ショッピング
二人のデートの終わり
「どこから行こうか、ジュジュ」
「ルル、見て!人形の専門店だって」
「おや、早速良い店を見つけたね。行ってみよう」
「うん!」
手を繋いでお店に入る二人。お店の中は広く、だと言うのに狭く感じるほどに人形が所狭しと並んでいた。
「わあ!色んなお人形がある!」
「へえ…陶器で出来たものもあるんだね。面白いな」
「いらっしゃいませ。どうぞごゆっくりご覧ください」
「ありがとう」
ジュスティーヌとシャルルは一つ一つの人形をゆっくりと眺める。そして、ジュスティーヌの足が止まった。
「ジュジュ、気に入ったものでもあった?」
「えっと、このお人形…お母様に似てるなって」
シルヴィアに似た人形を見つけて、思わず止まってしまったらしい。
「よければプレゼントしようか?」
「…でも」
なんとなく、エリザベスに遠慮してしまうジュスティーヌ。するとシャルルは言った。
「皇后陛下はそんなことで怒るような方ではないよ。皇后陛下は誰がどう見たってジュジュを溺愛しているって、専らの噂だし。それに、前に部屋に呼び出されてジュジュをよろしくと頭を下げられたんだ」
「え、お義母様が?」
「そう。それだけジュジュを大事にしてくださる皇后陛下だ。お母様のことを思うジュジュを、悪く思うはずがない」
「…そっか。うん、これ、買おうかな」
「僕が買ってあげる。ご店主さん、これください」
シャルルがジュスティーヌに人形をプレゼントする。アルベルトが人形を持とうとしたが、ジュスティーヌは大切なプレゼントだからと自分で持ちもう片方の手でシャルルと手を繋いだ。
「次はどこに行こうか」
「あ、ルル。雑貨屋さんがあるよ」
「いいね。行ってみよう」
雑貨屋に入るジュスティーヌとシャルル。可愛らしい小物から陶器のセットまで、なんでもあるらしい。
「へえ…いいね、何を買おうか?」
「色々見よう!」
たくさんの商品を見て回るジュスティーヌとシャルル。シャルルは一つの商品を手に取った。
「万年筆、買おうかな」
「ルル、それ欲しいの?さっきのお礼に私が買う!」
「おや、いいのかい?ありがとう、ジュジュ」
ジュスティーヌはアルベルトに頼みお金を払い、シャルルに万年筆をプレゼントした。そしてお店を出る。他のお店にも入ったりしながら、一日のデートは終わった。そしてジュスティーヌを馬車で皇宮に送り届けたシャルルは、ジュスティーヌと強く抱きしめあってから離れた。
「ルル、今日はありがとう。とっても楽しいデートだった!」
「こちらこそ、すごく幸せな一日だったよ。ありがとう、ジュジュ。離れるのが名残惜しいけれど…今日はこれでお別れだね。また明日」
「うん、また明日!」
こうして二人のデートは終わった。二人は寝付くまで、デートを思い出しては幸せそうに笑っていた。
明日からはまた頑張ろうと誓う二人




