お菓子パーティー
美味しそうにお菓子を頬張るジュスティーヌです
ジュスティーヌはこの日、大いに戸惑った。なんと、エリザベスに呼ばれてエリザベスの部屋に行くと大きなテーブルが用意されていて、その上に沢山のお菓子が乗っていたのだ。
「お義母様…これは…?」
「ふふふ!あのね、ジュスティーヌに喜んでもらおうと思って…!…思ったのです。ですから、今日は好きなだけテーブルの上のお菓子を食べていいんですよ」
「いいんですか!?」
「もちろん。遠慮なく食べてください」
ジュスティーヌは途端に笑顔になる。
「お義母様はどれから食べたいですか?取ってきます!」
「え、私ですか?全部ジュスティーヌが食べていいんですよ?」
「お義母様と一緒に楽しみたいです!」
可愛らしいことを言うジュスティーヌに、エリザベスはまたも悶絶する。
「…可愛いっ!」
「?」
ジュスティーヌはよく分からず首をかしげる。エリザベスはさらに悶絶した。アルベルトとアーノルドは心の中でエリザベスにエールを送る。そしてエリザベスはなんとか復活した。
「で、ではフレンチトーストで」
「では、私もフレンチトーストにします!」
二人分のフレンチトーストを、ベッドの上にいるエリザベスの元へ持ってきたジュスティーヌ。二人で美味しく味わった。
「ふわふわですね!」
「メープルシロップがとても良い仕事をしていますね」
「甘くて美味しいです!」
幸せそうに笑うジュスティーヌに、エリザベスは用意して良かったと幸せを噛み締める。
「次は何を食べますか?お義母様」
「ザッハトルテにしましょうか」
「はい!」
ジュスティーヌは甘いもの、特にチョコレートが好きだと調査済みのエリザベスである。ジュスティーヌはるんるん気分でベッドにザッハトルテを運ぶ。あんまりにも可愛らしいその姿に、エリザベスだけではなくアルベルトとアーノルドも悶絶した。
「お義母様、どうぞ!」
「ありがとうございます、ジュスティーヌ」
二人で味わう甘いケーキに、ジュスティーヌは幸せを感じる。
「お義母様、私幸せです。お義母様が大好きです」
「私もジュスティーヌが大好きですよ」
二人で幸せを噛み締めている頃、ユルリッシュは難しい顔をしていた。
「隣国の転移魔法は一度に一人までが限界、一度使えば半年ほど使えなくなる。そうだな?」
「はい、皇帝陛下」
「あと残りの三ヶ月で結界を完成させられるのか?」
「…恐れながら、間に合うかわかりません。皇后陛下の莫大な魔力をお貸しいただければあるいは、とは思いますが」
「…病み上がりの彼女に無茶はさせられない」
ユルリッシュは、ユルリッシュなりにエリザベスを大切にし始めていた。
ユルリッシュは苦労性