表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
The magic of war  作者: 橋山レンノスケ
1/1

雪解けの戦争  プロローグ

軍ものです。どうぞよろしくお願いします!



世界はとても残酷である…


「東方地区より魔法軍特殊戦闘官ルーチェ・クライ少佐がご到着です。」


「入れ。」


ルーチェは共和国の帝都にある魔法軍参謀本部。その中でもかなり上等な部屋に案内される。中からは威厳ある声が聞こえてくる。


中の人物の指示に従い重厚な扉が開く。中にはソファーに腰掛ける立派な髭を生やした男とその男向かいに座る細身の男がいた。


「魔法軍特殊戦闘官ルーチェ・クライです。本日はおよびいただき光栄と存じます。」


「おー、来たな。まあ座りたまえ。」


「失礼します。」


荘厳な部屋というのは誰もが緊張するものだがそれ以上の緊張感がクライの体を包み込む。


「それにしても久しいな、クライよ。昇進式典以来か・」


「お久しぶりです。たしか現在の肩書を拝命して以来かと。しかし…お言葉ですがそのような場合では無いかと。」


「ああ、そうだな。全くもってその通りだ。冷酷な戦争が()()によって溶けた」


「回避は不可能だったのですか?」


「無理だ。帝国は最後通告までしてきた。そして国はそれを蹴った。もう回避など出来ない…しかし天界魔法の使用だけは避けなければならない。それは帝国とて同じこと。しかし、使うことは否定できまい。そこまで追いつめられる前に速攻でたたく必要がある。そこでだ、普段は全方位的に活動する貴官だが、今後は第一方面に配属した上で

特務戦闘官に任ずる。」


「はっ!」


色々説明しよう。


現在、世界にはクライの属する共和国と帝国が存在する。互いが魔法軍事、生活魔法など様々な面で競い合い直接的には戦争をすることがない冷酷な時代を迎えていた。


きっかけは些細なことであった。帝国に隣接する小さな一つの国家が共和国を中心とする連合に加入したことである。帝国は干渉のために隣国に攻め入り、それを受けて共和国の連合、帝国の共同体が参戦。結果的にこうなったのだ。


さらに今回の戦争は格が違う。天界魔法が戦争の切り札に入ってしまっているのだ。


この世界において、魔法は魔法陣の枚数で変わる。一枚の魔法陣に刻める魔法の最大値は決まっている。そのため枚数が増やしてより高度な魔法の組成を行うのだ。今までどれだけあがいても十枚までしか魔法陣を同時発動することしか出来なった。しかし帝国と共和国は不完全ながら十一枚目の同時発動を可能にした。これが天界魔法である。


これにより今まで理論上でしか成立していなかった神殺しといわれる天界魔法(究極魔法)の発動が可能になったのだ。しかし不完全といったようにまだ()()()()()が出来ず発動すればどんな威力か、どれだけの範囲に影響が出るか分からず国が消える可能性がある。


そんな不完全なものを互いにチラつかせながらなんの利益も生まない戦争をやらなくてはならないのだ。まさに愚の骨頂である。


しかし、それでも国を滅ぼされないためにやるしかないのだ。これこそが残酷で…冷酷で…そして永遠なる戦争。雪は解けた。闇は晴れた。炎と平和を犠牲にして。その戦争の名は雪解けの戦争。これは長い闘いの最初の戦争(プロローグ)に過ぎない。



次回もよろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ