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5  火事場力と拒否

「前世の記憶は消えると共に、あなたたちの新たな生には幸運を。」


 この時、耳にした言葉への理解より、よく話に聞く死直前の走馬灯の状態になった。


 今までの楽しかった思い出が。

 武道を習っていた苦しくも充実していた日々が。

 格ゲーに、格闘技観戦に、熱くなった気持ちが。



 スベテキエテナクナル・・・



 その時の自分は生きてきた中で今までに、一度だって出したことも無いくらいの、一番高いエネルギーを出していたと思う。


 火事場の糞力というやつだと思う。


 思考はどうしたらそれを逃れられるか、記憶情報を漁りつつ高速回転する。

 と、同時にその場から咄嗟に動ける様にするために自らの隅々まで意識を満たす。


(そういや格ゲーのボスって・・・)


 突然、今この時には全く関係ないだろう事が頭を過ぎる。

 だがそれは、止めどなく芋づる式に思考が連鎖していく。


(よくあるよね・・・)

(画面全体攻撃とか・・・)

(ガード不能とか・・・)

(その代わり発動までの溜めが長いとか・・・)

(特定の避け方があるとか・・・)

(ダメージ判定の出てる時間が、長い?短い?・・・)



 混乱し続けていて気づきもしなかったが、隣を見やるとすぐそばに柱がある。

 自分の身を隠しきれるに充分な太さの。


「ではあなたたちに祝福と加護を。」


 その言葉が言い終わる前に柱の陰に飛び込んだ。

 今までこの状態で自由が効かなかった事が嘘の様に。



 光った。2秒間くらいか。俺には光は当たっていない。間に合った。


 辺りには静けさが広がる。いや、俺がここに着いてから音なんてこれっぽっちも立ってなんていなかった。

 寒気が走る。俺以外の全部が例外無くあの光を浴びた・・・。


 ここへきて初めて今までの状況の意味を飲み込む。



(生きているのに無理矢理連れてこられた。リセットされて別の世界へ転生。人間の理解が及ばない・・・それは・・・)



「前準備はこれで完了です。ありがとうございました。」

 優しさを感じさせる声が、何故か礼を述べている。


「せっかくだし、この後も見学していっても?」

 それを受けて力強い声が返事をするのが聞こえる。





(この場所に、人智を超えた存在が2ついる!!?)


 危機感がますます膨れ上がる。

 その場から逃げ離れようとしても、先ほどとは真逆にこの身が動くことは無い。

 だが柱の陰でこちらに気付いていないみたいだ。

 でも、このままバレない、なんて事はないだろう。


 時間の問題だ。だけど、どうする事もできない。


 全て消えて無くなる、そう頭に浮かんで即、それを全力で拒否、いやこの場合、拒絶しようとしてどうにかなりはしたが、もうどうしようとこれ以上、動けないようだ。


 手詰まりだ。


(もう元には戻れない・・・だろうな。何せ俺がこんな目に遭っているのは・・・)




 神。



 の力によるものだろうし。その存在が2つも居る訳だし。

 俺の中の何かが「すとん」と落ちた。


 それと一緒に些細な、それでいて大それた事が浮かぶ。


 それが到底叶わないものでも。


 その浮かんだ気持ちを遮る様に声が響く。


「はい、ではこちらへ。ここが一番美しく見えます。」


 そのセリフと、その後に見た光景に、俺の心に浮かんだ気持ちは確固たるものになった。



やっとここまできましたが、あらすじ書いた説明大げさですね。

動機はたかが知れてますけど、人ってそんなもんだと思いますし。

加護の拒否、つうか拒絶方法もただ単に物陰に隠れただけとゆう。

回避方法に何のひねりもなくて、あっと驚く方法を期待していた方がもしいらしたら、

本当に期待外れでごめんなさい。

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