニアさん、ありがとうございます。」


ハルモニア

「わたしは、第12神 音楽調律の女神ハルモニアです。

 サトスさん、女神就任おめでとうございます。


 お祝いしますが、青紫さんの魂をお渡しする対価はいただきますわ。」


ルウナ

「なにをお渡しすれば良いですか?」


ハルモニア

「あなたの容姿の第1使用権をわたしにください。

 ねえ、イウラ、いいわよね。

 わたしが欲しい容姿は、目の前にあるわ。」


イウラ

「わたしがデザインした容姿を気に入ってくれることは嬉しいわ。

 でも、この容姿は、ルウナが使用中よ。」


ルウナ

「イウラ、青紫の魂を手に入れるためなら、ボクは【のっぺらぼう】でかまわないよ。

 いざというときは、へのへのもへじ と書くことにするよ。」


イウラ

「えっ? でも、それはちょっとね。」


ハルモニア

「ふたりともなにを言っているの?

 サトスさんは、青紫さんの【天祥(てんしょう)】になるのでしょう?

 青紫さんの容姿を使用すれば良いじゃないですか?


 それに、第1使用権であって、サトスさんが必要になったときは、一声かけてくれたら使用できますよ。

 もちろん、神々の会議のときはダメですけれど。」


シクペリア

「ふむ、名案だな。

 わたしと紅姫、イウラと黄花が同じ容姿を使用している。

 それなら、ルウナと青紫が同じ容姿を使用するというのは、自然な流れだ。」


イウラ

「その通りですね。 では、ルウナ。 あなたが使用する新しい容姿は、青紫と同じにしましょう。」


ボクの姿は、青紫そのものに変わった。


イウラ

「ルウナ、良く似合っているわ。」


ルウナ

「ありがとう、イウラ。」


イウラ

「待たせたわね、ハルモニア。

 あなたの希望通り、ルウナが人間だったころ使用していた容姿をあなたとあなたの天祥が使用できるように設定したわ。」


女神ハルモニアの容姿が人間だったころのボクの姿になった。


ハルモニア

「ありがとう、イウラ。」


イウラ

「こちらこそ、ありがとう。

 ミサキ、ハルモニアを連れてきてくれてありがとう。

 ミサキとハルモニアは、そのまま待っていてね。


 ルウナ、青紫の魂に神力チャージを開始しましょう。

 左手の上に載せてください。」


ボクは、左手のひらに青紫の魂を載せた。

直径8cmくらいの球体の内側に光がともった。

しばらくすると、手のひらの中に吸い込まれて消えた。


思い返せば、紅姫の魂は赤、黄花は黄色、青紫は青だった。


イウラ

「お疲れ様、ルウナ。

 300年後に、3つの魂をできるだけ近い場所と時間に転生できるようにしましょうね。」


ルウナ

「ありがとう、イウラ、ハルモニア、ミサキ、シクペリア様。」


イウラ

「どういたしまして、ルウナ。


 ところで、ミサキ、今回の助けに対する対価は、どうすればいい?」


ミサキ

「前にも言ったように、あなたの天祥がブチ切れたとき、わたしの天祥が仲裁するから聞き入れるようにして欲しいわ。」


イウラ

「その願いは、前に受けたはずだけれど?」


ミサキ

「とても大変なことだから、貸し2つ分に相当する願いと思ってくれたらいいわ。」


イウラ

「よく分からないけれど、あなたがそれでいいなら。


 さて、ハルモニアが望む対価はなにですか?」


ハルモニア

「そうですねえ、では、わたしの【天祥(てんしょう)】が危機に(おちい)ったときは、わたしの【天祥(てんしょう)】を救って必要な支援をくれるように、あなたの【天祥(てんしょう)】を動かしてください。」


イウラ

「分かったわ。 わたしの【天祥(てんしょう)】がするべき宿題が増えてきたわね。 300年後に文句を言われそうね。」


ルウナ

「イウラの【天祥(てんしょう)】なら、うまく解決すると思うよ。」





イウラ

「そう願うわ。 ところで、王真加勢陀(オマカセダ)が言い残した言葉が気になるわね。」


ルウナ

「イウラもなの、ボクも気になっているんだ。

 良太郎さんは、名前の通り、とても良いひとに見えたけれど、欠点が1つあるって言っていた。

 その欠点って、どんな欠点だろう。」


ハルモニア

「そうですね、いまから調べます。

 しばらくお待ちください。

 ・・・

 分かりました。


 良太郎さんは、なんと。」


一同は、つばを飲み込んで答えを待った。


ハルモニア

「すごい、音痴(おんち)です。 お歌が好きというのに、お歌が下手です。


 モンテマニー公爵はよく我慢できたな、と拍手したくなるレベルです。」


ルウナ

「でも、音楽調律の女神さまが指導したら、良太郎さんの音痴も治るんじゃないかなあ。」


ハルモニア

「そうですね、第6神 医療治癒の女神 イヤーシーアに相談します。」


ルウナ

「良太郎さんって、30年以上も前に亡くなったよね。

 ということは、王真加勢陀(オマカセダ)は良太郎さんの魂を30年間もキープしていたのかな。 維持費が掛かって大変だったろうに。」


シクペリア

王真加勢陀(オマカセダ)は神力儲けが生きがいだが、義理人情もあるのだ。

 儲けが減っても、多くのひとが幸せになる方を選ぶ性格だ。 そういう意味では、青紫と似ているな。」


イウラ

「ということは、青紫さんの魂から身包み()ぐ気は無かったということですか?」


シクペリア

「表向きはそうしたことにするだろうが、ルウナに支払い能力ができたころに、そっくりさんとして適正価格で売ってくれた可能性が高いな。」


ルウナ

「その話を聞いたら、王真加勢陀(オマカセダ)のことを嫌いになれないけれど、ボクが守護するひとたちには、彼の名前を呼ばせないようにしなきゃね。」


シクペリア

「いや、多くの人がいる場所では、王真加勢陀(オマカセダ)の名前を唱えさせた方が無難だ。 ひとと違う呪文を唱えると、特別なちからがあるかもしれないと、邪心をもつひとたちや成仏できない霊が寄ってきて面倒になってしまうからな。」


ルウナ

「でも、彼に払う対価は高いから危険でしょう。」


シクペリア

「支払い能力がない者には、もとめては来ないだろう。

 多くの場合、人間生を連続することはないのだから、実害は無いだろう。」


ルウナ

「では、ひとが人として生まれ変わることは、めずらしいのですか?」


シクペリア

「ああ、とてもめずらしい。 嫉妬を買って当然だというくらいにな。

 そのうち、知ることになるだろう。 だから、いまは知らなくていい。」


ルウナ

「では、モンテマニー公爵とメクバール執事は、どのような転生をされたのでしょうか?

 おふたりとも善行を積まれたと思いますが。」


シクペリア

「うーん、どう答えたものか?」


イウラ

「ルウナが女神になる前に行われた転生については、知る権利がないわ。

 教えてあげられないわ。」


ルウナ

「そうですか。 無理言って、ごめんね、イウラ。」


イウラ

「ううん、あやまらなくていいからね。」


ミサキ

「くわしくは言えませんが、もしあなたが知れば、

  「これ以上は無いないくらいの転生先だね。」

と喜ぶと思いますわ。」


ルウナ

「そうか、ほっとしたよ。」


ボクはみんなからの温かい笑顔と視線を受けて、しあわせな気持ちになった。


イウラ

「ごめんね、ルウナ。

 しあわせな気持ちに(ひた)りたい気持ちは分かるんだけれど・・・」


ルウナ

「どうしたの?」


イウラ

「ルウナには、女神としての研修を受けてもらいます。

 それと同時にあなたが望む性魔力をすべて使える状態になるために、わたしとの愛情交換を受けてもらいます。 スケジュールは詰まっているから、覚悟して頑張ってね。」


ルウナ

「お手柔らかにお願いします。」


イウラ

「ふふーん。 どうしようかなあ。」


ルウナ

「シクペリア様?」


シクペリア

「健闘を祈る。 なあに、イウラの言う通りにすれば大丈夫だから、安心すればいい。」


ルウナ

「ミサキ?」


ミサキ

「さあ、未来に異変が無いか確かめなきゃだから、失礼するわ。

 またね、ルウナ。」


ルウナ

「ハルモニアさん?」


ハルモニア

「良太郎さんの音痴って、治るのかしら?」


ボクは、みんなに見捨てられてしまった。


イウラ

「さあ、行きましょう、ルウナ。

 手取り足取り、すべてを教えてあげるわ。

 これからは、同じ世界に住むのだから、たっぷりと同じ時間を過ごせるわ。」


ルウナ

「よ、よろしくお願いします。」


ボクの女神としての生活は、始まったばかりだ。


つづく


【読者様へ】


 あなたの30秒で、この作品にパワーをください。

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