057 平等ではない、不良は除去せよ
翌朝、ボクは、小さな盾バッジを鳴らした。
モンテマニー侯爵の屋敷にあるメクバール執事の執務室で、大きな盾の親機が鳴っていた。
大きな盾の親機
「おーい、呼んでるぞー!
あっ? ボクだ。」
メクバール執事
「はい、メクバールです。
ルナさん、お待たせしました。」
ルナ
「おはようございます。 ルナです。
メクバールさん、モンテマニー公爵様に頼まれた件の報告書が出来ました。
報告するために、お屋敷に伺いたいのですが、ご予定はいかがですか?」
メクバール執事
「ルナさん、深刻な状況のようですね。」
ルナ
「さすがは、メクバールさん。 まるで、こちらの状況を見ておられるかのようですね。」
メクバール執事
「ええ、なんとなく分かります。 執事をして長いもので。
本日のお昼ごはんをいっしょにいかがですか?
公爵様は、食後1時間くらい食休みをされますから、そのときに報告されてはいかがですか?」
ルナ
「お忙しいスケジュールに割り込ませてくださり、感謝します。」
メクバール執事
「いえいえ、モンテマニーも結果を早く知りたいでしょうから、問題ございません。」
ルナ
「それでは、お昼ごはん前の11:50に玄関のベルを鳴らしますので、よろしくお願いします。」
メクバール執事
「では、お待ちしています。」
ルナ
「ありがとうございます。 では、後ほど。 失礼します。」
大きな盾と小さな盾の通信が終わった。
メクバール執事 こころの声
『ルナ様は、ビジネスライクな話し方も出来たのですね。
意外です。 深刻な内容になりそうですね。
公爵様に、お伝えしなくては・・・』
◇
昼11:50 公爵の屋敷のベルが鳴った。
メクバール執事
「お待ちしていました。 ルナ様、紅丸様、黄庵様、青兵衛様。」
ルナ
「お時間を割いて頂き、感謝します。」
メクバール執事
「どうぞ、こちらへ。 公爵様もお待ちです。」
食堂に入ると、モンテマニー公爵が待っていた。
モンテマニー公爵
「ルナ殿、【2位興国大学】の調査ご苦労であった。
早速、報告に来てくれて嬉しく思う。
しっかりと時間を掛けて知りたいので、まずは昼食を済まそうではないか?
いつものように落ち着いた雰囲気の中での食事にはならないが我慢して欲しい。」
ルナ
「いえ、こちらこそ、すぐに予定を入れてくださり感謝しています。」
紅丸、黄庵、青兵衛 こころの声
『こんなに真面目そうな話し方をする二人には違和感しか感じない。
いつものお気楽娘は、ただの演技だったのかと思ってしまう。』
いつもと違った静かな昼食だった。
◇
モンテマニー公爵
「では、本題に入ろうか? 報告書をもらえるか?」
ルナ
「はい、公爵様。青兵衛、公爵様にお渡しして。」
青兵衛は、カバンから報告書を出して、メクバール執事に手渡した。 メクバール執事は、それをトレーで受け取り、モンテマニー公爵に手渡した。 いつもなら、ルナが直接モンテマニー公爵に手渡している。 そうしない理由はただ一つ、正式な報告書だからだ。
モンテマニー公爵は、読み終わったページを、メクバール執事に渡しながら報告書を読んだ。 1ページ読むごとに、表情が険しくなっていく。 メクバール執事も冷や汗をかいていた。 読み終わったモンテマニー公爵は、ルナたち全員の顔を見ながら、言葉を発した。
モンテマニー公爵
「ルナ殿の推測を信じて、4人とも【教師の称号】を得てくれたことが証明になるな。
本当に、ご苦労だった。」
ルナ
「もったいないお言葉です。」
モンテマニー公爵
「仕事を依頼した者の礼儀として、その苦労をねぎらうことは最低限の礼儀だと思っている。
だが、ここからは、感情を爆発させてしまいたい。 見苦しいところを見せるが、わしのことを小物と笑わないで欲しい。」
ルナ
「心得ております。」
モンテマニー公爵は、大きく息を吸い込んだ。
モンテマニー公爵
「なんだ、この連中は? 神にでもなったつもりか? 他人の人生を踏みにじる特権など与えた覚えはないわ。 庭の雑草のように、生徒を扱うとは何事だ。 思いあがるのもたいがいにせい。 ふーっ、ふーっ。」
モンテマニー公爵は、顔を真っ赤にして、怒り狂っていた。
モンテマニー公爵
「ひとは生まれながらにして平等だと教えることが間違っているだと? 税金計算士ごときが思い上がりおって。 教師はいつからイジメを許可された存在になったのだ。 イジメの的を決めて団結することが重要だと? ふざけてんのか? 不良は除去せよだと? わしがチビでデブで不細工だからと、お前らに迷惑を掛けたというのか?
しかも、いじめを見て止めようとしたら、不合格。 いじめが有ったことを報告したら、不合格。 逆ではないか? 問題を見て見ぬふりする方が問題だろうが? そんな環境で育てられた子供が大人になったら、領地が破滅してしまうわ。 たわけが。 熱血教師は一体、なにに熱血しておるのだ。」
メクバール執事
「お父上のモンテツワモ様がお考えになりそうなことですな。 強ければ正しい。 弱ければ間違っている。 まさか、ここまでエスカレートしているとは思いもしませんでしたが。」
モンテマニー公爵
「謙遜はやめろ。 メクバール。」
つづく
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