052 公爵様に、おみやげを
夜17:50 モンテマニー侯爵の屋敷の玄関にて
ルナ
「ピンポーン、ピンポーン。」
紅丸
「ルナ様、くちで言うよりも、この呼び鈴を鳴らしましょう。」
紅丸が呼び鈴を鳴らすと、メクバール執事が出てきてくれた。
メクバール執事
「お待ちしていました。
さあ、こちらへどうぞ。
それで、スペシャルゲストの方はいったい?」
ルナ
「エメラルドドラゴンさんのイベント責任者さんです。
イベント事故の責任をとらずに、部下を大声で怒鳴りつけてきたから、連れてきました。」
メクバール執事
「さようでございますか?
晩ごはんは、スペシャルゲストの分も、ご用意しています。」
ルナ
「ありがとう。 メクバールさん。
責任者さん、よかったね。
最後の晩餐は豪華だよ。」
エメラルドドラゴンさんのイベント責任者
「ははは。」
悲痛そうな顔している気がするけど、気にしすぎだよね。
◇
メクバール執事
「公爵様、本日もお疲れ様です。
今夜の晩御飯は、お客様がお見えです。」
モンテマニー侯爵
「客に愛想をふりまく余裕はないぞ。」
メクバール執事
「商談の相手というよりは、孫の相手をするような気分で良いかと存じます。」
モンテマニー侯爵
「ワシに孫はおらんわ。
まあいい。
無愛想な態度をとってしまうが、メクバールが大変だぞ。」
メクバール執事
「問題ございません。」
モンテマニー侯爵が食堂に入ると、明るい声が聞こえてきた。
ルナ
「モンテマニー侯爵様、お招きありがとうございます。
お元気でしたか?」
モンテマニー侯爵
「おお、ルナ殿か?
ずいぶん久しいな。
元気そうで何よりじゃ。」
ルナ
「はい、ルナは元気です。
紅丸、黄庵、青兵衛も元気だよ。
そうそう、公爵様にお土産があります。
あっ、メクバールさんの分もあるからね。
ジャーン、エメラルドドラゴンさんの鱗を1枚さしあげます。
ボクたちがイベントで手に入れたんだよ。
そして、こちらは、おいしいお菓子の【ろんろん焼き】です。
お屋敷のみなさんにも食べてもらいたくて、多めに買ってきました。
メクバールさん、お手数ですが配ってあげてくださいね。
公爵様とメクバールさんは、ボクたちと晩御飯のあとで、いっしょに食べようね。」
ルナは、すごい勢いで、モンテマニー侯爵に話しかけていた。
モンテマニー侯爵 小声
「ふっ、孫か、そうかもしれんな。」
ルナ
「えっ? 公爵様、なにか言いましたか?」
モンテマニー侯爵
「こんなにたくさんのみやげをもらって、うれしいな。と言ったのだ。」
ルナ
「そういって、もらえてうれしいです。」
それから、ルナは笑顔を止めて無表情で、公爵様につたえた。
ルナ
「あとですね。
エメラルドドラゴンさんのイベント責任者さんです。
イベント事故の責任をとらずに、部下を大声で怒鳴りつけてきたから、連れてきました。」
モンテマニー侯爵
「そうか、ルナ殿、ありがとう。
責任者殿、いっしょに晩御飯を楽しもうではないか?
そのあと、ゆっくりと時間をかけて話を聞かせてもらおう。」
青兵衛 こころの声
『仕事のONとOFFで、ここまで態度を変えるルナと公爵様は、ある意味、似た者同士ね。』
ルナ
「公爵様、今夜の食事も美味しいですう。
うーん、公爵様のグレープジュースは最高ですう。」
モンテマニー侯爵
「そうかそうか、では、しぼりたてオレンジジュースも飲むがいい。
砂糖なしでも飲める微かな甘さと酸っぱさが絶品だぞ。」
ルナ
「ぜひ、飲ませてください。」
晩ごはんは、なごやかな雰囲気で進んだが、イベント責任者は食事がのどを通りにくい様子だった。
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