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【完結】仲間の美女3人と万能で最強のちからを手に入れました。神様にボクの「異世界アイデア」を採用された対価です。《書籍化》  作者: サアロフィア
第10章 カニング公爵との闘い

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082 使者の口上

カニング公爵の使者

「これは、これは、ひとのこころを思いやるモンテマニー公爵の言葉とは思えませんな。」


モンテマニー公爵

「ひとのこころを思いやる? ワシにはそんな余裕は無いわ。

 領民が暮らすに足る収入を確保するだけで毎日毎日いっぱいいっぱいだ。」


カニング公爵の使者

「自分さえ良ければ良いのですか? それでも、公爵様ですか?」


モンテマニー公爵

「使者殿はナニ様だ?」


カニング公爵の使者

「せっかく、わたしが注意してあげているのに受け止めようとしないなんて、なんて、心がせまい。

 失業者の300人がかわいそうと思わないのですか?」


モンテマニー公爵

「もういちど聞こうか? 使者殿はナニ様だ?」


カニング公爵の使者

「ひとの質問に答えようとしないとは、無礼ですね。」


メクバール執事

「おだまりなさい。 質問に答えていないのは使者殿です。

 あなたはナニ様ですか? 公爵様に注意できる肩書を持っているのですか?」


カニング公爵の使者

「ひとの質問に答えないなんて、無礼ですね。

 失業者の300人がかわいそうと思わないのですか?

 と聞いているのに答えようとしないではないですか?」


メクバール執事

「話になりませんね。


 あなたにも分かるように説明してあげます。

 カニング公爵とモンテマニー公爵は同じ地位です。


 使者殿は、カニング公爵の下の下の下です。


 あなたが直接公爵様と会話をするだけでも無礼中の無礼です。

 それさえも分からずに、公爵様に説教しようとは何事ですか?


 いいえ、その説教の内容でさえ、自分の領地の負債を他の領地に押し付けようとする自分勝手なものです。


 理解できたのなら、謝罪しなさい。」


カニング公爵の使者

「だから、失業者300人を受け入れたらいいでしょうが!


 人の道を説いてあげているのに、感謝こそされ、謝罪しろ!と言う方がおかしい。

 自分が言ったことに責任を取れるのか?」


モンテマニー公爵

「もういちど聞こうか? 使者殿はナニ様だ?」


カニング公爵の使者

「ひとの質問に答えようとしないとは、無礼ですね。」


モンテマニー公爵

「いつまで続けるつもりだ!」


カニング公爵の使者

「だから、失業者300人を受け入れたらいいでしょうが!」


メクバール執事

「話になりませんね。


 あなたにも分かるように説明してあげます。


 これ以上、続けるつもりなら、次の段階に行きますよ。」


カニング公爵の使者

「こっちの質問に答えろよ!


 失業者の300人がかわいそうと思わないのですか?

 と聞いているのに答えようとしないではないですか?」


メクバール執事

「話になりませんね。

 どうしてやりましょうか?」


モンテマニー公爵

「もうよい! メクバール、わしのこころは決まった。」


カニング公爵の使者

「いつまでも反論しやがって、最初から言うことを聞いていれば時間が無駄にならなかったんだぞ。

 子供みたいに駄々をこねやがって。 なにが気に入らないんだ。」


モンテマニー公爵

「なぜ、カニング公爵があなたを使者に選んだか分かっているのか?」


カニング公爵の使者

「それは、わたしが賢くて交渉力に富んでいるからです。

 ようやく分かりましたか。 被害妄想もいい加減にしろ。」


モンテマニー公爵

「まれに見る愚物だな。 久しく見なかった分類だ。

 メクバール、カニング公爵がどのような御方かもう一度言ってくれないか?」


メクバール執事

「非常に合理的な考え方をする御方です。」


カニング公爵の使者

「やっと話が通じたな。 その通りだ。 だから、ワタシが使者に選ばれたのだよ。」


モンテマニー公爵

「本当に話にならない。

 ひとの言い分には聞く耳を持たず、一方的に自分の主張だけを繰り返す。


 断られたら、譲歩策を探り合うべきなのに、自身の地位も立場もわきまえず、強い言葉を使って相手を黙らせて、自分の意のままにひとを操らなければ気が済まない。」


カニング公爵の使者

「注意してもらって、なんだその態度は。」


カニング公爵の使者は、震え出した。

モンテマニー公爵が【怒気当て】を放ったからだ。


モンテマニー公爵

「わたしの話をさえぎるな。


 あなたには理解できないだろうが、黙って聞いておけ。


 この言葉は、あなたのために言っているのではない。

 ワシの部下たちに説明するために言っているのだ。」


カニング公爵の使者

「・・・」


モンテマニー公爵

「カニング公爵は、この要求をワシが拒絶すると既に分かっている。」


カニング公爵の使者

「だから、カニング公爵様はワタシに交渉をまかせたのだ。」


モンテマニー公爵

「カニング公爵との交流は、百害あって一利なし だな。」


カニング公爵の使者

「自分の言葉に責任を持てよ!


 お前の言葉を、カニング公爵様に伝えたら、どうなるのか分かっているんだろうな。」


カニング公爵の使者は、震え出した。

モンテマニー公爵が再び【怒気当て】を放ったからだ。


モンテマニー公爵

「わたしの話をさえぎるな。

 とは言え、理解できそうにないな。

 メクバール、護衛たちに口を閉じさせるように命じてくれ。」


メクバール執事

「騎士の皆さん、お願いします。」


騎士に抑えられた使者のくちに丸めたタオルが押し込まれた。


カニング公爵の使者

「・・・」


モンテマニー公爵

「カニング公爵は、この要求をワシが拒絶して、使者の首を刎ねて送り返すことを期待している。

 だから、いなくなっても構わない者を、いいや、【いなくなって欲しい貴方】を使者に選んだのだ。」


カニング公爵の使者

「ふにゃや、ほほは ふあふへはい。」


モンテマニー公爵

「そんな ことは ありえない。か?


 わしなら、あなたのような者を使者に選んだりはしない。


 正しい礼儀作法でお願いすれば、相手がしぶしぶでも言うことを聞いてくれそうな要求であっても、断られてしまうからな。


 今回のあなたのワシに対する無礼の代償は、カニング公爵から払ってもらうとしよう。


 いや、絶対に払おうとはしないだろう。 だから、あなたの貯金から払ってもらうことにしよう。

 すまん、あなたの貯金が足りない場合は、親兄弟から取り立てさせてもらうことにする。」


カニング公爵の使者

「ほへんははい。 ふふひへほははひ。」


モンテマニー公爵

「ごめんなさい。 ゆるしてください。か?


 自分の言葉に責任を持てよ! と言ったのは誰だったかな?」


カニング公爵の使者

「ほほはほふぁはふふ。」


モンテマニー公爵

「言葉のあやです。か?


 あなたの言葉はすべて、あなたに刺さるブーメランだったな。

 あなたが言われたら痛い言葉かもしれないが、ワシには痛くはなかったぞ。


 ワシの名前は、モンテマニーだ。 お金のことしか考える気は無い。


 メクバール、いつもすまんな。


 成敗!」


使者の首が刎ねられた。


メクバール執事

「いやはや、腕が鈍ってしまったようです。

 3回もかかってしまいました。」


騎士たち こころの声

『わざとだ! と言ったら、恐ろしい目にあわされそうだ。

 まあ、わたしたちも3回くらいかけるだろうなあ。』


使者の首はカニング公爵領に送り届けられた。





カニング公爵領


カニング公爵

「モンテマニーは賢いが甘いな。」


部下

「どういうことでしょう。」


カニング公爵

「ボクの考えを読み切っているなら、首を斬らずに帰らせれば良かったのだ。

 そうすれば、ボクを困らせることが出来たものを。 お人よしだな。」


部下

「ますます分かりません。 どういうことでしょう。」


カニング公爵

「もっともやっかいな敵は、敵国の優秀な人材ではなく、自国の【賢いと思い込んでいるバカ】だからな。

 あの使者がいなくなってくれたら、こちらは大助かりだ。


 御礼の品を送っても良いくらいの働きを、モンテマニー公爵はしてくれた。」


部下 こころの声

『やはり、カニング公爵様は、私たちのことを将棋の駒としか思っていないようだ。

 容姿を除けば、モンテマニー公爵さまの方が良い領主様かもしれないな。』


つづく


【読者様へ】


 あなたの30秒で、この作品にパワーをください。

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