表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/52

007 宝蔵院

007 宝蔵院


宝蔵院の道場に来ていた、武者修行者と紹介される、柳生新次郎が横にいるので、いきなり喧嘩を売られることはない

柳生と宝蔵院はつながりがある

一目で、それが一番強いとわかった

「宝蔵院胤舜どのか!」

しかし、皆が何言ってんの馬鹿なのこいつという風にみられる

「儂は、宝蔵院胤栄覚禅坊と申す」

ヤバい!胤舜って武蔵に出てた人じゃないか?武蔵まだ生まれていない?

まさにそのとおり、武蔵も胤舜もまだ生まれていなかった


宝蔵院胤栄は宝蔵院槍術の開祖である

背丈はそれほど高くはないが、腕がゴリゴリの筋肉質、顎ひげがすごい

目つきもものすごい

「これは、失礼を、拙者は鈴木九十九重當と申します、廻国修行の途中でございます」

「ほう、お若いのに、それで柳生の息子がおるのですな」

「そうです」いつもは余裕があるが、やはりこのような達人の前では、なくなってしまった

「おいくつかな」

「11です」

「ええ」「ええええ」

皆が驚いている、新次郎も驚いている

身長と肩幅が大きいので、年齢よりも上に見えるだけで中身は11才である、ただし、前世知識を足すと軽く百年は超えるがな・・・

本当は、数百年も超えるが、忘れている部分も多いのであった


「生まれつきの体ですかな」

「いえ、これは食事により体を作ることもしております」

「食事で体を作る?」やはりこの考え方は理解されないようだ

「ええ、いい食事をとれば、体を大きく強くすることができるのです」

「むむ!」にらむだけで人が殺せそうである

「修行をさせてもらえるのでしょうか?」

「もちろん、ですが、その体を作る方法をご伝授くだされ」

「ああ、とりあえず、そこの加留羅さんをわが配下にいただきたいのですが」

「なんと、蓮国ですか?蓮国は良き男ではあるが、槍術はそれほどとはいきません」

「ええ、しかし、私の勘が彼を必要としているといっています」

「師匠、私も縁を感じます、ついでにいうと牡丹鍋をもっと食べたいのです」と正直な男

「ボタン舐め?」

「しかたがありません、やりましょう」

こうして、大牡丹鍋大会が始まってしまった

「般若湯を持てい」「飯をたけ」

さすがに、弟子込みで15人以上もいると、いる味噌と肉の量は半端ない

皆、餓鬼のようにむさぼり食っていた

「これが、体を作るということか!」豁然と悟ったかのように胤栄がつぶやく

「食べるだけではだめですし、鍛えないといけませんけど、まあ皆さんの鍛えようは通常じゃないでしょうが」


かくして無事弟子入りに成功?し、槍術の修行に入る

ここでも、料理番も兼任することになる


「師匠、ところで宝蔵院流って鎌槍じゃなかったでしたっけ?」

「なに!九十九、鎌槍とはなんだ」

というので、紙に絵を描く、十文字槍の横の部分が鎌になっているものである

「これは、なんだ!」いやあんたがやってたんじゃ?なかったの。


「よし、これを作らそう」もちろん興福寺には多数の僧兵が存在するので、武器を作る鍛冶屋が存在する、しかも興福寺は金持ちなので簡単に作らせることができる

だからこそ、般若湯(酒のこと)飯(米のごはん)を用意できたのである。

この大和国はほとんどが、興福寺が押さえている国である。


鍛冶屋である俺?も一緒に作業させてもらう

傍らで、適当な刀や十文字槍、鎌槍の穂先などを作る

材料は、持参のスウェーデン鋼なので鍛える必要はなく、形を整え、焼きを入れて刃にすることができる

簡単にできる割に、非常に強力なものになっているのだが、俺はそのことにあまり気づかなかった。


やはりひと月も修行すると、スキル<槍術(宝蔵院流)Lv1>が生える

相変わらず、霜君は生えない模様。あんたにしかそんな機能はない。

スキルが生えるとあとは、自己訓練のみで上達できるので、次の場所に行くことにする


「師匠、ある程度身に付きましたので、廻国修行を続けたいと思います」

「いかん!いかんぞ!」宝蔵院胤栄は断固拒否の姿勢だ

「でも、こっちも時間的制約があるので・・・」

そもそも、あまり弟子らしくない俺氏

元海軍高官でなおかつ貴族、さらに企業集団総帥という前世(直近)の記憶が鮮明であるので、どうしても偉そうになる模様

「うーむ、では儂も一緒に行こう」なんでそうなると突っ込みをいれそうになる

「それが良い、わしも廻国修行に行こう、体を作らねばならんし、この鎌槍も極める必要がある、それに九十九はまだ子供じゃ」

体は、あんたガチムチじゃないか、もう作る必要ないだろう!


「師匠、背は伸びませんよ」

師匠はガーンと打ちのめされている

「背は伸びんのか?」

「成長期過ぎてますよ、三十路でしょ」

「うるさい、今からでも伸びる可能性があるはず」ねえよ

「ついでに言うと、髪も生えてこないと思います」

「うるさい」ゴンと拳骨をくらう

「儂は、剃ってるの、禿じゃないわ!」

でもピカピカしてるけど、心の中ではそう思いながらも口には出さないでおく

この男の拳骨はかなり危険である


加留羅 蓮国は槍術はそこそこだが、やはり銃の腕前はすごかった

すぐに、手足のごとく扱えるようになった

彼は、迦楼羅神を祭る神官の家の三男で、関連のある興福寺に預けられたので、自由にできるとのことだったので、早速俺の配下になってもらうことになった

ちなみに俺は、鈴木孫一の配下であるが、単なる側近である、重要な武将ということではない、ゆえに柳生君は客将扱いが妥当ではないかと考えている

孫一が雑賀衆を統一し、大名になったら、家臣でもよいかなと思う

雑賀衆とはいうものの、「五絡み」などといわれるが5つの集落の惣(自治組織)で合議によっている組織である。つまり鈴木はその五つの内の一つでしかない。


「で、ツクモよ、次はどこに行くのじゃ」と師匠

「はい、これからは情報の時代です、というか戦争とは、情報戦ですから、もちろん情報戦のプロ集団、忍者を雇いに行きます」

「うむ、お前の言葉はよくわからんが、情報は大事じゃな」ひげをしごく師匠

「伊賀・甲賀のものをスカウトします」

「素ッ破か、そうなのか」

「服部半蔵をスカウトしたいです」

「すかうと?とはなんじゃ?」

「雇うです雇う」


こうして、オレ鈴木九十九、霜兵衛、柳生新次郎、加留羅蓮国はすくに、宝蔵院胤栄の5人組の旅が始まる、甲賀は近江、伊賀は伊賀国であるが、すぐ隣なので気にする必要はない、大和の隣であった。


・・・・

伊賀の国は貧しいところであった、そもそも田を作る場所が少ないのである

山と谷ばかりの険しい場所にある、だから忍びを生み出すことができたのであるが

やはり貧しい、しかも近ごろは不作続きである、生活はどうしても苦しくなっていた


伊賀国上野

さすがに、胤栄師匠、年の功で伊賀を案内してくれる

迷いもせず、目的の土地に到着、普通の田舎だった、どこにでもある田舎の風景

これが、忍びの里?もちろんそんなに目立ってたらだめだろう

そもそも、このころ忍びなどとは呼ばない、スッパ、ラッパ、細柵などと呼ばれているらしい、知らんけど。




いつもお読みいただきありがとうございます。

ライト時代劇な感じ?です。

応援(ブックマーク、★ポチポチ)をよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ