076 旅館の女将の手紙
ルナたちは、モンテマニー公爵が待つ屋敷に戻ってきた。
メクバール執事
「おお、ルナ様、紅丸様、黄庵様、青兵衛様。 ご無事のお戻り、なによりです。 公爵様を呼んでまいります。」
メクバール執事は、バタバタバタと駆けて行った。
3分後・・・
ドタドタドタという足音が聞こえてきた。
モンテマニー公爵
「おお、みんなも無事だったか? 良かった。」
ルナ
「ご心配をおかけしました。 皆様も無事で良かったです。」
モンテマニー公爵
「うむ、わしは、メクバールを始めとする優秀な部下たちのおかげで、大事なかったぞ。 なにしろ、メクバールを始めとするワシの部下たちは、このわしの素晴らしい目、素晴らしい鼻、素晴らしい耳で厳しく審査したからな。 ワシのように素晴らしい部下であり仲間に恵まれた公爵は非常に稀だとおもうぞ。まれというかスーパーレアだな。」
10分後・・・
メクバール執事
「公爵様、その、とても嬉しいのですが、そろそろ席に座って食事にしませんか? ルナ様たちの疲労回復のためにも必要なことです。」
モンテマニー公爵
「まだ、1分くらいしか語ってはいないぞ。」
メクバール執事
「公爵様の体感時間は1分間かも知れませんが、時計は10分進んでいます。」
モンテマニー公爵
「そうであったか。 では、続きは食事をしながら、説明しよう。」
メクバール執事
「お気持ちは大変うれしいのですが、次の機会にお願いします。 もう胸いっぱいに満たされましたから。」
モンテマニー公爵
「小さな胸だのう。」
モンテマニー公爵は、ゆっくりとボクの方に振り返った。
ルナ
「公爵様、どうされました?」
ボクは、訳が分からなかったので、とりあえず微笑んでおいた。
モンテマニー公爵
「い、いや、何でもない。 ルナ殿は将来それはそれは美しい女性に成長するだろう。」
ルナ
「??? ありがとうございます。」
ボクたちは、食堂に案内された。
◇
ルナ
「公爵様、宿泊招待券ありがとうございました。 青兵衛、公爵様にお渡しして。」
青兵衛は、温泉まんじゅうの箱をモンテマニー公爵に手渡した。
青兵衛
「とっても美味しい饅頭でした。」
モンテマニー公爵
「おお、5箱はあるではないか、ワシの大好物じゃよ。」
モンテマニー公爵は、食事前にもかかわらず、箱を開け始めた。
ルナ
「お待ちください。 旅館の女将から手紙を預かっています。 黄庵、公爵様にお渡しして。」
黄庵
「どうぞ、こちらです。 女将は、モンテマニー公爵のことをご存じのようでした。」
モンテマニー公爵
「ほう、覚えてもらえていたとは嬉しいことだな。」
モンテマニー公爵は、手紙を開けて、読み始めた。
旅館の女将 手紙
「モンテマニー様、お久しぶりです。
私が住む町のことを覚えていてくださって、嬉しく思います。
わたしがお渡しした宿泊招待券の番号からモンテマニー様の関係者だと分かりました。
そして、ルナ様が【モンテマニーの紋章】を天高く掲げられたとき、あなたに贈った折り紙の鷹が輝いていました。 わたしとの思い出を覚えてくださっていて、とても感動しました。 わたしの娘も大人になるくらいですから、月日の流れも速いものですね。 あなた様が無事に公爵を継ぐことが出来て嬉しく思うとともに、お祝い申し上げます。 おめでとうございます。
最期に、あなたへと渡した大好物の温泉まんじゅうですが、1日1個までにしてくださいね。 それから、一人で食べようとせずに、部下の方々に分けてあげてください。
そして、まだまだ食べたりないと思ったときは、わたしに会いに旅館まで来てください。
近いうちに会える気がします。 志乃」
モンテマニー公爵は、目頭を押さえて泣いていた。
モンテマニー公爵
「思い出は美しいままが良いと思ったのだが、また会う機会があればと思ってしまうな。」
モンテマニー公爵
「メクバール、すまんが、5箱のうち4箱は、屋敷の皆に配って欲しい。 足りそうか?」
メクバール執事
「少し足りませんので、5箱目からも半分ほどください。」
モンテマニー公爵
「おお、そうか。 ワシたちが食べる分は、どれくらい残りそうだ?」
メクバール執事
「ひとり2個ずつですね。 部下たちには、ひとり1個ですね。」
モンテマニー公爵
「すまんが配りに行ってくれるか?」
メクバール執事
「わたしが配るよりも、公爵様からの方が部下たちは喜ぶと思います。」
モンテマニー公爵
「そうか、ではそうしよう。 ルナ殿たちは、ここで待っていてくれ。 30分くらいでもどる。」
メクバール執事
「メイドたちにも配りますから、しばらくご不便掛けます。 ここにあるお菓子で腹の虫を押さえていてください。」
ルナ
「そうですね。 おふたりから渡されたら、もったいなくて食べられなくなると思います。 だから、すぐ食べるようにと声をかけてあげてくださいね。」
メクバール執事
「ははっ、おっしゃる通りですね。」
モンテマニー公爵
「メクバールはワシが渡したものを腐らせたことがあるのか?」
メクバール執事
「1時間ほど眺めてから、美味しくいただきました。」
モンテマニー公爵
「それなら、良いのだが。 では、行ってくる。」
モンテマニー公爵は、女将の手紙をふところにしまってから出て行った。
ルナ
「いってらっしゃーい。」
つづく
【読者様へ】
あなたの30秒で、この作品にパワーをください。
「ブックマーク」(2点)と、広告下(↓)の【見えない場所】にある「☆☆☆☆☆評価」(2~10点)を待っています。




