エリザベスの誕生祭
誕生祭、みんなから祝福されるエリザベスです
今日はエリザベスの誕生祭である。国中の貴族が集められ、皇宮に招待される。広間でパーティーが開かれ、皆が我先にとエリザベスを祝福しようとする。
「皇后陛下、お誕生日おめでとうございます!」
「プレゼントもございますので、是非後で見てみてください!」
「ありがとう」
エリザベスは笑顔で対応するが、あまりの勢いに少し気後れする。しかしそんな中でも皇后として凛と澄ましてみせた。そして最後の一人の挨拶が終わりエリザベスは解放される。誰にも気取られないように注意しながらもほっと息をついたエリザベスの様子を見て、ユルリッシュはその頬にキスを落とした。
「もう、皇帝陛下ったら」
「君が可愛らしいからついな」
エリザベスは真っ赤になるも微笑み、ユルリッシュは満足そうに頷き笑顔を見せる。エリザベスとユルリッシュの仲睦まじい様子を見た貴族達は、一部を除いて皆大いに沸き立ち祝福した。
「ふふ、お義母様幸せそう」
「仲睦まじいね。僕たちもあんな夫婦を目指そうね」
「うん!」
ジュスティーヌはなかなかパーティー中にエリザベスに話しかける隙がなかったが、パーティーが始まる前に〝お誕生日おめでとうございます〟と言えたので満足していた。プレゼントの髪留め型のアミュレットも喜んで貰えた。今も、急遽着けてくれている。毎日着けてくれるらしい。
「ジュスティーヌ、ありがとうございます。似合いますか?」
「もちろんです、お義母様!」
一番は父であるユルリッシュに取られてしまったが、二番目に祝福できた。嬉しい。ユルリッシュのプレゼントは幸せの壺で、その効果で兄弟ができるかもしれないと言われてエリザベスもジュスティーヌも喜んだ。
「兄弟ができるかもしれないんですか!?嬉しいです!」
「ジュスティーヌが喜ぶのなら、頑張らないといけませんね」
その次はアーノルド達三つ子が祝福し、おせんべいという珍妙なお菓子をプレゼントしていた。あとでジュスティーヌにも分けてくれるというエリザベスに、愛情を感じてにまにまするジュスティーヌだった。
「特にこの白いさくっとふわっとしたおせんべいがおすすめですよ。あとでご一緒しましょうね」
「はい、お義母様!」
シャルルもパーティーが始まる直前ではあるがなんとか他の貴族に先んじてエリザベスを祝福出来た。プレゼントも狙い通り喜ばれた。だが、興味はすぐに美しく着飾ったジュスティーヌに移った。事前に衣装合わせはしたが、それでもやっぱり何度見ても可愛らしい。
「ジュジュ。せっかくだし、一緒に踊ろう?」
「うん!ルルとダンス、楽しみにしてたの!」
小さな二人が手を取り合い踊り出す。普段は色々考えている貴族達も、こればかりは純粋に癒された。
小さな二人が踊り終わると、エリザベスが二人のために冷たいジュースを持ってきた。二人はお礼を言って受け取り、喉を潤した。
「エリザベス。私達も踊ろう」
「はい、皇帝陛下」
ユルリッシュとエリザベスも踊る。幸せそうな二人の様子に、万雷の拍手が起こった。こうしてエリザベスの誕生祭は大成功したのだった。
ジュスティーヌも大満足




