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プレゼント

ジュスティーヌはいい子。

最近よく笑ってくれるようになった継母、エリザベス。エリザベスとはあの事件以降、距離が縮まった。


「お義母様、あの…本を読んで欲しくて…だめですか?」


「もちろんいいですよ。私の膝の上に乗ってくださいますか?」


「…はい!」


食事も取れるようになりリハビリも頑張っているエリザベスは、ジュスティーヌが会いに来るたびとても甘やかしてくれる。優しい自慢の義母である。そして、本の読み聞かせがとても上手い。


「そして少女は、いつまでもいつまでも月を見ながら歌い続けたのでした…」


ぱちぱちとジュスティーヌは拍手する。


「お義母様、とっても素敵なお話でしたね!」


「そうですね、ジュスティーヌ。他に読んでほしい本はありますか?」


「持ってきていいんですか!?」


「もちろんです」


ジュスティーヌは隠し持っていた本を取り出してエリザベスに差し出す。


「お願いします、お義母様」


「ええ。素敵な時間になりそうです」


ちなみに、ジュスティーヌは上手く隠しているつもりだったがエリザベスには本を他にも持っていることはバレバレだった。でも、素知らぬふりをする。


「…アーノルド」


「なんだよアルベルト」


「癒されるな」


「心が洗われるよな」


「ところで、アレがついに届いたぞ」


アルベルトの言葉にアーノルドがニンマリ笑う。


「皇后陛下は悶絶するだろうな」


「楽しみだな」


アルベルトは、今か今かとその時を待つ。アーノルドも同じく期待して待つ。そして、二冊目の読み聞かせが終わった。


「あの、お義母様。実はお義母様に目が覚めたお祝いのプレゼントをご用意しました!」


「あら、なんでしょうか?」


「どうぞ!開けてみてください!」


エリザベスが包みを丁寧に剥がし、箱を開ける。するとそこには、可愛らしいお人形が一体入っていた。


「私がお勉強のためにそばにいられない間、お義母様が寂しくないように私の分身みたいなお人形さんを作ってもらいました!よかったら、そばに置いてくださいね!」


満面の笑みで愛くるしいことを言うジュスティーヌに、アーノルドの予言通りエリザベスは悶絶した。


「お、お義母様どうしました!?嬉しくなかったですか?」


「違うの…嬉しすぎて、幸せ過ぎて心臓がバクバクして…」


「だ、大丈夫ですか!?」


「ジュスティーヌ」


エリザベスはジュスティーヌを抱きしめる。


「貴女は私の自慢の娘です。ありがとう、ジュスティーヌ。本当に嬉しいです」


「…はい!」


エリザベスとジュスティーヌの仲睦まじい様子に、アルベルトとアーノルドは胸をそっと抑える。二人が可愛くてたまらないらしい。


「では、また読み聞かせをしましょうか。小さなジュスティーヌも一緒に」


「ぜひ!」


またエリザベスの膝に乗るジュスティーヌ。この幸せが永遠に続くような、そんな気分に浸っていた。

プレゼントに感激するエリザベス

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