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何故か女の子に絡まれます

「あなた!二年前銭湯で私の胸をを触りましたね!」


 彼女は俺に向かってッビシっと人差し指で指して言い放つ。

 この人痴漢ですーっと言うみたいに言うなよ。


「あのー。何か人間違いかと?僕達は初対面のはず」

「忘れたとは言わせません。あの時、私の身体に巻いていたバスタオルをひん剥いて、あろうことかわ、私の胸を触ったことを忘れたとは言わせません!」

「あなたそんなことしたの?」

「うーん、やった覚えがないし、身に覚えもない。やっぱり初対面だよ。たぶん」


 うーん、二年前か。俺が女の子になるのに目覚めた年か。何がきっかけで女の子になることになったのかもう忘れてしまったからその時何をしていたか思い出せない。


 その年で印象的だったことは、確か超能力に目覚めたのも二年前だったな。目覚めてから調子に乗って好き放題していたから誰かに何かをしたかまでは全く覚えていない。

 後は小学生にの女の子と無人島で遊んだことぐらいしか覚えていない。


「ごめんなさい。あなたのこと何も覚えていないわ」


 女の子みたいに言って首をかわいらしくコテンと曲げてみた。

 女生徒の制服を着て、女子高生になっているからそれらしく振舞ってみたが、これはこれで癖になるな。


「うそ!あの時私の胸にあった手術痕を消したのはあなたじゃないの?!」

「あなたそんなことできるの?」

「できない。普通はできないと思うよ。だって僕は普通の女の子だよ。できたら奇跡をおこす少女で祭り上げられていると思うの」


 俺は平気で嘘をついた。

 傷跡程度なら簡単に消せるし、俺は普通の女の子じゃない。今は身体的に女の子だけど。

 二年前から今にかけて、怪我人から障害を背負った人を数えきれないほど治してきた。その中に目の前の少女がいるだけのことだろう。ただそれだけの事で記憶の片隅すら覚えていないから思い出そうとするだけ無駄だろう。

 どういう理由でその手術痕を消して見せたのかは覚えていないし、彼女は俺の顔をしっかり覚えているとこを見て俺はその日顔を見られるヘマをしたようだ。次からは顔を見られないように徹底的にしよう。

 でもヘルメスさんモードでもヘルメットは欠かさずにつけていたのにどうして見られたのか。ヘルメットを外していたとしても認識阻害を顔につけていたから俺の顔を覚えられないはずなんだけど。

 銭湯に入っていたとしても認識阻害をつけていたと思う。


「そうよね。普通そんなことできないわよね」

「うん。手術婚を消せることができる人はヘルメスさんぐらいしか思い浮かばないよ」

「そうそう、ヘルメスさんしか傷を消せない。っえ?手術痕の大きさってどのくらいだったの?」

「それは大きい痕でして胸からお臍まででした。その痕を見られるのが嫌で小学校のプールの時間とかは痕があるお腹を見られないようにこっそり着替えたりして、私のコンプレックスでした。そんなある日、部活の先輩達に誘われてしょうがなく少し遠い銭湯に入ったら、私の身体を見てくる子が私の痕を消してくれたんですよ。私、急に触られたことに起こって帰ってしまって、痕が消えているのに気付いたのがその日の夜でした」

「私が聞いたのは経緯じゃなくて大きさだけよ。まあいいわ。あなたヘルメスさんに会ったのね。まさかヘルメスさんが女性だったとは、でもネットや噂では男性って言われているけど」


 美人さんは自分の世界に入って何やら独り言を始めた。

 自分の世界に入っている美人さんを図書館まで案内したし、俺はもう逃げ出してもいいよな?


「じゃあ、僕はこれで失礼するね」

「待ちなさいよ。話はまだ終わっていないわ」


 この場を逃げ出そうとしたら、痴漢呼ばわりする女子に腕を掴まれてしまった。

 女の子の手を振り払うのは簡単だ。このままずるずると彼女達に付き合うのは少し面白そうだ。


「えー、僕これから遊ぶ予定が」


 面白そうとは思ったもののたこ焼きを食べたくなってきたから今から大阪に行くために適当な理由をつけて抜け出そうと思考をまわす。


「誰と遊ぶのよ」

「誰かと遊ぶのではなく、新作のゲームが発売されてそれで遊ぶの」

「あら暇なのね。ゲームならいつでもできるでしょ?私達に付き合いなさい」

「達?」


 低能な俺の頭脳ではこの場を抜け出すことはできなさそうだ。思考をまわした結果こんな安直なことを言うことしかできなくて即答で論破されてしまった。

 この子は強引だな。

 そして痴漢女子に美人さんがクエスチョンを浮かべる。


「そうよ。あなたも一年生でしょ?これからカフェに行くよ」

「そうだけど、私、図書館に本を借りたいのだけど?」

「それも後にしても借りれるわよね?これから私達三人で入学祝いするわよ」


 なんて強引な子でしょう。俺と美人さんはその子に引きずられて図書館に後にした。

 可哀そうな美人さんは図書館に用事を済ませられないまま後にしたが、入学祝いと聞いて「あら、楽しそうだわ」とこぼしていた。

 俺達は引きずられてカフェに向かうのであった。


 名前も知らない女の子に二回も絡まれるなんて、今日の俺ってあんまりツイてなかったりしてな。

次の投稿は気が向いたら出します。


いつになるかわかりません

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