転校生
「おはようございます。今日は皆さんにお知らせがあります。このクラスに転校生が入って来ます。貴方達は中学3年生ですよね。きちんとした態度をとって仲良くしてあげて下さいね…………」
うー! 嫌なんだけど、転校生って何よもう最悪よ。こんな僻地に連れてこられてさ! 山ばっかで、学校の周りにコンビニも店も何も無いじゃないのよ。こんなのでどうやって生活してくのよ。
亜美さん最悪……婆ちゃん家じゃなくて、学校変えずに一人暮らしできたのに! いきなり婆ちゃん家に行けなんて! どう言う事よ。こんな田舎、もし変な噂でも出たら消えもしないじゃないの……
都会は他人に興味なんて無いから、生きやすかったのに……今更こんな場所なんて、無理。
「紅さん。緋井紅さん。良いわよ入ってらっしゃい」
「はい」
私は、担任に呼ばれて中に入った。ザワザワ騒めく子供達の前さあ、どうするの私? 笑顔? ツンデレ? 敵は作りたく無いから適当に笑顔しか無いわね。
担任が親切にも黒板の真ん中に立たせてくれたわ。挨拶する様指示されて、私は思いっきり笑顔で挨拶をするのよ。
「初めまして。緋井紅と言います。皆さん宜しくお願いします」
「「「スッゲー長髪」」」
「「「「「綺麗な髪」」」」」
「大人っぽいよね」
「あれで同い年かよ」
「マジか……」
「緋色だ」
「ねえねえどこに引っ越して来たの?」
緋色? 誰? 緋色って言った奴は……ちゃんとカラコンしてるよね? え? 男の声だった! 誰だ?
「緋井さん、机は一番後ろに用意してあるから、あそこに座って。視力は大丈夫かしら? 一番後ろだけど黒板の文字は見える? もし見えない様なら変えるわよ」
「視力はいいから大丈夫です」
「そう。なら、座って授業にするから」
「はい」
私は、さっきの声が気になって仕方ないのよ! あの声は緋色って言ったわ。緋色なのは本当の私の瞳。今はカラコンを入れてて、隠してるけど本当は産まれた時から緋色をしてるのよね。
この瞳は隠さないと目立って駄目だから隠してるんだけど、さっきの声の主は隠しているのに見えたのね。どう言う事よ。こんな事初めて……
「ねえねえ!緋井さん私、三井幸子って言うの宜しくね」
「宜しくお願いします。引っ越して来たばかりなので、色々教えて貰えると嬉しいわ」
「何でも聞いてね。それにしても、その髪とても綺麗ね。真っ直ぐでサラサラで、とても良い匂いがするわね。どんなシャンプー使ってるの? 」
「えっとシャンプー? 普通のかな? 亜美さんが買ってくるの使ってるから何だろう? ……多分ドラックストアに売ってる普通のだと思うよ」
「本当に?触って良い?」
「良いけど」
「そこ!授業始まってるのよ!三井さん色々聞きたいのわかるけど、休み時間にしなさい」
「はい」
「すみません」
質問されたから答えたんだけど……怒られると思ったんだよね。この子周りの状況みえてないな。
自分の事しか見えてない自己中の子だね。こんな子は友達には欲しくない。きっと、自分の都合で直ぐ行動を変えるからリスクがある子だと思うわ。
けど、こんな子達と無難に上手く対峙していかないと、目立つ事はやってはいけない。そこんとこ肝に命じとこう。
先ずは、動物達に話しかけられても無視しないとね。一緒にケラケラ笑ってると確実に変な人よ!
この街は自然が多いし、神様に護られてるから動物達も神使が混ざってるのよね。
神使は、神の使い。眷属ね。時には神本人でもあるし、無視し辛いのよ。
それに私、一般の動物達の声も結構聞こえるから、区別つかないのよね。普通は音声切ってるけど、何となく感じるから話しかけられるとついつい音声上げて喋っちゃうのよね。
あー勉強結構遅れてるな。ここって前の学校でやったわ。自慢じゃないけど頭良いのよ。子供の頃から父方の田舎で様々な事教えられたから、憶えるのは得意になっちゃった。
それにしても、さっきの誰? 本当に気になる。クラスさっきから見渡してるけど、それらしい人居ないんだけど。
「えっ! アレ」
「何ですか? 緋井さん質問?」
「あ……いえ、何でもないです。ごめんなさい。続けて下さい先生」
見えた……なんなのアレは! アイツ何者。
色々ごっちゃごっちゃの内容になると思いますが趣味満載のお話になると思います。温かい目で読んでください。