サシャの事件
サシャの事件が解決します
ジュスティーヌは今、サシャと猫じゃらしで遊んでいる。
「サシャ、楽しいね!」
「みー」
そろそろサシャのおやつの時間が近い。サシャは楽しみに待っている。
「…そろそろ時間だね!サシャ、お手!」
「みー」
「おかわり!」
「みー」
「お座り!」
「みー」
「伏せ!」
「みー」
ジュスティーヌはにっこりと微笑んだ。
「はい、ご褒美のおやつだよ」
「みー」
サシャはジュスティーヌの手からおやつをもらう。今日のおやつはマグロの切り身だった。
「みー」
「美味しいねぇ、サシャ」
「みー」
サシャは、ジュスティーヌが手ずから食べさせてくれるこの時間が好きだ。前の飼い主のことなど、もう思い出さなくなっていた。
一方その頃、アルフレッドはユルリッシュに例の件…サシャが皇宮に捨てられていた事件の報告をしていた。
「ようやくサシャを捨てた犯人がわかったか」
「はい。どうやらエタンセル教徒の犯行のようです」
「エタンセル教…最近出来た宗教だったな」
「はい。我らヴァレリアン帝国の国教、サンティユモン教を真っ向から否定する危ない宗教だそうですね」
「そうか。実行犯は逮捕したな?」
「もちろんです」
アルフレッドの言葉にユルリッシュは頷く。
「黒幕はやはり教祖か」
「はい。実行犯を拷問にかけたところ、そのような証言を得られました」
「よくやった。至急逮捕しろ。拷問にかけて、情報さえ引き出したら後は見せしめに公開処刑してやればいい」
「かしこまりました」
後日、エタンセル教の教祖が捕まった。拷問にかけたところ、彼は元々宗教家ではなくただ皇室を破滅に追い込むために適当な宗教を作り信者を得たらしい。彼自身は反皇室派の過激化集団の下っ端で、良いように使われていただけであった。
そのため、反皇室派の過激化集団も教祖であった彼の証言でアジトがバレ、一網打尽になった。彼等は情報を吐かせるために拷問にかけられ、最終的には公開処刑された。
ユルリッシュは中央教会の教皇と面会して、無事事件が解決したことを報告した。教皇と皇帝の力は拮抗している。早く解決できて本当に良かった。下手を打てば力関係が教皇に傾くところだったのだから。
とりあえず、これにてサシャの事件は一件落着である。
サシャはそんなことなど知りません




