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エリザベスの長い夜

乙女から大人へ

「また暗殺者ですか?」


「ああ」


「また隣国でしょうか?」


「いや、今回は…国内の貴族の仕業だ」


「え」


エリザベスはユルリッシュから、寝る前にジュスティーヌを狙った暗殺者について聞いた。ジュスティーヌを怖がらせないため彼女の耳には入らないようにしているが、恐ろしい話である。


「国内の貴族が何故ジュスティーヌを?彼女は将来の女帝です」


「だからだ。ジュスティーヌを排して、私と君との間にも子が出来なければそれを理由に新たな側妃として自分の娘を捻じ込み、将来の皇帝を産ませたい。そんな分不相応な野望を持つ輩もいる」


「そんな…」


エリザベスは青ざめる。ジュスティーヌはどこまでも狙われてしまうのかと。あんなに優しく、良い子なのに。


「…私は、ジュスティーヌを女帝に据えるつもりだ。それは変わらない」


「はい」


「ジュスティーヌには既にサシャという弟もいる。兄弟はいらないかもしれない」


「そうですね」


「それでも」


ユルリッシュは、エリザベスを見つめる。


「ジュスティーヌに、血を分けた兄弟は必要かもしれない。ただ、男の子が出来たとしてもジュスティーヌに帝位は継がせる。…どう思う?」


エリザベスは少し悩む。


「我が子は…」


「ああ」


「特別可愛いものだと聞きます」


「そうだな」


「私は、自らの子を産んでも…ジュスティーヌを変わらず愛せるでしょうか…」


不安そうに揺れるエリザベスを瞳を見て、しかしはっきりとユルリッシュは言った。


「当たり前だ。君のジュスティーヌへの愛は本物だ。それは私が保証する」


「…もし私がトチ狂って自らの子を帝位に据えようと画策したら、私を止めてくださいます?」


「君はそんなことはしない。が、全力で止めると約束する」


「…なら。サシャという弟はいますから、次は可愛い妹が欲しいですね」


「そうだな。…優しくする」


そして二人は、この夜初めて一つになった。エリザベスの純潔は散らされ、二人は甘い時間を過ごした。

やっとくっついた二人です

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