006 月夜と書いてルナ誕生 (6)ギルドへ行こう
ボクは目を覚ました。
いつもの見慣れた光景だった。
ボクは自分の部屋にいた。
夢を見ていたようだ。
ボクは身支度を済ませて、ドアを開けた。
いつも通りカギを閉めて、ふり向くと見慣れないドアがあった。
表札は「紅姫」と書かれていた。
ボクが今出てきた部屋の表札を見ると、「月夜」と書かれていた。
他にも同じような表札を2つ見つけた。
「黄花」、「青紫」
と書かれていた。
ノックをしても返事がない。
ドアにはカギが掛かっていて、開かなかった。
仕方ないので、大きい方の玄関に進んだ。
外に出ると、見知らぬ草原に出た。
自動音声
「カギの所有を確認しました。
あなたの体内にカギを収納します。
これで、落とす心配はありません。
家を異次元に退避させます。
空き巣の心配もいりません。
家に戻りたいときは、
ママ、ただいま。
と言ってください。
家から出るときは、
ママ、行ってきます。
と言ってください。」
ルナ
「イウラの声じゃないわね。
さすがに、家の出入りでいちいち呼びつけられたら大変よね。
家に戻れるかどうか確認しましょう。
ママ、ただいま。」
自動音声
「おかえりなさい。」
目の前にドアがあらわれて、中に入れた。
ルナ
「せっかくだから、少し食べて飲んでトイレを済ませましょう。」
しばらくしてから・・・
ルナ
「ママ、行ってきます。」
自動音声
「行ってらっしゃい。」
ドアが消えた。
ルナ
「さあ、ギルドに行こう。
道はこっちだな。」
◇
しばらく歩くと、12人ぐらいの集団に囲まれた。
大男たち
「ねえちゃん、背負っている荷物を寄こしな。
おとなしくすれば、かわいがってやるよ。」
ルナ
「いりません。
失礼します。」
大男たちに、取り囲まれた。
大男のリーダー
「ねえちゃんに分かるように説明してやろう。
並の男性の強さを10としよう。
おれは、18だ。
そして、ここにいる残りの11人は、12~14の強さだ。
おねえちゃんの強さは、8の強さだ。
どうだ。
かなわないと分かったら、おとなしく荷物を差し出して、言うことを聞けや。」
ルナ
「お断りします。」
大男たち
「きれいな顔を二度と見れないようにしてやるよ。」
イウラ《ガイド音声》
「ルウナ、能力向上呪文 【トゥート】 を唱えて!」
ルナ
「イウラ?」
イウラ《ガイド音声》
「そうよ。 急いで。」
ルナ
「能力向上呪文 【トゥート】」
ボクの力が3倍になった手ごたえがある。
大男たちの攻撃をすばやく避けることができた。
ボクの打撃と蹴り、投げの前に敵は次々《つぎつぎ》と倒れていった。
ルナ
「すごい。 ボクじゃないみたいだ。」
イウラ《ガイド音声》
「当たり前よ。
普通の人間は、30%のちからしか発揮できないわ。
能力向上呪文 【トゥート】をとなえたルウナは、3倍の90%のちからを発揮できたのよ。
それから、ご要望通り 【トゥート】 と、唱えるだけで発動できるわ。
だけど、敵をだますためにも、指ポーズまたは 能力向上呪文の枕詞は付けるようにしてね。」
ルナ
「ありがとう。 イウラ。」
大男のリーダー
「なぜだ。 なぜ、俺より強いんだ。」
ルナ
「あなたたちは30%のちからしか引き出せない。
それに対して、わたしは戦うときは、90%のちからを引き出せる。
18 と 8かける3 のどちらが大きいかわかるか?
18 と 24 のどちらが大きい?
と聞いた方がいいか?」
大男のリーダー
「そんなことができるのか?」
イウラ《ガイド音声》
「ルウナ、とどめを刺しなさい。
連中は丈夫だから気を失っただけよ。
このまま放置したら、ほかの犠牲者が出てしまうわ。」
ルナ
「わかった。
そうしよう。」
ルナは、大男のリーダーの剣を奪って、12人全員の首筋を斬りつけて、とどめを刺した。
イウラ《ガイド音声》
「ルウナ、連中の装備をすべて剥ぎ取りなさい。
あなたのベルトについている小さなポーチから戦利品用の背負い袋を出してしまいなさい。
小さなポーチがマジックボックスだけど、人前で使ったらだめよ。
ライトノベルの主人公のように能力を見せびらかしたら、命がいくつあっても足りないわ。」
ルナ
「わかった。
討伐証明は、どの部位を持ち帰ればいいかな?」
イウラ《ガイド音声》
「彼らが首から下げている冒険者証を集めればいいわ。」
ルナ
「便利なものがあって良かった。
首を切り落とせと言われたら、大変だったわ。」
イウラ《ガイド音声》
「なんとかなって良かったわ。
またね。 ルウナ。」
ルナ
「ありがとう。イウラ。」
イウラ《ガイド音声》
「いいってことよ!」
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