追放からのもう遅いwwww知らないよ、もう。
「もう一度言います。お金は結構ですので、
退店していただきたく思いま...」
と言いかけたときだった。
お金持ちそうな年老いた美人マダムが席を立ち、
つかつかと藤島さんの前に躍り出た。
マダムはうちの店の常連のお客様だった。
「あらー、一度だけ来て、二度と来ないお店?
それはあなたのお店じゃなくて?
店名は伏せますけどもね、あなたのお店、
この前、初めてうかがいましたが、味に上品さはなくぼやけた味でしたわ。それから、可愛い女の子バイト使ってるみたいだけど、甘やかされて教育がなってないせいか、接客はイマイチでしたよ」
「な...!」
「お前に何が解るって言うんだ...!?」
「申し遅れましたが、私、こういうものです」
マダムは流れるような滑らかな動作で高そうなショルダーバックから名刺入れを取り出し、名刺を藤島さんに一枚渡していた。
「り、料理研究家の...あの有名辛口コメンテイターでありインフルエンサー...」
「私ね、こちらのお店のファンになってしまったの。一週間くらい前だったかしら、初めて
お伺いして、ランチメニューをいただいたんだけど、凄く美味しくて。それから毎日通っているの。SNSでも紹介してしまったし、ブログでも絶賛のコメント文を思わず書いてしまったわ」
藤島さんはガタン、と腰を抜かし、それから
慌てて。
逃げるように店から出て行ったのでした。
俺のお店が。
広告費を使わず、
全く宣伝していないのにもかかわらず、
連日、盛況しているのには、
今、知ったんだが、このマダムの影響力が
あったみたいで。
高級レストランのお客さんは真横の俺の店に流れ。
更に、
マヒロちゃんは、閉店間際に俺の店に来て。
入り口のところで、俺にこう懇願した。
「人手足りないって噂を聞いたの!
私を雇ってくださいっ!」
と言われ、マヒロちゃんを雇うことになった。
今は。
仕事に追われて恋愛どころじゃないけど。
もうちょっと落ち着いたら、マヒロちゃんを
デートに誘おうと思ってる今日この頃です。
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