自由行動日
お久しぶりです。
重要な話があると言われ、メタトロンと話を終えた後そのまま就寝した。目が覚めてから朝食を食べに食堂に行ったところニコレッタが先に朝食をとっていた。向こうもこちらに気づいたようで手を振ってこちらに話しかけてきた。
「おっはよー!えっとー…紀世彦くんっ!さぁさぁこちらに座りたまえよっ!」
そういうと自分の座っている向かいの席をポコポコ叩いていた。それに応じるように向かいの席に座った。
「紀世彦くんは朝はご飯なんだねぇ」
「そうだな、卵かけご飯はいいものだよな」
そう言いながら器によそってあるご飯に卵を落として混ぜながら答える。
「私にはその気持ちは無いかな、いつもクロワッサンだからねぇ」
ニコレッタはそう言いながらクロワッサンを頬張った。
「ところで紀世彦くんは今日は何して過ごすのかね?」
口をもぐもぐさせながら質問してきたので、少し行儀の悪いやつと思いつつ質問に答えた。
「今日は本とにらめっこしようと思っている」
そう答えたらニコレッタは悩んだ顔をしながら言い出した。
「紀世彦くんってインテリ系なの?」
本を読むというだけでインテリ系ってどういう頭をしているんだ??そう思いだがら質問に答えることにした。
「知識を蓄えるということはのち役に立つことがあるかもしれないだろ?だったら俺たちの世界に無かった魔法とかの知識を知ることは役にたてる場面が出てくるってことだ」
「紀世彦くんめっちゃいいこと言うねぇ」
そう返されたのでニコレッタはきっとお馬鹿な子なんだろうと思った。
その後そそくさと朝食を食べ図書室に向かった。
図書室に着いてから魔法系の本を置いてある所に行き本を取ろうと思ったとき、ふと、どの種類の魔法の本を読もうか悩んでしまった。
「スキル欄を見たときに多いことはわかっていたが、ここまでとは…」
やはり魔法という未知のものに対して興味しかないので、できるなら全て覚えたいという気持ちもある。けれど、自由にできるのは今日しかないので全部は無理だ。
「んー……やはり攻撃系がいいか?でもバフやデバフで戦況を有利にするのは利点だよな……」
少しの間考えていたが1つに絞った。
「サポート系にするか」
そう言いサポート魔法入門という本を手に取り、観覧できるように机や椅子が設けられている所に行き本を読み始めた。
そこには様々な魔法が載っていた。魔法名、詠唱文、効果など詳しく書かれておりとてもわかりやすかった。
「なるほど、これはわかりやすいな」
いくつかの魔法の詠唱を覚えた後、隣にあるトレーニングルームに足を運び、そこにある広場まで移動した。
「体に宿りし秘めたる力よ、今こそ目覚めよ、ジィナミプ」
詠唱を唱えたがこれといて何か起きた感じがしない。これは失敗したのか?そう思ってもう一度唱えたがやはり何もかわらなっかた。
そんな姿を見ていた人物がいた。その人物は見ていられなくなって紀世彦に声をかけた。
「君の詠唱の仕方はあってるけど、ただ詠唱文を読んでいるだけだね。その呪文を発動したいなら魔力を込めなきゃ」
そう話しかけてきたのはネコ耳と尻尾が付いている少女だった。
「えっと、魔力を込めるってどうやるんだ?」
全く知らない人物から話しかけられたが、疑問に思ったことの方が意識的に勝っていて、その人物の容姿などまったく目に入らずそのまま質問していた。
「魔力を込めるには自分の中に流れる魔力を感じることだね。」
「体の中に流れる魔力を感じるってなんだ?魔力なんでもん感じたことないぞ?」
前にいた地球では魔法なんてものは無かったし感じることなどできるのか?てか今でも自分の中に魔力があるなんて想像できない。
「魔力を使ったことすらないのか。んー君の見た目的に使ったことがないってのはないと思うのだけれどなぁ…」
そんなこと言われても困ったものである。
「ここに召喚される前は魔法なんてものは存在しなかったからな」
頭からびっくりマークが浮かび上がるようなモーションを取りながらその少女は言い出した。
「なるほど!だからなのかまったく魔力の流れが感じられん!」
そう言いながら近づいてきたときにネコ耳と尻尾が付いていることに気づいた。
「ん??ネコ耳に尻尾?」
そう言うと獣人族の少女は不思議そうに首を傾げながら言い返してきた。
「特に変わった所はないと思うが、そんなに違和感を感じるか?」
「違和感も何も、獣人?を見るのは初めてだ」
「そうかそうか、初めてか!どうだ?触ってみたいか??」
そう言いながらかおを近づけてきた。
警戒心が無いようにみえる行動に少し違和感を感じながら彼女の頭に手を伸ばした。
「実際のネコみたいだな」
「ネコと比べられちゃ失礼ってもんよ」
少し不機嫌そうにこちらを睨んできた。
「それはすまなかった」
「わかればよろしい♪」
そんな会話をしている間もずっと頭を撫でていた。
「そろそろ満足したか?」
流石に恥ずかしくなってきたのか、顔を少し赤くして言ってきた。
「お、おう。」
そう言うと彼女の頭から手を離した。ちょっと気まずい空気になったので話を戻した。
「それで、魔力を流すにはどうすればいいんだ?」
「んー、口で説明するより実際に感じてもらった方が手っ取り早いんだよな」
「それはどうやるんだ?」
「じゃあ手を出してくれないか??」
そう言われるまま手を出した。
「それじゃ始めるよ!」
そう言いながら彼女は紀世彦の手をとり何かを念じ始めた。次の瞬間身体中を何かが駆け巡る感覚が紀世彦を襲った。
「なんなんだこの感覚は!?」
「これが魔力の流れだよ、この感覚を覚えれば魔法を使うことができるはずだよ」
そう言いながら続けられ行為により紀世彦は激しい気持ち悪さに襲われた。
「なんか気持ち悪くなってきた…」
「あー、酔っちゃったのかね?それは、魔力操作に慣れてないだけだよ」
「いや、マジでキツ、イ…」
そう言い紀世彦は崩れ落ちた。