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魔力の供給

エリザベス、病み上がりなのに頑張る

この日ジュスティーヌは父ユルリッシュと共にエリザベスの部屋に来た。エリザベスはまだまだ療養が必要ではあるもののだいぶ元気になってきた。


「皇帝陛下、ジュスティーヌも来てくれてありがとうございます」


「はい、お義母様!」


「エリザベス、回復も順調だな」


「ええ。おかげさまです」


ふわりと笑うエリザベスに、ユルリッシュはなんだかとても優しい気持ちになった。そして、やはり魔力を供給させるのはまだ早いかと考えた。しかし、エリザベスの方から切り出した。


「皇帝陛下。ジュスティーヌを襲ったのは隣国の精鋭だったとのことでしたよね?なんでも転移魔法を運用したとか」


「…ああ。その通りだ」


「結界の準備は?」


「…それは」


「私の魔力をお貸ししてなんとか出来ませんか?」


魔力を供給すること自体に問題はないが、疲労が蓄積する。今の療養が必要なエリザベスにはきついはずだし、それを自ら提案されるなど思っても見なかったユルリッシュだった。


「たしかに魔力を供給してもらえばなんとかなるはずだ。だが君の負担が大きい。君のような素晴らしい皇后を亡くすわけにはいかない」


「ありがとうございます。そんな風に思っていただいていたなんて、嬉しいです。でも、そんな皇后だからこそ民のために尽くしたい。お願い出来ますか?」


「…わかった。ならば、魔力を供給する用意をさせる」


「出来れば今すぐでお願いします」


ユルリッシュは魔法師団長に連絡をしてすぐに魔力供給の準備をさせた。その間、ジュスティーヌはエリザベスに寄り添う。


「お義母様、魔力を供給するのって疲れるんですよね?大丈夫ですか?」


「大丈夫ですよ、ジュスティーヌ。少しくらい頑張れますから」


「お義母様、偉いです!」


ジュスティーヌがエリザベスの頭をなでなでと撫でる。エリザベスは悶絶した。アルベルトとアーノルド、ジュスティーヌはもはや慣れて、また発作だなと見守る。ユルリッシュはちょっとだけ引いていた。アルフレッドは初めて見たエリザベスの悶絶っぷりにやっぱりドン引きしたが、そんなエリザベスだからこそファンになったのだと思い直す。


「…そんなにジュスティーヌに撫でられて嬉しいのか」


「嬉しいです!」


そして、エリザベスから魔法師団の魔力タンクに魔力を供給した。魔力はマックスまで貯まり、これで結界は今すぐにでも張れる。魔法師団長が結界を張った。これでこれからは急な襲撃は防げるはずだ。


「よくやった、エリザベス。魔法師団長もご苦労」


「お義母様も魔法師団長様もすごいです!」


「ふふ、お二人ともありがとうございます。なんだか眠いのでちょっとだけ眠りますね…」


疲れ果てて倒れるように眠るエリザベス。ジュスティーヌが労わるようにその手を両手で握り締め、ユルリッシュはエリザベスの頭を優しく撫でた。

ユルリッシュはまだまだ頑なです

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