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エリザベスの誕生祭に向けて頑張る各々の動き

エリザベス、愛される

ジュスティーヌは今、錬金術でパワーストーンを作っている。エリザベスへの誕生日プレゼントを用意しているのだ。


「…出来た!」


最後のパワーストーンを作ると、次は魔法で加護を重ねがけする。危機回避、魔力コントロール、防御魔法など様々な効果を重ねがけする。一時間ほどパワーストーンと格闘すれば、かなり強力なアミュレットが出来上がった。


「あとはゴム紐に通して…髪留め型のアミュレットの完成!」


ジュスティーヌは出来上がったアミュレットを光にかざす。キラキラしていて綺麗で、皇后であるエリザベスが毎日身につけてもおかしくない出来になった。


「お義母様、喜んでくださるかな…」


期待とちょっとの不安を胸に、可愛らしい袋にアミュレットを入れラッピングして机の中に大切にしまうジュスティーヌ。


「夜更かしなんて久しぶり!早く寝なくちゃ」


ベッドに入って眠るジュスティーヌ。その日の夢は、とても素敵なものだった。


ユルリッシュは、お抱え商人を呼びつけた。ずらりと並ぶプレゼント候補。しかしどれもピンと来ない。


「エリザベスを喜ばせるもの…」


「皇帝陛下。どれもピンと来ないならこちらはいかがでしょうか。聖王猊下も太鼓判を押して売り出した、聖女様の加護が篭った幸せの壺です」


「幸せの壺?」


「はい。これを部屋に飾るだけで様々な効果を得られます。具体的には、子宝に恵まれるとか」


「なるほど買った」


ユルリッシュは即決で購入した。エリザベスも喜んでくれたら嬉しい。そう思いつつ、エリザベスの誕生祭の準備を進めていく。


シャルルは高級店で猫用の新しい首輪と、猫が寝る専用のベッド、それにキャットタワーを買う。エリザベスが自分のことより人の幸せを願う優しい人間だと知ってのことである。ジュスティーヌが喜ぶ物をプレゼントした方が、無難な物を選ぶよりいっそ喜ばれると知っているのだ。


「皇后陛下、お喜びになるといいけれど」


高貴な生まれの者は、大概の物は望んだ瞬間に手に入る。故に、物欲がものすごく膨らむか、逆にまったく無くなるかという両極端になることが多い。シャルルも、あまり物には執着しないたちである。まあ、ジュスティーヌからプレゼントされた万年筆は宝物ではあるが。


「ジュジュを大切にしてくださる皇后陛下。どうか、ジュジュのために長生きしてくださいますように」


シャルルはそっと願う。母を失ったジュスティーヌの、心の支えであるエリザベス。幸せに笑っていて欲しいと、ただそれだけだった。


アルベルトとアーノルド、アルフレッドは三人でお金を出し合ってエリザベスへのプレゼントを買った。本来ならただの護衛が主人の誕生日プレゼントを買うなど不遜かもしれないが、エリザベスを喜ばせるためなら叱られたって構わない。


「で、結局どれにする?」


「やっぱり食べ物が一番じゃないか?あんまり気を遣う様な物はちょっと…」


「だよな!だから俺はやっぱりプラム公国のピッツァとかいいと思うんだよなー」


「パスタも捨てがたい」


「だがそれでは日にちがもたないだろう。日持ちするものの方がいい」


ああでもないこうでもないと相談し合う護衛三人。


「日持ちを考えるなら、高級な焼き菓子とか」


「悪くねーな。和の国の伝統菓子、たい焼き…だっけ?あれは日持ちしねーの?」


「和の国か…なるほど、最近の皇后陛下のお気に入りだったな。ライスを特に気に入っていらっしゃる様子だったな?」


「おう。皇后陛下はライスがお気に入りだぜ。卵かけご飯とかいう珍妙な食べ物を気に入ってたな。あと、おにぎり…だったか?」


エリザベスは前世を思い出してから、日本に近い文化を持つ東国、和の国を贔屓にしている。国土も狭く国民の人数も少ないが、 何故か一人一人が武術を極めているため不思議と強い和の国。エリザベスのお気に入りになったことで、ヴァレリアン帝国の加護も受けしばらくは安全だろうと思われる。


「まて。確か和の国にはライスを使った菓子がなかったか?」


「ライスを使った菓子?んあー…なんだっけ…」


「ああ、確かせんべい…だったか?」


「あー!あったな!」


「あれは湿気にさえ気を付ければ日持ちするのだろう?いいんじゃないか?」


三人は同時に頷く。


「高級なせんべいなんて売ってるかね」


「なんか、皇后陛下の話では海老を使ったせんべいとかもあるらしいしいけるだろ」


「色々な種類のせんべいの袋詰めも良さそうだ」


ということで、護衛三人でお金を出し合って様々な種類のせんべいを買い漁ったのだった。

ジュスティーヌは特に気合が入る

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