080 ゴールデンタッグ復活
【ギルドプレート製造工場】の執務室
モンテマニー公爵
「メクバール、あとは中立の騎士だけだな。」
メクバール執事
「そうですね。」
モンテマニー公爵
「あやつさえ居なければ、良太郎は逃げる決断をしたはずだ。 あのような味方のふりをした敵は、敵よりも優先して退場してもらわねばならん。」
メクバール執事
「おっしゃるとおりです。」
モンテマニー公爵
「メクバール、地下室についてだがな、あと1回、中立の騎士と話をするときに使っても良いかな。」
メクバール執事
「ダメでございます。」
モンテマニー公爵
「そこをなんとか?」
メクバール執事
「ダメでございます。」
トントン、ドアをノックする音がした。
メイド
「失礼します。」
メクバール執事
「なにかあったか?」
メイド
「それが、中立の騎士という御方が来られたのですが、いかがいたしましょうか?」
モンテマニー公爵
「ようやく来たか、待ちかねたぞ。」
メクバール執事
「公爵様、怖いですよ。 笑顔で油断させないと。」
モンテマニー公爵
「そうだったな。 良太郎の名誉を回復する方が大事だからな。
応接室にお通ししてくれ。」
メイド
「かしこまりました。」
◇
【ギルドプレート製造工場】の応接室にて
中立の騎士
「お初にお目にかかる、ワシの名は・・・」
モンテマニー公爵
「中立の騎士様ですな。 良太郎とのゴールデンタッグが復活すれば、【ギルドプレート製造工場】は、安泰ですな。 お越しいただき感謝いたしますぞ。」
中立の騎士
「おお、ワシの値打ちを分かる方が、この工場の事務方でなによりですな。」
こころの声
『モンテマニー公爵様に向かって、なんたる無礼を。 しかし、公爵様が満面の笑みで耐えていらっしゃる以上、わたしが我慢できなくて、どうしますか?』
モンテマニー公爵
「来ていただいたばかりで恐縮ですが、中立の騎士様から工場のみんなに、良太郎様の素晴らしさを説明して頂けないでしょうか? そして、中立の騎士様の後ろ盾があってこそ、良太郎様の策も活きたと、うかがってますぞ。」
中立の騎士
「うむうむ、鉄は熱いうちに打てと言いますからな。」
メクバール執事
「では、こちらで衣装のお着替えをお願いします。」
中立の騎士
「うむ、案内いたせ。」
◇
【ギルドプレート製造工場】の体育館兼講堂にて
メクバール執事
「みなさま、お集まりいただきありがとうございます。
こちらにいらっしゃる御方は、中立の騎士さまです。
【ギルドプレート製造工場】の黄金時代を良太郎様とのゴールデンタッグで築いてこられた偉大なお方です。」
中立の騎士
「ただいま、ご紹介に預かりました中立の騎士でございます。
良太郎とわたしが戻ってきたからには、【ギルドプレート製造工場】の黄金時代が復活することは、火を見るより明らかです。 みなさん、ご安心ください。
良太郎とわたしの数々の実績をご紹介いたしましょう。」
中立の騎士の演説は、30分間つづいた。
◇
モンテマニー公爵の屋敷の晩餐室に、中立の騎士は招待されていた。
中立の騎士
「おお、これは失礼をした。 公爵様でございましたか。」
モンテマニー公爵
「去年、代替わりをしましてな。 今では、ワタシが公爵を継いでおります。」
中立の騎士
「おお、それでは、モンテツワモ公爵はお隠れになられたのですか。 お悔やみ申し上げます。
とすると、公爵様のとなりの席は、どなたが来られるのですか?」
モンテマニー公爵
「わしの親友にして、中立の騎士様の後ろ盾を受けて活躍していた良太郎です。」
中立の騎士
「おお、なつかしい。 良太郎に会うのは久しぶりになります。」
モンテマニー公爵
「良太郎は来るのが遅れるので、先に食事を済ませましょうか?」
メクバール執事
「では、最高級のワインをどうぞ。」
中立の騎士
「おお、いただこう。」
30分後・・・
中立の騎士
「うむうむ、最高の晩餐でしたぞ。良太郎はいつもこんな食事をしているのですか?
うらやましいですな。」
モンテマニー公爵
「良太郎は、ほとんど食べませんよ。」
中立の騎士
「なんともったいない。 また、なにかくだらないことで悩んで時間を無駄にしているのでしょうな。」
モンテマニー公爵
「良太郎の悩みの原因は、あなたの裏切りだがな。」
中立の騎士
「なにを言っているか分かりませんな。 ぎゃあ。」
メクバール執事
「どうされましたか? よく聞き取れませんでした。 もう一度、おっしゃってください。」
中立の騎士
「なにをするか? わしになにかあったら、良太郎が文句を長々というぞ。」
モンテマニー公爵
「良太郎は、なにも文句を言わないと思うぞ。」
中立の騎士
「だったら、良太郎をここに連れてこい。 うそつきが。」
モンテマニー公爵
「メクバール、良太郎をここへ。」
メクバール執事
「お連れしております。」
モンテマニー公爵
「さすがだな。」
中立の騎士
「なにを言っている、どこにいると言うのだ。 良太郎が幽霊や透明人間になったとでも言うのか? 上段はよせ。」
モンテマニー公爵は、メクバール執事がふところから取り出したものを受け取った。
モンテマニー公爵
「お前の裏切りで、良太郎はこんな姿になったぞ。」
モンテマニー公爵は、良太郎の位牌を中立の騎士に見せつけた。
中立の騎士
「じゃ、じゃあ、良太郎が工場長になったという話は噓だったのか?」
モンテマニー公爵
「ウソではないぞ。工場長は良太郎だ。組織票に名前が載っているだけの名誉職だがな。実務は、良太郎が残した引き継ぎ書をもとに、メクバールと私が工場を運営しているがな。」
メクバール執事
「では、良太郎さまのこころの痛みを中立の騎士様にお伝えしましょう。」
中立の騎士
「ぎゃ。」
モンテマニー公爵
「どうしたのだ。 最後の晩餐は豪華だったのだから、元気な声を出して欲しいものだな。」
モンテマニー公爵は、中立の騎士に笑顔を向けた。
メクバール執事
「良太郎さまの最後の食事は、砂糖水でした。 長い間眠りについていて、食事を取れなかったからです。」
メクバール執事は、中立の騎士を切りつけた。
中立の騎士
「わしは、わしは悪くない。 助けてくれ。 熱血教師に嫌われた良太郎がすべて悪いのだ。」
メクバール執事
「左様でございますか?」
メクバール執事は、中立の騎士を切りつけた。
中立の騎士
「わしは、わしは悪くない。 こんな卑怯なことをして恥ずかしくないのか? 恥を知れ!」
モンテマニー公爵は、中立の騎士を踏みつけた。
モンテマニー公爵
「自分の主張を繰り返すだけで、聞く耳を持たないとはな。 紳士的な振る舞いからはほど御遠いな。 お話にならない。 地獄へ帰れ! わしも後で行くから待っていろ。
メクバール、成敗!」
メクバール執事は、無言でとどめを刺した。
モンテマニー公爵
「良太郎よ、たとえワシが地獄に落ちようとも、お前の願いは果たすからな。
「この大地に平和を取り戻してみせる。」」
翌朝、中立の騎士は、【ギルドプレート製造工場】の成功を信じて旅立ったと、工場のみんなに発表された。
つづく
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