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サシャの悪戯

ところで質問なんですが、ジャンルはヒューマンドラマのままの方がいいですか?ジュスティーヌとシャルル、エリザベスとユルリッシュの関係を考えて恋愛(異世界)に変えた方がいいですか?

サシャは今、とても悪いことをしている。なんと、ジュスティーヌの勉強道具である事細かに授業内容を記したノートを口に咥えて逃げているのである。追いかけるジュスティーヌは必死だが、サシャも必死だ。何故なら…。


ジュスティーヌを狙う暗殺者から、愛する主人を守るためである。


サシャは猫だ。猫は気配に敏感である。知らない気配が、ジュスティーヌに近づいているのを感じた。それも、魔力をその手に込めているのがわかる。いつでも魔法を発動できそうだ。


サシャは機転を利かせて、サシャからノートを奪った。小さな口でノートを咥えるのは容易ではない。しかし走る。全力で、でもジュスティーヌが追いかけられて見失わない速さで。


同じくジュスティーヌと並走していたアルベルトは、暗殺者に気付いた。そして、サシャが何のためにこんなことをしているのか想像もついた。


「姫様。俺はちょっと回り道をしますので、サシャ様を挟み撃ちにしましょう」


「うん!」


そしてジュスティーヌに恐怖を与えないように暗殺者のことは言わず、その場を不自然にならないよう離れた。


「…!」


「貴様、姫様を狙ったな」


離れたアルベルトは、バタバタ走るためなかなか狙いの定まらないジュスティーヌに夢中になる暗殺者の背後をついた。魔力を封じる手錠を素早く付けて、動きも封じ確保する。ユルリッシュの元へそのまま向かい、報告。あとはユルリッシュに任せて下がり、ジュスティーヌの護衛に戻る。


「ご苦労だった。この者の処遇は任せろ。ジュスティーヌの耳には入らないよう、あとでこっそりサシャを褒めてやってくれ」


「承知いたしました」


一方のサシャは、ようやく知らない気配が魔力を封じられ、自分のよく知る信頼出来るアルベルトに連れて行かれるのを感じて止まった。


「サシャ!やっと追いついた!もう、悪戯しちゃダメよ?」


「みー」


サシャはジュスティーヌを守れてドヤ顔である。怒られようがしったこっちゃない。


「もう、仕方のない子。でも、可愛いから許しちゃう!」


「みー」


そしてなんだかんだでやっぱりサシャには甘々なジュスティーヌである。ノートを口から離して床に下ろしたサシャを抱き上げて、子供をあやすように優しく揺する。サシャはその心地良さに目を細めてゴロゴロと喉を鳴らす。そこに遅れてアルベルトがやってきた。


「姫様、すみません。ちょっと回り道をし過ぎましたか?」


「サシャが止まってくれたから大丈夫。ね、サシャ」


「みー」


「ノートを回収して帰りましょう」


「はい、姫様」


こうして、ジュスティーヌの暗殺は未然に防がれた。

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