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エリザベスの悩み

エリザベスお義母様は笑顔が下手

エリザベス・マルセル・ヴァレリアン。皇后となった彼女は、継子であるジュスティーヌとの関係に悩んでいた。


「ジュスティーヌが可愛すぎる。どうしようアーノルド」


「知らねえよ。普通に可愛がってやればいいだろ」


「それが難しいんだってばぁ!」


アーノルドはアルベルトの三つ子の弟である。エリザベスが皇后となる際に、専属護衛騎士に選ばれた。ちなみにタメ口なのはエリザベスが許しているからである。さすがに他の貴族の前では敬語だが。


「私のうちは両親が仮面夫婦だったの!その上子供に興味を持たない人達だったから、普通の愛情なんてわからないよ…」


「でもだからこそ幸せにして差し上げたいんだろう?」


「もちろん!ああ、どうしよう…」


エリザベスは、冷え切った家庭環境で育った。そのため、可愛らしいジュスティーヌを見てこの子を幸せにしたいと願った。ただいかんせん公爵家の娘として隙を見せないように生きてきた弊害で、外行きの微笑みは見せられてもそれ以上の表情が見せられない。というかエリザベスの表情筋が固まる。


「ねえねえ、今日のお茶会はどの紅茶が良いと思う?ジュスティーヌが喜んでくれる茶葉を選ばないと!」


「いや俺に聞かれても…どうせミルクとか砂糖とかジャム入れるなら一緒だろ」


「もう!全然違うよ!」


無表情なのにぷんぷんと怒るエリザベスに、何処が鉄の女だよメンタル豆腐だぞこいつと呆れ返るアーノルド。


「うーん。やっぱり今日は百合茶がいいかな!」


「結論自分で出せるんじゃねーか」


「ねえねえお茶菓子は何にしよう?ガトーショコラ?バスクチーズケーキ?それともフルーツタルトがいいかな?」


「予算なんか有り余ってるんだから全部取り寄せちまえよ。お前散財しないんだし」


「いいね!そうしよう!」


いいねじゃねーよと思いつつ、アーノルドはエリザベスを見る。無表情ながら子供のようにわくわくとした雰囲気で、いかにジュスティーヌを喜ばせるかを考える様はまさに母親そのものである。


「あとは表情筋さえなんとかなればなー」


「アーノルド、どうかした?」


「んあー…なんでもねえよ」


「そう?それよりも、見て!この花!貰い物だけどジュスティーヌとのお茶会に飾るのありだと思う!?」


「アリじゃね?」


残念ながら、こんなエリザベスだから誤解するものは多く、夫ユルリッシュ・トリスタン・ヴァレリアンもその一人だった。


「まあ、誰がなんと言おうが俺達は姫様とお前の味方だからな」


「アーノルド?」


「なんでもねえって」

アーノルドは敬語が下手

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