とある報せに喜ぶジュスティーヌ
ジュスティーヌは一番のお友達を差し出す
「お義母様!私の兄弟が出来たって本当ですか!?男の子ですか?女の子ですか?」
誕生祭からしばらくして、エリザベスが医師の検診で子を宿したことがわかった。まだ宿ったばかりで、不安定な状態なので無理はしないように言われたエリザベスはユルリッシュの命でベッドの上での生活に逆戻りである。
「はい。本当ですよ、ジュスティーヌ。ただ、性別はまだわからないんです。もうちょっと待っていてくださいね」
「わかりました!」
「あと…」
エリザベスはどう伝えるか迷ったが、口にした。
「赤ちゃんはまだ、確実に元気に生まれてくれるとは限らなくて。すごく不安定な状態なので無理は出来ないんです。それでも、待っていてあげてくださいますか?」
「もちろんです!私、いっぱいいっぱいお祈りしますね!赤ちゃんが元気に生まれてくれますようにって!お義母様も辛い思いをせずに、するっと生まれてくれますようにって!」
「ふふ、ありがとうございます。きっと、元気な子を産んでみせますね。そうしたら、いっぱいいっぱい可愛がってあげてください」
エリザベスはジュスティーヌの頭を撫でる。
「はい、お義母様が愛してくれるみたいにその子を大切にします!約束です!」
ジュスティーヌはキラキラした瞳でエリザベスに約束をした。エリザベスはそんな可愛らしいジュスティーヌを見て、大丈夫だと確信した。自分の子供が出来ても、ジュスティーヌを変わらず愛せると。
「ジュスティーヌ。ベッドの上での生活に逆戻りしてしまったので、またたまに遊びに来てくださると嬉しいです」
「もちろんです、お義母様!そうだ!今日はこれをお持ちしたんです!」
ジュスティーヌは可愛らしいアザラシのぬいぐるみを差し出した。
「その子が生まれたら、これを上げてください!私の小さな頃からのお友達です!ずっと、兄弟が出来たら是非にと思っていたんです!あ、ちゃんと洗って干してきたので清潔ですよ!…それとも、お下がりはあんまり良くないですか?」
自分から言いだしておいて不安になってくるジュスティーヌ。エリザベスはそんなジュスティーヌを優しく抱き寄せて包み込む。
「そんなことはありません。きっとこの子も喜びますよ。この子の一番目のお友達にしましょうね」
「はい、お義母様!」
幸せな空間がそこには広がっていた。アルベルトとアーノルドは微笑ましげに見守り、そして二人には聞こえないように大いに盛り上がった。
「姫様のお気に入りのアザラシちゃんかぁ」
「姫様はそれだけ本気でご兄弟を大切にされるおつもりのようだ」
「癒されるよなぁ」
「癒されるな」
そんなことはつゆ知らず、エリザベスとジュスティーヌはお腹の中の子の話で盛り上がり微笑み合っていた。
エリザベスはジュスティーヌを抱きしめる




