名前を考える
お腹の子の名前です
「皇帝陛下、この子の名前はどうしましょうか?」
「そうだな。そろそろ考えておこう」
エリザベスはユルリッシュと一緒に子供の名前を考える。
「男の子なら、ジュストはどうでしょうか?ジュスティーヌから名前を貰うのです」
「いいな。そうしよう」
エリザベスの提案に、ユルリッシュは満足そうに頷く。男の子だった場合の名前はあっさり決まった。
「女の子の場合はどうしましょうか?」
「そうだな…ジュリエンヌ…ジュリー…ジュリエット…」
「んー…ジョゼフィーヌ?ジョジアーヌ?」
女の子だった場合の名前の方が難しいらしい。色々名前を出し合っては首をかしげるユルリッシュとエリザベス。そんな二人のすっかりと夫婦になった様子に癒されるアーノルドとアルフレッド。
「どうしましょう…なかなか決まりませんね」
「そうだな。名付けは難しい…」
首をかしげるタイミングまでぴったりで、今やおしどり夫婦の二人。最初の頃の距離感が嘘のようである。
「ジョアンヌ…ジャクリーヌ…」
「そうだ!ジャスミーヌはどうでしょうか?語感がなんとなくジュスティーヌにも似ていますし、姉妹感が出ると思うのですが」
「なるほど。それは良い提案だな。それで行こう」
こうして、子供の名前が決まった。と言っても今は妊娠の初期の初期。進んだ科学技術と魔法技術を駆使して調べてようやく妊娠がわかる程度の時期である。絶対何事もなく…とは限らない。それでも、二人は子供が元気に生まれてくることを期待していた。
それはジュスティーヌも同じである。エリザベスから話は聞いていて、まだ安定した状況ではないと理解しつつもやはりまだ見ぬ兄弟に期待してしまう。
「お父様、お義母様!私の兄弟の名前は決まりましたか?」
「ジュスティーヌ。ちょうど今決めたところだ」
「わあ…!聞いても良いですか?」
「もちろんです、ジュスティーヌ。むしろジュスティーヌに一番最初に教えられて嬉しいですよ」
「男の子だったらジュストにする。女の子ならジャスミーヌにしようと思う」
その名前を聞いてさらに瞳を煌めかせるジュスティーヌ。
「まるで私とお揃いですね!」
「ジュストはジュスティーヌから名前をもらったし、ジャスミーヌは語感をジュスティーヌに合わせたからな」
「わあ…!嬉しいです!お父様、お義母様、ありがとうございます!」
「ふふ、生まれてくるのが楽しみですね」
「はい!とっても楽しみです!」
えへへと笑うジュスティーヌに癒されるユルリッシュとエリザベス。そして、そんな家族三人の仲睦まじい様子に胸がいっぱいになるアルベルトとアーノルド、アルフレッドだった。
ジュスティーヌは待ち遠しくて仕方ないようです




