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居抜き物件って、通常より資金が要らないのが魅力だよね。
それから俺は父さんにバーンと背中を叩かれた。
「やってみろ...!父さん、できる限り協力するからよぉ」
自分の店か...
それ、何だか楽しそうだな。
「場所はどこなのさ?
家から近いの?」
「おう!結構近いな。
なんと、高級レストランの右隣なんだ」
「は!?高級レストランの右隣ぃ!?」
「うんうん!空き物件だけど、おまえのいままでの勤務先のすぐそば!
目と鼻の先に位置してるw」
「正々堂々と勝負だ!」
「近過ぎる...」
「オーナーシェフとか、もと職場のみんなと顔合わせたくない...」
「気にするな、そんなこと!」
父親はノリノリ。俺はついさっきまでノリノリだったけど、真横と聞いて気が重くなった。
だが。独立して自分のお店を持てるなんて、しかも、破格で持てるなんて、願ってもないこと。
俺は背中を押されて、意を決してやることにした。
自分の店のオープンまで、
父親の店で料理修行と、
隙間時間にドルチェを作っては
お客さんにサービスで出して感想を聞いた。
最初は、
「甘過ぎるよ!これ、しつこい甘さ」
などと酷評されてたシフォンケーキとかも
やがては上手に作れるようになって、
「美味しい!買って帰りたい!」と
言われ、俺は舞い上がった。
チョコレートケーキや栗のムースとかも
何度も試行錯誤して作った。
読んでくれてありがとうございました。




